【演劇】ラーメンズ第5回公演『home』

ラーメンズ第5回公演『home』

ラーメンズ『home』

画像引用元:ラーメンズ『home』より「無用途人間」

 

前回の『TEXT』『FLAT』に続き、ラーメンズ作品アーカイブシリーズ。

今回は第5回公演の『home』です。

なんで若いほうに遡ってんだろうというツッコミはなしで。

手当たり次第に観ていったらたまたまこの順番だっただけっす(笑)

 

毎度毎度、自分用の観劇備忘録ではありますが、YouTube内に無料公開されてる動画をページ内に埋め込んで個人的な感想など書きながらまとめてるので、もし良かったらご活用くださいー。

自分がどれ観てどれ観てないかなんかも管理しやすくなるかと思います。

 

それでは『home』、張り切ってスタート!

 

『home』公演情報

ラーメンズ第5回公演『home』

【収録作品】
無用途人間
読書対決
映画マニアの部屋(映画好きの二人)
縄跳び部
ファン
百万円
漫画家と担当
無類人間

【会場・スケジュール】
新宿シアターサンモール
2000年1月28日(金)~30日(日)

【キャスト】
小林賢太郎、片桐仁

【スタッフ】
作・演出:小林賢太郎
出演:ラーメンズ(片桐仁・小林賢太郎)
企画・制作著作:トゥインクル・コーポレーション
図案:good design company
映像ディレクター:松永 誉(visual and echo japan)

 

『home』YouTube動画

1.無用途人間

人間には皆何かしらの用途が与えられている、そんな設定で始まるコント。何も用途がない無用途人間のもとに、「伝達をする」という指令を伝達するためにやってきた伝達人間。だが伝達し終わると無用途人間は伝達人間に変化するが、元々の伝達人間は使命を終えて無用途人間になってしまう。

優しい嘘をつくという行為を遂行した人間、自分のためについてくれた嘘を見抜いて感謝の気持ちを告げる人間、結局はお互いにしなければいけないことを失いみな無用途人間になっていく。コント自体はおもしろおかしいギャグテイストなんだけど、自分の目的って結局相手ありきのことなんだなぁとちょっと深いところにもつっこんでくれる、そんな知的な作品。

2.読書対決

まるでエロ本を持ち寄った男子中学生かのようなテンションで始まる不思議な読書対決。既存の物語を元にして独自に創作してどちらが素晴らしい作品を読み上げていくかのような勝負だが、途中からどちらの内容が刺激的かみたいな対決に脱線していく。ジャンバルジャンの下りが個人的には大好き。




3.映画マニアの部屋(映画好きの二人)

とあるアパートの一室でくつろいでいる映画好きの男二人。耳かきを貸してくれというところから、ハリウッド映画ばりのウィットでおかしなやりとりに展開していく。どこかの映画で見たような軽快なセリフのやりとりが面白いし、時々隣の部屋からの苦情で現実に戻るところもテンポが良くて愉快。このやりとりいつまででも見ていられるなぁ(笑)

4.縄跳び部

縄跳び部の男子部員二人が大会に備えて練習に励んでいる風景。おかしな歌を歌いながら縄跳びをまわすシュールな絵面がなんともいえない。ほかの作品より逆要素が多く、逆にテーマ性は薄めかもしれない。『home』という冠をつけた作品集の中にこれを入れてきた意図は何だったんだろうか。




5.ファン

ロックバンドの野外ライブに行くために待ち合わせをしている。もう一人到着するはずの「バカ柳」が寝坊で遅刻しており、それを待っている二人。しかしひょんなことから仲違いしてしまい、一人は別のバンドのライブに行くことに。身勝手な言い分をしたほうが典型的にお天道様に懲らしめられる様はなんだか童話的。

6.百万円

百万円を得た悪人二人組と、百万円を得た善人二人組のお話。悪人側は口が悪いがやってることは限りなく善行であり、逆に善人側は一見良いことをしてる風だが行動は最悪で、その対比が面白い。個人的には後者がとっちめられる展開を期待してたけども。




7.漫画家と担当

タイトル通り、漫画家と編集者のお話。漫画家の家でごろごろしてる編集者を、漫画家は他社への乗り換えのための原稿を描きたくて早く追い出そうとしている。無事に編集者を追い出すことに成功した漫画家だったが、編集者の優しさに触れて乗り換えを考えていた自分の恥じて号泣するが・・・的な感じ。起承転結がすごくしっかりしていて、立場の逆転現象がまた面白い。泣かせにきて最後また裏切る終わり方をするのが鮮やかで、個人的には『home』の中では一番好きな作品。

8.無類人間

1番最初に収録されていた無用途人間をもじった感じで、今回は何も持ち合わせていない無類の人間に「何らかの類」を与えてみる的なお話。優しくなったり、田舎の人になったり、インテリビジネスマンになったり、猫になったりという形でいろんな属性を与えていくみたいな。結局はこれに関しても相手ありきの「類」であって、実際の生活でも同様のことが言えるよなぁなんて感じたり。

 

『home』という作品集。『HOME』ではなく『home』と小文字である意味、もしくは素直に家という意味なのか、帰る場所という意味なのか、自分の場所という意味なのか(もしかしたらホメかもしれないし)。自分の好きなことや自分のスタイルを貫いている登場人物が多く出てくることから、居場所的な意味合いなのかもね。




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