小泉進次郎氏は絶対に育休を取るべきな話
ヤフコメは批判の嵐だけど、そういう風土を変えるために率先して育休を取ってくれるだけで、小泉進次郎さんが政治家になった価値があると思う。
小泉進次郎議員 育休を検討「率直に考えている」(毎日新聞) – Y!ニュース https://t.co/8ap3tDnixQ
— 宋美玄 (@mihyonsong) August 31, 2019
先日結婚を発表した小泉進次郎議員、
育休を取得することに前向きであることを発言し、それに対して賛否が分かれておりますな。
ツイッターなどのSNS系は比較的育休取得を応援する声が多い感じですけどね、
ヤフコメ欄は大炎上と言ってもいいぐらいに批判の嵐。
「国民の代表としての役割が果たせないなら辞任すべき。国会議員は個人事業主であって労働者ではない。」
「全く影響ないので、ずっと休んだら良い。辞職でも良いですよ。」
「特権階級の国会議員が育休だと?税金の無駄遣いだ。最低でも休む期間の歳費は国庫に返納するべきだ。」
はー、まったく。
うだうだと前置きを書いてるとイライラしてしまうので、
さくっと先に結論言っておきますね。
小泉進次郎氏は絶対に育休を取るべきだし、
世間は彼に育休を取らせるべきです。
もう、これ絶対っす。
100%、いや、1億%といってもいい。
絶対に育休を取らせるべき。
男性が育休を取れない空気感がアカン
いま日本における男性の育休は全く進んでおらず、男性の育休取得率は6%だそうです。
しかもそのうちの56%が5日以下しか取得してないそうで。
5日ってオイ。。。
忌引き休暇じゃないんだから。
5日で育児が終わるわけないじゃんよ(怒)
ヤフコメの否定的意見の中に
「普通の企業でさえ男性はまともに育休取れないのに、国会議員が取るなんて何事か」
って感じの意見がありましたが、
なんで普通の企業さえまともに育休を取れないのか。
これは理由はただひとつ。
なんのこたあない、ぼくら国民全員の空気感のせいなんですよ。
だって育休に関するルールはとっくにできているわけで。
育児介護休業法って法律があって、男女ともに育休を取ることがちゃんと認められてます。
子供が生まれたから男性だって仕事休んでいいって、そうなってるんです。
なのに、男性が育休を取れないのは、
みーんなで「男性が育児で休むなんて非常識」って空気感を持っちゃってるからです。
雇用する側も、雇用される側も。
「男性が仕事をしないなんてありえない」
「仕事を放棄して責任を感じないのか?」
「お前が休んだらまわりにどんな影響があると思ってんだ?」
男性が育休を取ろうとしたとき、上のような意見がよくあるパターンでしょうか。
まー、言いたいことはわかるんですけどね、
はっきりいって仕事のプライオリティを執拗に上げ過ぎです。
育児を明らかに低く見てる。
全部逆にして言い換えてみれば、わかります。
「男性が仕事をしないなんてありえない」
→「男性に育児をさせないなんてありえない」
「仕事を放棄して責任を感じないのか?」
→「育児を放棄させて責任を感じないのか?」
「お前が休んだらまわりにどんな影響があると思ってんだ?」
→「俺が育児できなかったら俺の子供がどうなると思ってるんだ?」
ちゃんと育休のプライオリティを高く見れているなら、こうなるんですよ。
もし言い換えたこれらさえも間違っていると思ってしまえる人は、
育児という行為を相当低く見てると言えるでしょうね。
カネカのパタハラが話題になりましたが、やはり雇用側に育児を低く見る傾向がまだまだあります。
しかし雇用側の価値観の押しつけに屈して「俺が取れないのにお前が取るな」では永遠に未来は良くなりません。
その環境を変えていくために、今回の育休取得が必要なのです。
そもそも子供を育む権利は誰にも剥奪されちゃいけないだろ
言わずもがなですが、小泉進次郎氏は国会議員です。
選挙によって国民に「国のためにがんばってくれ!」と選ばれた人。
誰かに任されて一定の任期を働くという点で、一般的なサラリーマンとはちょっと毛色が違います。
まー、それにも関わらず育休とって休みますねなんて言われりゃ、
「ハァ~~~~~~~????」
って思っちゃう気持ちは確かに理解できます。
でも、まず絶対的に考慮しなけきゃいけないのは、
誰であっても子供を育む権利を持ってるし、それは誰にも剥奪されてはならないってことです。
このことは道路工事のお兄さんも、パン屋さんも、おまわりさんも、政治家も、これは全ての職業で共通。
育児休暇ってのは当たり前ですが子供を育むための行動なわけで。
ここにケチつけちゃあダメでしょ。
政治家が仕事を休めば影響が大きいことは承知ですけど、
でもそれってどんな仕事でも同じでしょ?
一人欠ければ何かしら影響が出るのはどんな職種でも変わらないよ。
大事なのは、その影響を「あの人は育児休暇ね、りょーかーい」って当たり前のことのようにカバーし合える空気感なんじゃないでしょーか。
小泉進次郎の育休取得は税金の無駄?
あと国民の税金が無駄になる、みたいな意見。
国会議員はヒラ議員であっても、給与&期末手当&文書通信交通滞在費を合わせて3,000万以上の年収。
それは税金によってまかなわれています。
小泉進次郎氏が育休をとる場合、どれぐらいの育休期間を想定しているのかは現時点ではわかりません。
歳費は満額出るっぽいし、文書通信交通滞在費だってもらえちゃうみたいな話も聞きます。
もしかしたら、彼の育休で何百万かの税金が無駄になるのかもしれませんね。
でもね、
いいじゃないですか。
そのたった数百万で、男性が育休を取りづらい空気が少しでも和らぐなら。
数百万でそれができるなら、それ国にとって超お得なお買い物です。
日本の出生率はいま最悪で、2018年には1.42という過去最低数字を叩き出しました。
永江一石氏も「小泉進次郎よ、日本の未来のために君は育休を取らないといけない」っていう今回の趣旨と同じ記事を先に書いているんですが、
その記事によれば、2人目の子供を作ろうと思う際に「父親が育児に協力できるか」ってかなり大きな要因になるそうです(記事内にエビデンスもしっかりある)。
つまり男性の育休取得を促進させることが、出生率を2に近づける近道であって、有効な少子高齢化対策と言えるワケ。
小泉進次郎氏が育休をとることで、
「あのザ・政治家の小泉進次郎でさえも、育児のために仕事を休んだ」ということでニュースになり、
これは育休促進において大きなプラスアピールになります。
メディアも騒ぐし、それに便乗してどこかの企業も「育児への取り組み」を自社のPR材料にしたり、様々な場所で何かしらのムーブメントが起きていくでしょう。
これにより世間の空気が「育休は男性も堂々と取っていいもの」に少しでも近づいたら御の字。
1.42という出生率が、もし小泉進次郎氏の育休取得の影響で0.01でも上がれるようなことがあれば、拍手喝采だと思うんですよね。
いまの日本の国民総生産はざっくり500兆円ぐらいです。
もし出生率が0.01でも上がれば、兆単位の影響があってもおかしくありません。
いまここで「小泉が休むと何百万円ぶん税金の無駄だ!」って意見、相当アホらしいと思えません?
日本の少子高齢化問題が軽く見られすぎ問題
「このままだと日本では少子高齢化が進む!」って話は、
自分達が子供の頃からずーっとされてきました。
にも関わらず、それに対して効果的な政策は何も打ち出せておらず。
このままではほぼ間違いなくデータ予測どおりに人口減は進んでいくと言っていいでしょう。
今いる日本の1億2000万人ちょいの人口は、
2050年には6500万人になり、2100年には4700万人になると推測されています。
グラフには2100年までしか表示がありませんが、じゃあ2150年、さらに2200年は?
グラフの右端を延長していくと、その線がどんな軌道を示すか想像してみてくださいよ。
これで「ヤバイ」と思わない人はいないでしょ?
繰り返しますが、少子高齢化に対してまともな対策は打ち出されていません。
ほぼ間違いなくこのデータどおりの未来になります。
また、人口4700万人ってのもショッキングですが、
そのうち65歳以上の高齢者の割合が40%以上ってのも恐ろしい数字です。
先日、池袋で高齢ドライバーが起こした痛ましい事故がありました。
それ以来「加齢により能力が低下してしまった人は免許を返納すべき」って世間の風潮が強くなりました。
でもね、
これから5人のうち2人がその「加齢により能力が低下してしまった人達」の世界になるってことです。
人は少ない、さらにその大半が運転さえままならない爺さんだらけ。
経済の発展とか1ミリも見込める気がしない。
もしそんな世界になってしまえば、
・生産性が低くなるので国も人も貧乏になる
・数多い高齢者に対しての社会保障や医療費が莫大
・インフラやら治安やら、いままで行き届いていた部分にお金が回せなくなる
・都心部の空き家増加で犯罪者の住みやすい町に
・国としての魅力がなくなり優秀な人(企業)は海外に行き、観光客も来なくなる
・自分が生きるのに必死で子作りなんてしてる場合じゃねぇ、さらに少子化加速
うん、ジ・エンドですね(涙)
自分は演劇人ですが、みんな貧乏になれば人々が娯楽や芸術に回せるお金もどんどん少なくなっていくので、
そういった面でも手詰まりですね。
はーい、終了でーす(涙)
とにかく日本の少子高齢化問題はマジで深刻な問題です。
そしてすでに取り返しがつかなくなる地点まで足を踏み入れているのに、何も対策できてないというのがさらに深刻な問題だったりする。
もういますぐ何かしないといけない状況なんですよ、少子高齢化問題ってやつは。
夏休みの宿題って9月1日の始業日に間に合わせなきゃいけませんよね?
少子化問題について、世間の感覚はまだ7月末ぐらいのつもりなんじゃないでしょーか。
それ甘いっす。
ぶっちゃけもう8月29日ぐらいの段階だと思いますよ。
もう、いますぐ何かやってかないと手遅れです。
まとめ
小泉進次郎氏が育休を取った場合の50年後の日本と、
小泉進次郎氏が育休を取ることを潰した場合の50年後の日本。
どちらが景気の良い明るい未来になっているでしょうか?
答えは明らかだと思いますよ。
自民党が嫌い、それも結構です。
小泉進次郎氏が嫌い、それも結構です。
政治家が育休で休むのが気に入らない、それも結構です。
税金が何百万か無駄になるかもしれないのが気に入らない、それも結構です。
でも、今回の小泉進次郎氏の育休だけは応援してあげましょうよ。
「小泉進次郎氏の育休を機会にして男性育休への意識改革を起こし、少子高齢化対策へわずかでもつなげる」のが、どう考えてもいまの日本にとって最善ということは間違いありません。
目先の感情より、将来を見据えていきましょうよ。
したらな!
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