イノシシ!
はい、演劇人が演劇せずに生き物の生態を語る謎シリーズ。
需要がどこにあるのかさっぱりわからんうえに、イノシシって検索ワードはSEO的にはレッドオーシャン過ぎてブログのアクセス増加さえも望めない。
(害獣となる野生動物はだいたいどこの自治体もページ作っていて、さらに自治体ドメインは検索結果で超絶優遇で上位表示されるので、一般人が書いたページはまず検索結果に出て来ない)
ああ、何のためにわざわざイノシシのことを書くのか。
「うるせー書くのが好きだからだよ!」としか言いようがない。
不毛なことに楽しさを覚えている自分に自己嫌悪だぜ!(爆)
・・・誰かそんな42歳に優しくしてください。
はい、ってなわけで今回はイノシシです。
時折ニュースにもなるからその害獣っぷりは周知のとおり。
イノシシに畑を荒らされる被害もキツイですが、突撃体当たりされて吹っ飛ばされたり、牙で太腿えぐられたりしたらマジ危険なやつです。
そんなイノシシさんの生態の紹介。
はりきってドーゾ!
1.イノシシとは?
イノシシは哺乳類。分類上は鯨偶蹄目イノシシ科にカテゴライズされていて、日本に生息するのはニホンイノシシとリュウキュウイノシシの2種。それぞれイノシシの亜種の位置づけになっています。
2.イノシシの生息域
イノシシは世界中に広く多様な種が分布しています。日本国内だとニホンイノシシは北海道と沖縄を除いたほぼ全ての地域に生息していて、リュウキュウイノシシは奄美大島や沖縄にのみ生息しています。
ただしリュウキュウイノシシは個体数も生息地域もかなり限定的であるため、日本国内でイノシシと言えばニホンイノシシのことを指していると思って差し支えはないでしょう。
またニホンイノシシは寒さが苦手なため長年北海道にはイノシシはいませんでした。しかし昨今では野生のイノシシとブタが交配したイノブタが出現し、これが寒さにもある程度適応できるようで、北海道とくに東側の地域で野生下での繁殖が確認されています。
ちなみに一部では足が短いから豪雪地域には分布しないという説があったそうですが、近年では福井県や長野県の山間部でも出没が確認されており、その説は信憑性が問われています。
3.イノシシの身体的特徴
イノシシのサイズ感
ニホンイノシシの場合はおおよそ体重50~150kgぐらい、頭から尻までの長さが100~160cmになり、オスの個体のほうがメスよりも一回り大きく育ちやすい傾向にあります。
100~160cmというと人間よりぜんぜん小さいのかなんて思ってしまいがちですが、イノシシはずんぐりして体格がよく筋肉質であるため、実際に見てみると数字以上の大きさと風格を感じます。
イノシシの体毛
イノシシの体毛は明るめの茶褐色~茶褐色をしていて個体による色の差は大きめ。ただし野生化では土を堀ったり泥の中に転がったりでその体毛は汚れて黒ずんでいることが多いです。
夏は比較的柔らかく細い毛をしていて、よくイノシシのイラストで描かれる白い斑点模様がある美しい毛並みはこちらになります。逆に冬には固く茶色の剛毛に生え変わり、この剛毛は固い枯れ枝の藪から皮膚を守る役割を持っています。この固い毛と厚い皮膚のおかげで多少のトゲ程度は障害にはならないようで、有刺鉄線が張られていてもその隙間に体を入れて強引に通り抜けることもしばしば。
また幼少期4か月ごろまでのイノシシは綺麗な縞模様が現れていて、それが瓜の模様に似ていることから、幼いイノシシは「うりぼう」と呼ばれます。この縞模様は木漏れ日の中では天敵から目を逸らす保護色の役目を果たすと考えられていて、成長して体が大きくなるにつれて少しずつ消えていきます。
画像引用元:YouTube #縞イノシシ #うりぼう
イノシシの鼻
画像引用元:YouTube イノシシがくくり罠にかかり拘束ロープが切れるのち鉄パイプで昏倒を試みるも困難…安全を最優先し剣鉈を棒の先端に固定して止め刺しのち解体して食べて毛皮や骨格標本作り
イノシシの大きな特徴として吻鼻骨(ふんびこつ)の存在があります。ざっくりと言えば鼻先に固い骨があって、鼻先で土を掘ったりする際に活用されます。
またイノシシは嗅覚が非常に優れています。同じ仲間であるブタがトリュフをかぎ分けられるのと同じで、地面の下に埋まっている芋類やタケノコの場所をその匂いによって探し出すことが可能です。
さらにこの鼻は嗅覚以外にも触覚としても優れており、この鼻先の触感によって未知のものを調べたり、イノシシ同士のコミュニケーションに使ったりしています。
イノシシの牙
イノシシの下あごには鋭い牙が備わっています。メスの牙はそれほど大きくはありませんが、オスの大きな個体であれば牙の長さは15cmに届くことも。これを下からしゃくりあげるように振り上げることで獲物に鋭い裂傷を与えたり、その体を空中へ跳ね上げたりすることができます。
人間にとってはこの牙を振り上げた位置がちょうど太腿の高さにあたり、そこに鋭い裂傷を負うと出血多量で命に危険が及ぶ可能性もあります。
また牙が特徴的であるためあまり注目されませんが、イノシシは歯も顎の力も非常に強固です。人間の手に咬みついて指を咬みちぎったような事例も実際に存在します。
イノシシの身体能力の高さ
イノシシの生態で意外に知られていないのが、その身体能力の高さです。一見太ったずんぐりした体型をしているイノシシですが、走ればその速度は時速45km/時に及び、これはウサイン・ボルトが100m走を走ったときに出した瞬間最高速度よりも早いです。ウサイン・ボルトが最高速度で追いまわしてくるのを想像すると絶望しかないですね(汗)
次にすごいのがジャンプ力。イノシシは助走はしませんが、その助走なしで踏み切ったジャンプで1m20cmの垂直な柵を飛び越えることができます。たとえ生後半年の幼獣であっても65cmのトタンは飛び越えることができるというから驚き。水平方向についてのジャンプ力はそもそもあまりすることがないのか、情報がありませんでした。
画像引用元:海を泳ぐイノシシ発見 四国中央沖・愛媛新聞
さらに最近注目されているのは遊泳力です。イノシシは好んで水に入っていかないという常識がありましたが、近年になって瀬戸内海に浮かぶ島々の間を泳いで渡っている姿が観測されて話題になりました。いまでは瀬戸内海の離島のほぼすべてでイノシシの姿が確認されています。30km以上の遠泳をするケースもあるとされており、海外でもイノシシは泳ぎが上手い獣として定着しているようです。
イノシシの知能の高さ
イノシシは哺乳類の中でも非常に知能が高い生き物です。警戒心も非常に強く、自分の生活エリアで何か変化が起きるそこに近づくのを避けるようになります。しかしその変化物が自分に害を及ぼさないと分かるとまた戻ってきて、その場所その時間帯で安全に餌が獲得できることを確信してしまうと常習的にそこに通うようになります。
また犬や猿と同様に芸を仕込むことも可能で、天城いのしし村(現在は閉園)ではイノシシを使った曲芸的なパフォーマンスが行われていました。現在では天城いのしし村の元職員だった方が立ち上げた斎藤ファームにてイノシシとミニブタの飼育を行っていて、出張型で地方のイベントにてパフォーマンスを行っています。
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4.イノシシの主食
イノシシは雑食性です。普段は野山の歩き回って植物性のものを食べていることが多く、ドングリなどの木の実、地下茎(芋類含む)果実、キノコ、タケノコなどを食べています。地域と季節によっては胃の内容物の大半がタケノコということも。
動物性のものでは、ヘビ、カエル、ネズミ、ミミズ、サワガニ、貝類、昆虫なども摂取します。自ら積極的に襲うようなことはしませんが、シカや鳥類の死骸に遭遇した際にはその死骸を食べることも。
また人間が食べれるものの大半はイノシシも食べることが可能で、人家近くに出没するようになったイノシシが人間が出した生ごみを漁るケースもあります。味を占めたイノシシがより人家周りを物色するようになるため、人間と接触して事故に発展してしまうケースが危惧されています。
5.イノシシの天敵
成獣となったイノシシであれば自然界には天敵はいません。過去にニホンオオカミが生存していた頃はそれが天敵だったようですが今ではその心配もなし。本州に生息するツキノワグマはニホンイノシシと戦って勝てる能力を持っているかもしれませんが、ツキノワグマは積極的にイノシシのような大型哺乳類を襲うことはありません。
ただし幼少期でまだ体が小さい間は、フクロウなどの大型鳥類、キツネなどに狙われる危険があります。
またこれは生物全般に言えることですがイノシシにとって一番の天敵は人間です。2021年はイノシシの駆除数は52万頭を超えます。とんでもない数に思えますが、イノシシは繁殖力が高くて敵が少ないため全体的な生息数を減らしている兆候は見えません。
↓クマがイノシシを襲う映像(ヒグマなのでおそらく北海道のイノブタかと思われますが)
6.イノシシの生活
イノシシは山間部でも比較的高度が低く、身を隠すことができる茂みや藪が多い場所、さらに河川や池などの水場がある場所を好んで生活エリアにしています。
水場を好むのは、飲料水以外に水浴びや泥浴びをする目的もあります。イノシシは表皮に取りついたダニやノミなどの寄生虫を落とすために泥の中で転がったりします。
イノシシは本来は昼行性の生き物。ただし人里と生活圏が重なってしまったイノシシは人間に見つからないように夜行性へと性質を変えています。こういった順応性の高さからもイノシシの知能の高さを感じますね。
オスは基本単身で行動し、メスは子供を引き連れた状態でいることが多くあります。
7.イノシシの寿命と繁殖
野生化のイノシシの寿命は10年程度とみられています。生後1年半程度で性成熟し繁殖行動が可能。イノシシは主に冬に発情期を迎え、春に4~5頭の子供を出産します。この妊娠期を逃したメスはまれに秋に出産することもあるようで。
イノシシは多産のシンボルとして扱われることもありますが、その理由は発情期のオスが一度交尾を終えてもまた次のメスを探して交尾を繰り返すことにあります。猪突猛進ということわざはもしかしたココから来てるんじゃないかというぐらいの暴れん坊っぷりですね。発情期を終えたオスはげっそり痩せる傾向にあるそうです(笑)
これは子孫をたくさん残す上ではかなり有効な方法だと言えます。少子化に苦しんでる今の日本もこのイノシシスタイルを模倣すれば・・・模倣するわけにはいかんか(汗)
子供を産んだメスは子供が独り立ちするまで面倒を見ます。イノシシは母性本能が強いので、うりぼうを連れている母イノシシは人間に対してかなり攻撃的になります。
8.イノシシが人間にもたらす害
画像引用元:YouTube イノシシがくくり罠にかかり拘束ロープが切れるのち鉄パイプで昏倒を試みるも困難…安全を最優先し剣鉈を棒の先端に固定して止め刺しのち解体して食べて毛皮や骨格標本作り
近年の日本では田舎の過疎化や、森林や田畑の手入れができる若手の人材不足といったことが重なっていて、イノシシは生息域をどんどん拡大させています。なんとイノシシは1978年から2014年の間で生息域を1.7倍に拡大させたとのこと。東日本大震災の後に放射線量が高い地域は人の立ち入りが禁止されましたが、そこでもイノシシやイノブタの数がどんどん増えています。
人間にとっての害獣は様々いますが、人間と生活圏が重なるイノシシはトップクラスかもしれません。主に次のような被害が実際に起きています。
農作物を食い荒らされる
画像引用元:YouTube クリ畑に出没するイノシシ
これが一番深刻。畑や田んぼはだいたい田舎の平野部で河川が近くにあるますが、これがイノシシの生活圏とモロ被りしています。そのため夜間になってイノシシが田畑に侵入して農作物を食い荒らしてしまう被害が全国で日常的に発生しています。
地面を荒らす
画像引用元:YouTube イノシシが畑を荒らした。
イノシシは地中から何か匂いを感じると積極的に土を掘り返していきます。また大きな石をひっくり返してミミズを探す性質のせいなのか、人間の生活エリアにある石や鉢植えなどもひっくり返したり動かしたりしてしまいます。そのせいで側溝が塞がってしまったり、地盤の強度を弱くして土砂災害を誘発したりする可能性があります。
参考リンク:飯豊の空の下から・・・思いもかけぬ原因で土砂崩れが
ゴミを荒らす
イノシシはとにかく鼻が利く生き物で、食べ物が放つ匂いに引き付けられる傾向にあります。そのため人間が出したゴミにも強く興味を持ちます。一度ゴミ置き場を荒らしたイノシシはそこを「オイシイ場所」として記憶して繰り返し出没するようになってしまいます。
人間への直接的な攻撃
イノシシは普段は臆病で警戒心が強いため、人間を見つけると自ら離れていきます。ただし、冬の発情期にあるオスや、子供を連れているメス、また脅かしたり刺激したりした場合は例外ではありません。
成獣の突進を受ければ成人男性でも軽く吹っ飛ばされますし、オスが相手だった場合はその鋭い牙も脅威になります。
感染症の原因になる
イノシシの体表には多くの寄生虫が付着している可能性があります。その代表格がマダニで、マダニはSFTS・日本紅斑熱・ライム病などといった人間にとってかなりリスクの高い病気の媒介役になります。イノシシが人間の生活圏に頻繁に現れるようになれば、当然人間がマダニに触れる機会も増えることになります。
ある猟師さんの話だと、仕留めたイノシシの死体を車に積んでしばらく置いておいたら、イノシシの体温が下がったことでその体から離れたダニの群れがまるで動く絨毯のようになってうごめいていたとのこと。うぇぇぇぇ。
また野生のイノシシは豚熱(旧名:豚コレラ)という感染症のウイルスを高確率で所持しています。これは家畜豚にとっては致死率が高く非常に危険な病気で、万一広まれば農場の豚は丸ごと殺処分となり畜産農家に経済的な大打撃を与えます。
9.イノシシへの対策
こういったイノシシの害を受けないためにはどうしたらいいのか。そのためには、
① イノシシが近づかない環境づくり
② イノシシが来てしまった場合に再び来ないようにするための対策
③ イノシシと鉢合わせしてしまったときの対策
を知っておく必要があります。
① イノシシが近づかない環境作り
そもそもイノシシが寄ってこなければ問題も起きません。身近なところから「イノシシが近寄ってしまう理由」をひとつひとつ潰していきましょう。
不要な茂みや草むらを排除しておく
イノシシは自分の身を隠せる藪や草むらといった場所を好みます。これは逆に言えば、隠れられる遮蔽物がない場所を嫌がるということです。山林から住居や畑までの間に茂みや草むらがあるようであれば、普段から刈り取って丸裸にしておきましょう。
特に竹林はイノシシが身を隠せる上に大好物であるタケノコが豊富になります。人里近くにある竹林はイノシシを呼び寄せる原因になりかねないので、もし整理ができるのであれば検討してみてください。
イノシシの食料になるものを置かない
畑で出た野菜くずや、落とした稲穂など、雑食性のイノシシにとってはこれらも食料になります。普段からそういったものを放置しないようにしましょう。収穫時期が近づいた農作物は後回しにせずに早めに収穫したほうがよいと思われます。
可燃ゴミや生ごみも夜間に屋外に出さずに、収集車が来る直前に出すなどしてイノシシの目に触れる機会を減らしましょう。
② イノシシが来てしまった場合 再び来ないようにするための対策
不幸にもイノシシが出没してしまったのであれば、何かしら追い払うための対策を打たなければいけません。イノシシに人家や畑に入っておいしい餌をゲットできたという成功体験を一度与えてしまうと、それ以降は半永続的に被害に遭うことになってしまうからです。
とりあえずは①と同じくイノシシが近づかない環境づくりから
先ほどの項で、不要な茂みや草むらの排除しておく、竹林の整理をする、イノシシの食料になるものを置かないということを書きましたが、まずはこれらから実践しましょう。茂みや草むらの手入れをしておくと、イノシシが環境の変化に警戒していったんは距離を置く可能性があります。
もしターゲットにされているのがゴミ置き場であれば、金属製で蓋付きのダストボックスを導入するなどして絶対に漁れないようにしてしまうのも有効です。ちなみにブルーシートに重りを乗せる程度ではイノシシにめくりあげられてしまうだけなので無力です。
イノシシが嫌がる忌避剤を使用する
イノシシは食物の臭いに敏感ですが、それは天敵が放つ嫌な臭いに対しても敏感です。市販されている害獣用の忌避剤の中にはオオカミ尿と同じ成分を使用したものがあって、イノシシにも効果的とされています。
ただし、かつて天敵であったオオカミといっても、それはすでに絶滅して遭遇するはずのない生き物。本能で一度は嫌な臭いだと感じて場を離れても、頭のいいイノシシはいずれ安全だと判断して再度やってくる可能性は十分にあります。
一定期間の効果はあるかと思いますが、忌避剤はあくまで複合的に行う対策のひとつとして見ていたほうがよいかもしれません。
田畑には柵を設置する
イノシシから田畑の被害を受けているようであれば、農作物を守るために柵の設置が必要になってきます。柵は大がかりなモノを設置となると手間も費用もすごいことになってしまうので、昨今は軽量で安価な金網やワイヤーメッシュが主流となっています。ホームセンターやネットショップなどで購入が可能です。
設置する際に気を付けるのは、上からジャンプしての侵入と、下から地面を掘っての侵入両方に備えること。
まずは上からの侵入ですが、成獣のイノシシは1メートル20センチの高さを飛び越えます。可能であれば柵の外側に斜めに張り出すようにワイヤーなどを張るようにしましょう(忍び返し)。刑務所の壁とかで垂直に立った壁からさらに斜めに有刺鉄線が張り出してるのを映画などで見たことがあるかと思いますが、まさにソレです。
イノシシは目が魚類と同様に離れていることから遠近感があまり掴めません。そのため斜めに張り出した部分をイノシシが下から見た場合、彼らはそれに対して現実以上の高さを感じることになります。彼らは基本的に慎重派であって無謀なジャンプをしないので、上からの侵入を諦めてくれます。
次に下からの侵入ですが、イノシシは成獣でも20センチの隙間があれば体をねじ込んで通り抜けようとしますし、地面が土であればガンガンに掘り下げて侵入口を作ろうとします。
これに対しては、そもそも物理的に潜れないようにするのが有効です。金網やワイヤーメッシュを下に余らせて、杭を深く打って固定するなどして、イノシシが潜り込むことも掘ることもできないようにしましょう。
電気柵を仕掛ける
イノシシ対策グッズとして、イノシシが触ると電流が流れるような電気柵が販売されています。イノシシの剛毛は電気を通さないため、敏感な鼻の位置を狙った高さに仕掛けるようにしましょう。地面から20センチと40センチの高さに二段構えで設置するのが有効だと言われています。
自治体や猟友会に相談する
イノシシを勝手に捕獲・駆除することは法律で禁じられています。なので、トラバサミや檻のような捕獲を目的としたトラップを個人で勝手に仕掛けるのはNGなので注意しましょう。
自分の手に負えないと判断したときはお住まいの自治体に相談してください。被害が深刻であることを報告すれば自治体・猟友会が駆除に動いてくれます。
③ イノシシと鉢合わせしてしまったときの対策
万一、いきなり路上でイノシシと鉢合わせしてしまったら。野生動物を相手にこれをすれば絶対安全という対策はありませんが、少しでも攻撃される確率を下げる行動をとっていきましょう。
イノシシの威嚇行動は、前足で地面をガリガリ擦るような動きだったり、背中の毛を逆立たせたり、牙をカチカチと擦り合わせて音を鳴らしたり、というものが代表的です。どれもサインとしては分かりやすいですね。
イノシシがまだ遠くにいて距離がある場合。とにかくまずは落ち着くこと。こちらがパニックになればそれはイノシシへの刺激になります。イノシシの目をじっと見ながら後ずさりをして距離を取りましょう。このときにイノシシが逃げやすい導線を塞がないように動き、そのまま自分は建物や車の中に内に逃げ込めればベストです。安全を確保したあとは速やかに110番通報してください。
イノシシがすでに至近距離にいる場合も、やはりまずは目を逸らさずに後ずさりをすることがベター。刺激を与えたり、背中を向けて逃げたりするとほぼ間違いなく突進して追いかけてきます。ウサイン・ボルトのトップスピードで追いかけてくるイノシシから逃げ切るのは無理ゲーです。
何か荷物や食料を持っている場合、それを手放しながら後ずさりをすればイノシシがそちらに気を取られてくれる可能性はあります。リュックなどは突進された際に盾にできるので手放すには勇気が要りますが。。。
あと安全地帯についてですが、イノシシは足が短いため木登りができません。もし1メートル50センチ以上の高さに登れる木や造形物があれば、それに登ればとりあえずの安全は確保できるかと思います。
もし万一イノシシが自分に向かって突進してくるという最悪の事態になった場合。直線的に逃げてもイノシシから逃げ切るのは物理的に不可能です。電柱など遮蔽物を利用しながら身をかわし、高いところに登ったり、屋内に逃げるのが一応の最善手です。無傷で逃げれたなら大喝采レベルの難易度かもしれませんが、突撃されてじっと攻撃されるのを待っているよりはマシなので。。。
もし運良くジャンプ傘を持っているなら、イノシシの目の前でそれを急に拡げて脅かして、そのまま逃げてもらうことができるかもしれません。必ず動画のように成功するとは言い切れませんが、無事にやり過ごせる確率は高そうです。
最悪体当たりなどで転ばされてしまったときも、何度も蹴りをまっすぐ出し続けて抵抗しましょう。運良くイノシシの鼻先に当たればひるんでくれる可能性はありますし、時間を稼げば誰かの助けが得られる可能性もあります。イノシシに襲われている実際の動画を見ても何度か人間を攻撃したらイノシシはその流れで逃げていくようなので、しっかり抵抗することが身を守ることにつながります。
10.イノシシと人間の付き合い方
イノシシも人間と同じ哺乳類。その姿は愛くるしいですし、特に子供のうりぼうは毛並みもキレイで顔立ちは非常に可愛いです。ただし、自然の中で出会った際には絶対に餌を与えたりしないでください。
イノシシは餌付けが可能です。ですが、人里に近づいて餌を獲得できたというイノシシの成功体験は、イノシシにとっても人間にとっても不幸をもたらします。
人間慣れして人間を恐れなくなったイノシシは、人里への警戒心が薄れて様々な場所に出現することになります。兵庫県では市街地に通うようになったイノシシがレジの買い物袋を下げた人間を執拗に狙って攻撃するという咬傷事件が起きています。
被害者の中には女子中学生もいました。幸い大きな事故には至りませんでしたが、状況によっては命を失うこともありえました。もし体が小さな小学生や乳幼児が遭遇していれば悲惨な結果が待っていたかもしれません。
あなたが餌をあげたイノシシが、人を傷つけます。
あなたが餌をあげたイノシシが、人を殺します。
あなたが餌をあげたイノシシは、人を傷つけたため殺処分されます。
それは無責任にイノシシに餌をあげたあなたのせいです。
それでもあなたはイノシシに餌をあげますか?
野生動物と愛玩動物はまったく違います。その区別を考えずに自分がの都合だけで可愛がったりすると、人間もイノシシもどちらも不幸にすることになります。絶対に野生のイノシシに餌を与えないでください。
11.食材としてのイノシシ
古来縄文時代から人間はずっとイノシシを食べてきました。貝塚からはイノシシとシカの骨が多く出土しており、当時の肉料理としては最も代表的なものであったと考えられます。
現代でもしし肉・ぼたん肉の名前でイノシシ肉は親しまれており、ちょっと前にはジビエブームも来ましたね。ちなみに一般に飲食店で提供されるイノシシ肉の大半は、野生の個体ではなく専用の牧場で人間によって飼育されたイノシシになります。
12.イノシシの動画
動画1.ドラレコ! イノシシ 事故!
動画2.畑荒らしのイノシシを捕獲せよ
動画3.イノシシ 住宅地に出現 「怖くて外出られない」
動画4.イノシシの生態に迫る 動画から見えたことは 2019.9.27放送
動画5.迷子“ウリボウ” 北九州市の住宅街をトコトコ歩き
13.イノシシまとめ
以上、イノシシの生態でございました。
もし安全な状況で触れ合えるなら可愛いんですけどね、イノシシ。
けっこうつぶらな目をしてるし、うりぼうなんかは毛並みもキレイで、ホントに一般的なペットとなんら愛くるしさは変わんない。
ただしケースバイケースでは人間の命を奪ってしまう可能性があるし、畑などを荒らすことで生活も破綻されてしまいかねない野生動物って認識もは忘れちゃあいけません。
正しい距離感で生き物と触れ合っていきましょー。
あ、毎回書いててしつこいかもだけど、このページの情報はWebや書籍などの各媒体にあるイノシシの情報の中で信頼性が高いと思われるものを選んでまとめております。概ね一般的なイノシシの生態として間違っていないとは思うけど、絶対に誤情報がないと言い切れないのも本音のところです。適宜修正は加えていきますのでそのあたりは温かい目でご容赦を。。。
さぁ、次は何にしようかなー。
したらな!
参考Web
・Wikipedia イノシシ
・福井市 イノシシの被害について
・茨城県 イノシシの生態について
・伊豆の国市 イノシシの生態と自己防衛策
・かすみがうら市 イノシシの特性及び農作物被害への対策について
・侵入生物データベース イノシシ
・イノシシの生態解明と農作物被害防止技術の開発
・鳥獣被害対策品イノホイ イノシシの生態・行動を詳しく解説
・イノシシ対策の知恵袋 猪から田畑を守るために「猪の生態 8つの特徴」を理解しよう!
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