JAWS2(ジョーズ2)
育児で外出できない人の強い味方、Netflix!
はい、先日の「JAWS」に続き、今回はその続編の『JAWS2(ジョーズ2)』でございます。
前作で監督を務めたスピルバーグが辞退してしまったため、監督は別の人間。
名作がショボイ続編でダメになる黄金パターンですね(笑)
実際、本作は世間のレビューを観るとけっこう酷評が多いです。
個人的にはそこまで悪くないとは思ってるんですが・・・
まぁ、不満な点が多い作品なのは確か。
そのへんは後述していきましょう。
ほい、まずはおおまかなストーリー!
ネタバレ嫌な人はここでゴーホームだぜッ!!
アミティ市の巨大サメ騒動から3年。
街には穏やかな平和が戻っていた。
しかし、前回のサメ退治のときに沈んだ船「オルカ号」の近くで2人のダイバーが行方不明になる。
続いて水上スキーを楽しんでいたボートが爆発、2人の女性が行方不明に。
さらには浜辺には大きな歯型がついたクジラの死体が打ち揚げられる。
3年前の事件を思い出したブロディ署長はサメの仕業だと確信し、
市長に警告するが、またもや耳を貸してもらえない。
イワシの群れをサメと間違えて発砲して市民を怯えさせてしまうという失態も重なって、
ブロディは警察の職から降ろされてしてしまう。
一方ブロディの息子マイクとショーンは、友人達とともにヨットに乗って沖へ遊びにいってしまう。
案の定、そこに巨大サメが襲撃、恐怖に怯える彼ら。
駆けつけたブロディは、海底に沈んでいる電気ケーブルをサメに咬ませて、電気ショックにより撃退に成功する。
おしまい
うん、B級モンスター・パニック映画としては普通に面白いと思います。
でも、前作『ジョーズ』のファンとしてはコレジャナイ感が強かったのかなと。
前作にあった未知の恐怖に挑むサスペンスチックなテイスト、
男3人が臨むサメ退治というアドベンチャー的要素、
ブロディ一家の家族愛が見えるヒューマンドラマ要素などなど、
前作にあった長所がこぞって削られてしまっています。
せっかくいろんな要素が絡み合って名作となってたのに、
本作は「モンスターが人々に恐怖を与えるホラー要素」を重視して仕上げてしまったんじゃないでしょうか。
その結果として薄っぺらい作品に仕上がってしまった印象があります。
前作は男3人でサメ退治に挑んだわけですが、今回がんばるのはブロディ署長1人。
(クイントは前作で死んでしまったし、フーパーはちょうど南極に出張中という設定になってる)
いやぁ、今作を観た後だと、前作の3人がいかに魅力的であったかがわかります。
ヘンドリックスという前作から出ている部下がまぁまぁ良い味を出しているんですが、
彼もサメ退治に同行する展開にすればよかったのでは?
あと脚本的にも、うーんという部分が多かったのもアレだなぁ。
前回のサメ騒動がたった3年前なのに誰もブロディの警告を気にも留めないのはおかし過ぎ。
あんなに街中を恐怖に陥れたじゃん!
5人も犠牲になって結構なパニックになったじゃん!
サメの存在を不安視するブロディと、それを信じない人たちの対立の時間が長く、
それが面白くないうえにストレスの時間でしかないんですよねぇ。
そんなの描きたくて続編作ったの?って思っちゃう。
あと息子マイクのヨット友達の人数が多すぎて、キャラ立てが散漫になってます。
もう半分ぐらいでもよかったんじゃないでしょうか。
キャラが立ってないモブが死んでも、観てる方はあんまり「ああーっ!!」って気持ちになれません。
おびえるだけで1ミリもアクション起こさないのも×。
ブロディ自身がほとんどサメと格闘しないのもなんだかなぁって感じです。
最後にケーブル咥えさせたとき以外はほとんどサメと絡んでいません。
怪物とのバトルシーンが前作より薄いってやっぱ致命的だよねぇ。
駆け足でとってつけたような感も強いし。
良かったのは救助に来たヘリコプターがサメによって沈められてしまったシーンかな。
いま思うと、「モンスターパニック映画で救助ヘリが撃墜される」って定番はここから始まったんじゃないかと思える。
バイオシリーズなどのカプコンゲームのヘリが安心と信頼の墜落っぷりを見せてくれる原点でもある(笑)
いやー、歴史を感じますね。
あ、登場するサメについて。
主役となるサメは今回も巨大なホオジロザメです。
前作とは全く別の個体で、サイズなどの描写は全くありませんが、たぶん今回も8メートル程度の大きさでしょう。
ただし今作では「サメ」というよりはただの「モンスター」のような描写がされています。
前作ではクイントやフーパ―が生き物としての生態を語ってくれていましたが、
今回はそういうリアリティを追及した設定は完全にノータッチ。
サメの生態とかそういうの関係なく、本当にただの人を襲う怪物でしかありません。
制作側としては、別にワニだろうが未知の生物だろうがなんでも良かったんでしょうね。
凶悪さを増すためにわざわざ顔に火傷の跡を作ったりと
襲い掛かる恐ろしいモンスター的な演出ばかりが前に出ています。
サメ好きにとってはこのあたりはちょっとガッカリポイント。
ちなみにサメの撮影方法は今作もロボットが中心。
前作では本物のサメの映像は挿入したりしてましたが、本作ではそれらしいシーンはなかったように思います。
そのせいか、前作よりもロボットの精度が上がっているはずなのにサメの描写がショボく感じられるという。
前作は中盤までサメがほとんど全貌を見せないまま進行しましたが、
いま思うとあれってかなり効果的な演出だったんだなぁと。
ロボットサメをバンバン出していったせいで恐怖が薄まるってのはなんだか皮肉な話。
とまぁ、荒い点ばっかり書き連ねてしまいましたが、
念のため言っておきます。
数多に存在するサメ映画の中ではこれでもマシなほうと。
あくまで名作『ジョーズ』の続編として観たら、ちょっとねって話。
B級パニックホラーとしては普通に観れるのでご安心を(それでいいのか!?)
ジョーズ2、ご興味あればぜひーっ。
したらな!
JAWS2(ジョーズ2)
1978年アメリカ制作
監督: ヤノット・シュワルツ
脚本: カール・ゴットリーブ
音楽: ジョン・ウィリアムズ
キャスト: ロイ・シャイダー、マーレイ・ハミルトン、ロレイン・ゲリー、エレン・ブロディ
コメント