最近、自分が手タレだということを忘れかけている。
手タレの仕事というとスマートフォンのCMだったり、飲料水などのCMが多いのだが、
年齢が30歳を過ぎてから徐々に仕事が減って、
仕事どころかオーディションのお声すらなかなか掛からなくなってしまった。
そりゃそうだ。
特に理由がないなら20代の手を使ったほうがコマーシャルとして映えるのは当然。
わざわざ30オーバーの人間に声をかけてモデルになってもらう必要性は薄い。
もちろんそういう年齢の手の需要があった場合はお声が掛かるが、もちろん数は少ない。
必然的に仕事の絶対数は落ちていくわけだ。
20代後半、手タレの仕事がバンバンもらえていたときは、
このまま手タレの仕事だけで食べていけるんじゃないかと夢見ていたんだけどね。
リーマンショック、東日本大震災と続いて広告費が真っ先に削減され、
さっき言った自分自身の加齢のこともあって、今じゃたまーに露出させてもらってるぐらい。
(いちおう今現在も出演してるCMはあります。守秘義務の関係で言えないけど)
このまま手タレとしては、フェードアウトしていくのは仕方ないんだろうなぁ。
40歳、50歳になったとき、自分の手に需要があるとは思えないので。
たとえ中年や老人の手を撮影する案件があったとしても、わざわざキレイな手で撮る必要はないもの。
実年齢にそぐう、味のある手が使われるはずだ。
おっさんなのに中途半端に若々しくてキレイな手に用はない。
そう思うとなんだか悲しいね。
手のケアをしっかりやって見た目年齢をキープしても、書類選考の年齢の項目で自動的に外されちゃう。
さすがにこれだけは日々の努力ではどうにもできないな。
どんなに手を保湿しても、ケガや日焼けに気を付けても、逃れることができない。
おとなしく時の流れを受け入れるのみか。
千代の富士は、加齢によって「体力の限界」という言葉を残して引退した。
子供の頃に憧れの存在だった野球選手は次々に引退していく。
ちょっと前に金メダルをとっていたなぁと思ったオリンピック選手も、気がつけば引退会見してる。
最近だと浅田真央ちゃんが記憶に新しいか。
もちろん俺はそんな偉大なプレイヤーではないけど(笑)
テレビのニュースで観ていたことと同様のことが
自分のすぐ目の前にチラついてきている事実がやっぱり受け入れ辛い。
しかも自分の手の見た目年齢はさほど変わっていないことが、また逆に悔しいね。
まだいけるはずなのに実年齢がクリティカルに足枷に。
うん、やっぱ悔しい。
まぁ、いけるところまでしぶとく手タレであり続けるつもりだけどね。
手タレのままでいながら、それでもできる仕事はたくさんあるし、なんというか手タレである自分が好きだ。
だって男性の手タレなんて日本に何十人もいないんだぜ?
そんなマニアックでレアな仕事を続けている自分にちょっと誇りを持ってる。
致命的な大ケガ負うとかしない限りはずっと続けていきたい。
こんな残り屁みたいな手タレですが。
今後とも応援よろしくです。
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