ディープブルー2
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今回は私が大好きなジャンル、サメ映画でございます。
ディープ・ブルー2を観たよ!
前作であるディープ・ブルー(1999年公開)は映画としてはかなり名作でした。
常に意表を突いてくる展開がハラハラするし、サメ映画興味ない人でも十分に楽しめたんですよね。
サミュエル・L・ジャクソンのシーンで「えええぇぇ!!」ってなった人は多いはず。
今回はそれの「2」。
映画の公式説明ではいちおう続編ってことになっていますが、実状は同作品のリメイクですね。
よく言えばリビルドだけど、悪く言えば同じストーリーの焼き増し。
残念ながら今回は後者で、前作より遥かに製作費を削ったテレビ映画作品だという。
こ、これはクソ映画の予感。。。(;Ⅲ□Ⅲ;)
はい、あらすじいってみよー!
(ここからネタバレありありです)
南アフリカの沖合でボートに乗ってフィンニング(フカヒレの密漁)を行っていた男2人。
突然彼らのボートに大きな振動が走る。
なんとサメ5匹がフォーメーションを組んで襲いかかってきたのだ。
男2人はあっというまにボートから振り落とされ、サメに食べられてしまう。
そこに少し遅れてジェットスキーでやってきたトレント。
サメがトレントに向かってくるが、トレントはリモコンスイッチでサメを誘導して海上基地に帰っていく。
海上基地では大手製薬会社のデュラント社長が指揮を執っていた。
そこに呼び出されたサメ専門家である主人公ミスティと神経学者キム夫妻。
デュラントは将来人間がAIに支配されてしまう世界を危惧していた。
デュラントは人間の知能を高めることが必須であると考えており、
この施設でサメを使って実験しながらその薬の開発するんだと3人に協力を求めた。
これには反対的な立場を取るミスティ。
しかしここで知能強化されたサメたちの反乱がスタート。
サメ達は海上にある燃料入りのドラム缶にボートを激突させて爆発を引き起こす。
そのせいで施設内ではいたるところで浸水が始まってしまう。
さらにサメ達のリーダー格である「ベラ」は無数の子ザメを出産。
子ザメ達は浸水した廊下を徘徊し、施設内に散り散りになってしまった人間達を襲っていく。
デュラントがドアのロックをかけてミスティを見捨てたり、
キム夫がはしごを登る最中に下半身子ザメに食われたり、
諸々ありつつもミスティ、トレント、アーロン、デュラントは海上に出ることに成功。
通報を受けてやってきた沿岸警備隊のドローンもサメに食われ絶望するメンバー。
そのとき動きそうなボートが数十メートル先に浮いているのを発見し、そこまで全員で泳ぐことに。
案の定現れたベラの攻撃を受けてデュラント社長は華々しく死亡。
ベラは続けてミスティたちに襲い掛かかるが、至近距離で照明弾を口の中に打ち込んで撃破。
小ザメやほかのサメを殺すため、トロントが念のため事前に仕込んでいた爆弾で施設をドカーン。
すべて終わったと思った3週間後、平和なビーチにサメ達の影が・・・。
おしまい
ほいほい、ストーリ的にはやはり「ディープ・ブルー」の続編というよりは、リメイクですね。
海上基地でサメを使った製薬研究を行っていて、サメの反乱にあって水没していくなど基本的な設定は同じ。
リメイクで大きく変更されたのは、まず主人公が女性になったことですね。
前作のスーザンもヒロイン的立場ではあったのですが、
序盤は安全よりも研究データを優先しちゃうという、パニックホラーでは一番あかんタイプの人。
逆に今作のミスティは最初から正義感が強くまさに正統派ヒロインって感じ。
(ちゃんと最後まで生き残るしね)
また、サメがアオザメからオオメジロザメに変更されたのも大きな変更点。
サメ好きでない人にとってはどうでもいいことかもしれませんが(笑)
アオザメは外洋性で超高速で泳げるサメ。
最高速は時速95kmに達するという資料があり、
さらに停止状態からのスタートでも2秒で30m先にたどりつけるなんて話も。
そういや前作スーザンも静止状態から一瞬で食われたもんなぁ。
サメ映画の悪役としては驚異レベルが相当高いなサメですね。
今作のオオメジロザメはどちらかというと沿岸部にいるサメ。
淡水にも適応が可能で、沖縄本島の河川でも発見された事例が多くあります。
でも「淡水に侵入可能」って一番の特徴は本作ではまったく活かされないもんなぁ。。。
あとオオメジロザメはホホジロザメやイタチザメと比べて気性が荒いと言われています。
淡水域、しかも人間の腰ぐらいの高さの水位でも侵入可能なため人間と接触機会も多く、
人間にとって危険性が最も高いサメであると言っても過言ではありません。
でもねー、そもそもサメ映画って最初から「サメが人間をガンガン襲っていく」ってのが前提なんですよね。
なのでサメの種が、ホオジロザメであろうが、アオザメであろうが、イタチザメであろうが、襲うんですよ。
だってモンスターパニック映画だもの。
しかも実験でいろんな薬投与して知能が高くなったサメって設定。
リアル設定でその種が元々気性が荒いかどうかって、あんま関係ないんですよね。
そう考えるとオオメジロザメの「気性が荒い」って特徴は、全然活きてきません。
そう考えると、わざわざオオメジロザメをチョイスしたのは空振り感がすごい。。。
劇中でミスティが「この種はサメの中でも危険な種よ!」って発言することで視聴者側の恐怖が増すと思ったんだろうか?
逆に視聴者側には「なんでそんな危険なサメでわざわざ実験すんねん!」っていらないツッコミが出るだけのような(汗)
もういっそネコザメとかでやったらいいのにね(笑)
ネコザメが襲ってくる映画、俺めっちゃ観たい。
あと大きな変更点は、子ザメが新たに登場していることですね。
ただ、大型サメ5匹と無数の子ザメに囲まれるって状況は絶望感としてはすごいはずなんだけど、
そのせっかくの子ザメがあんまり活かされてない感じ。
今回テレビ映画ってことで制作費がないせいで、全体的に施設がちゃちいんですよね。
基地の海上部分は本当にここから海中に施設が伸びているのかと疑ってしまうぐらいにただの牡蠣養殖場だし、
浸水しちゃった後の基地の中はずーっと同じような暗い廊下のセットばかり。
この廊下、エリアによって青、緑、赤と照明を使い分けてたけど多分同じセットなんじゃないかな。
子ザメシーンのほとんどがこの薄暗い廊下シーンになる上に、かなり尺も長め。
メリハリないままダラダラ続くのがモンスターパニック映画として×。
テンポ大事なのよ、このジャンルは(笑)
全体的な感想としては「すげー駄作だと覚悟して観たら、意外に観れなくもなかった」ってところかなぁ。
まぁ、もちろん前作のほうが作品としてハイクオリティなのは間違いないです。
100人に聞けば99人は前作のほうが面白いと答えるでしょう。
ただ、本作もテレビ映画にしてはがんばってるほうなんじゃないかと。
なんせもっともっとひどいサメ映画は世の中に腐るほどあるので(笑)
それらにくらべりゃ、このディープブルー2はカワイイもんです。
個人的にはデュラント社長の典型的あかん人間っぷりが好き。
「AIに乗っ取られる世界が来るんだ!備えないと!」と本気トーンで力説してる姿には、
一周回ってコケティッシュな雰囲気まで感じてしまいます。
たぶん前の晩に『ターミネーター』と『アイ,ロボット』観たんだろうな。。。
でも社長が薬飲む描写は必要だったんかな(笑)
頭良くなる薬のはずなのに頭悪くなってる感あるし。
そもそも薬飲んだときの化学式や数式が出る演出、あれ何?
もしあそこでガリレオ湯川先生のテーマでも流れれば、サメ映画史上で末永く語り継がれたはずなのに。
口惜しい。
ただどうしても許せないのは、ラストのベラ撃破からの施設爆破。
「絶体絶命の大ピンチに見えました?実はこっそり照明弾構えてましたァーーン!」は流石に取ってつけすぎ。
しかもその後の施設爆破もしょぼすぎて。
どう考えてもあの爆発規模じゃ海中のサメ死なないでしょ。。。
あんなんでめでたしめでたしってされると萎えちゃうよねぇ。
ベラ以外の4匹の影が薄すぎるのもね。
個人的にはモンスターはベラ1匹で良かったんじゃないかと。
たった1匹のサメが次々人の命を奪っていくって話のほうが映画としてはそそるような。
雑魚モンスター増やしたところで内容が薄まるだけなんだなぁとしみじみ感じちゃった。
まぁ、いろいろ書いたけどスナック菓子食べながらの金曜ロードショーってノリであれば一般ユーザーでも観れる感じだとは思います。
B級サメ映画好きであれば前作と比べながらツッコミながら観るのも楽しいですよ。
ご興味あればどうぞー。
ただし2018年制作の映画だと思って観るの禁止(笑)
したらな!
ディープブルー2
2018年アメリカテレビ映画
監督: ダリン・スコット
製作: トム・シーグリスト
製作総指揮: トム・ケニストン
キャスト: ロブ・メイズ、ダニエル・サブレ、マイケル・ビーチ
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