【日常】 勇気ひとつを友にして

 

「勇気ひとつを友にして」

 

昔ギリシャのイカロスは 蝋で固めた鳥の羽

両手に持って飛び立った 雲より高くまだ遠く

勇気一つを友にして

 

丘はぐんぐん遠ざかり 下に広がる蒼い海

両手の羽を羽ばたかせ 太陽目指し飛んでいく

勇気一つを友にして

 

赤く燃え立つ太陽に 蝋で固めた鳥の羽根

みるみる融けて舞い散った 翼奪われイカロスは

墜ちて命を失った

 

だけど僕らはイカロスの 鉄の勇気を受け継いで

明日へ向かい飛び立った 僕らは強く生きていく

勇気一つを友にして

 

 

自分にとっては小学校の音楽の教科書で御馴染みの曲。

みんな当たり前のように知っている曲だと思っていたのですが、実は知名度そんなでもないんですかね?

こないだ飲みの席で話題になったのですが、意外に知らない人の割合が多くて驚きました。

世代ってのもあるのかもしれませんが。

 

 

しかし、相変わらずツッコミどころの多い曲ですな。

自作した羽根をパタパタして太陽を目指そうなどと、物理法則への目の瞑りっぷりはゆでたまご先生レベルです。

そりゃあ海に落ちて死んじゃうよ。

いくらなんでも無理ゲー過ぎる(笑)

 

 

さて、この歌の無謀ポイントを探ってみましょう。

 

 

  • ロウで固めた羽根では強度的に無理
  • もし立派な羽根だったとしても、はばたいて飛ぶ腕力は人間にはない
  • 大気圏抜けたら息できない

 

 

ぱっと思いつくのはここですよね。

子供の頃の自分もこういったツッコミどころを見つけて面白がってました。

 

 

・・・しかし大人になってから気付いたのです。

事態はもっと深刻であると。

 

 

問題点その1: 地球と太陽の距離がありすぎる

はい、知ってのとおり地球と太陽はものすごく離れています。

その距離はおよそ1億5000万km。

地球1周で4万kmといえば少しは数字にイメージが沸くでしょうか。

チンタラと進んでいては一生辿りつくことはできません。

 

 

問題点その2: 大気圏を出た後は加速ができない

宇宙に出てしまえば当然空気というものがありません。

呼吸の面で問題になることはもちろんですが、さらに問題なのは 「はばたくことができない」 という点。

宇宙空間でどんなに羽根をバタバタやっても加速を得ることはできず、

地球を飛び出した初速そのままで太陽へ向かうことになります。

 

 

これらの問題をふまえると、

イカロスは凄まじい初速度で地球を飛び出さないと、太陽に着く前に老衰死ってことになります。

 

 

えーと、

人間の寿命を80年と考えるなら、死ぬ前に太陽にたどり着く速度を考えてみると・・・

時速300kmなら57年でたどりつきますね。

というか、その域までいくともはや「飛び立つ」ではなく発射ですが。

 

ロケット発射

発射ーッ!

 

 

 

イカロス旅立ちの日、フロリダ州ロケット発射用カタパルトにて ~

 

ジョージ 「HEY、イカロス。発射準備完了だ。」

イカロス 「OK、ジョージ。」

ジョージ 「それじゃあカウントダウン始めるぜ!5、4、3・・・」

イカロス 「待ってくれ。このロウのツバサはどうしたらいい?」

ジョージ 「ツバサ?邪魔だから置いてきな!GO!

 

 

そんなやりとりでイカロスは射出されていくのでしょうか。

ばひゅーんって感じで。

 

 

いま思うと、2番の歌詞で「丘がぐんぐん遠ざかり」じゃ遅すぎですね。

全部で4番までしかないことを考えると、

2番の時点で「地球は青かった」ぐらいのペースで進捗していただかないと。

 

 

しかし、

57年分のエアーの確保、

大量に浴びるであろう宇宙線への対策、

宇宙を高速でさまよう隕石やデブリの危険性、

考慮しなくてはいけない課題は山積みです。

 

 

あ、あと行きのことしか考えてないので戻ってくることできないね、

戻ってくることも想定するならさらに課題は増えるけど・・・そもそも太陽に何しに行くん?

根本が謎だということにいまさら気付く(笑)

 

 

イカロス少年の壮大な自殺計画の歌ってことでいいんでしょうか?

人生そんなに嫌な事あったのか(汗)

勇気だけ友達にしてないで、ちゃんと相談できるリアル友達を見つけろよっ!

 

 

がんばれ、イカロス!

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