ドント・ブリーズ
育児で外出できない人の強い味方、Netflix!
今回は「ドント・ブリーズ」を観たよ!
これもけっこう有名なホラー映画。
2016年アメリカ制作。
「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレスが監督を務めています。
あらすじはざっくりこんな感じ。
ネタバレです。
(っていうか予告動画見ればほぼわかるけど)
デトロイドに住むロッキーは、アル中の母親と歳の離れた妹と三人暮らし。しかし母親は男を連れ込み育児放棄の状態。妹を連れて街を出る資金を稼ぐために、男友達アレックス&マネーとともに空き巣行為を繰り返していた。
普段は万一捕まったときのことを恐れて小さな盗みしかしてこなかった。しかし今回は大金を持った盲目の老人の話を聞きつけ、大きなヤマに挑むことに。老人は元軍人だが、盲目で1人暮らしであるため楽勝だと思っていた。
夜中に老人の家に忍び込んだ三人。厳重に鍵がかけられた地下室への入り口を発見するが、その鍵を開けている最中に老人に見つかってしまう。マネーは老人を銃で脅すが、接近され老人にあっさりと殺されてしまう。息を潜めるロッキーとアレックス。
大金をなんとか手に入れた二人だが、老人に侵入口を塞がれていて脱出路が見当たらない。地下経由の脱出経路をあてにして地下に潜るが、なんとそこには縛られて監禁されている女性が。彼女は、老人の娘を車の事故で殺してしまったが無罪判決になっていた女性だった。彼女を連れて脱出しようとするが、老人の待ち伏せによる銃弾で彼女は命を落としてしまう。
慌てて家の中を逃げ回るロッキーとアレックス、そしてそれを追う老人。ブレーカーを落とされて暗闇にされてしまったり、獰猛な犬を放たれたり、執拗な老人の攻撃が続く。その中でロッキーは、老人の復讐は「自分の娘を奪った女を拘束して妊娠させ、再び自分の娘を産ませる」という狂気の内容だったことを知る。
アレックスは殺され、家から一度は逃げ出せたロッキーも再度捕まってしまい、絶体絶命の危機。しかし警報機を作動させるという機転を利かせてロッキーは老人をなんとか撃退し、金を持って逃げ切ることができる。
妹を連れて空港にいるロッキーは、今回の件がテレビのニュースで報道されているのを見て神妙な面持ちになる。
おわり
うん、ホラーとしてすごい良くできてる作品だと思った。
フツーに面白いっす。
空気感としてはゲームのバイオハザード7に近いね。
古びた薄暗い館の中で、武器を持った狂人に追いかけられる感覚はそっくりだなぁと思った。
目が見えないハンデを全く感じさせないマッチョ老兵の怖さはゾンビ以上(笑)
映画として、まず良いなぁと思ったのはテンポ感。
主人公たちの境遇の描写から、老人宅に盗みに入るまでの動機作り、侵入して逆に襲われる立場になってからの命のやりとり、隠された真相の発覚、エンディングっていう流れがテンポよく進んでいき、観ていてまったく中だるみなし。
低予算のホラー映画だと、絶対と言っていいほど序盤や中盤にだるい時間帯があるんだけどね。
ドントブリーズは老人宅侵入からは最後までずっとハラハラした時間が続くからおもしろい。
上映時間が88分間しかないのが功を奏してるのかもね。
展開のボリュームとしては120分を簡単に超えそうな量なのに、それを90分以下の短い時間でたたみかけるように進めていくことで、視聴者を飽きさせず、さらに恐怖に慣れさせず、って感じがして良かった。
あと展開自体もおもしろい。
ホラー定石の展開ももちろん多いけど、「そう来るか!」という部分も非常に多くて、常にこの後どうなるのかを気にして楽しく見れたなぁ。
この映画、ズルいことに前半はアレックスが主人公に見えるように作ってあるんだよねー。
メンバーの中では一番真面目寄りで、ロッキーに淡い片思いをしつつ、いざとなったときの行動力はちゃんとある。しかも劇中で2回ぐらい「あ、死んだ!!」と思わせるシーンがあっても、毎回ギリギリのところで生き残っていたり。
そんな主人公にしか見えないアレックスが中盤過ぎであっさりと殺された時には「おおっ!?」と意表を突かれた。
あと、家から1度脱出して距離を取ったロッキーが「もうこれで大丈夫でしょ」と安堵した瞬間に遠くから走ってくる犬の姿にはニヤリとしてしまった。
それまでのシーンで「屋外にさえ出ればゴール」という意識の植え付けがしっかりとされているので、屋外に出ても実は全然安心じゃなかったっていう突き落としはかなり強力(笑)
老人の復讐の在り方も怖いしね。
娘のカタキへの復讐は拷問でも強姦でもなく、自分の精液をピペットで注入して自分の子供を孕ませることって、今までありそうでなかったハイレベルにマッドな発想。
うえぇぇぇぇ。
ひとつ映画としてネックかなと思ったのは、主人公チームが盗人であるという点かな。
窃盗目的で老人宅に侵入しているうえに、ロッキーは仲間の一人が死んだ後も金に執着したりしてるので、老人に追い回されても自業自得感が満載。
悪人VS狂人の構図で最後まで進むので、登場人物に共感しながら映画見るタイプの人には受け入れがたいかもねー。
映画を俯瞰で見れるなら気になることはないんだけど、俯瞰で見過ぎると当事者間が薄れて恐怖感が半減してしまうという板挟み。
まぁ、それでもフツーに楽しめるホラー映画だと思います。
上映時間90分以下で気軽に見られるので、こういうジャンル好きならぜひ。
あ、ちなみにすでに続編も脚本だけは完成してるらしいっす。
本作だけでキッチリと完結してる印象なだけに「名作の続編は駄作」のセオリーを踏みそうな気配はあるけど、ちょっと気になるのも正直なところ。
さてさて、どうなることやら。
ドント・ブリーズ
監督: フェデ・アルバレス
脚本: フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
製作: サム・ライミ、ロバート・タパート、フェデ・アルバレス
出演者 ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット、スティーヴン・ラング
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