画像引用元:YouTube クマネズミ・・・ か (T_T)
クマネズミ!
はい、演劇人がなぜか生き物の生態を紹介するシリーズ。
サメに飽き足らず今度は哺乳類を、それもネズミに手を出してしまいました。
いやね、どうせ生き物の生態を語るなら、害獣とか害虫の生態を語ったほうが需要ありそうだなと思いまして。
そういうワケで、今回は都会に出没する衛生害獣の代表格・クマネズミさんのご紹介です。
けっこうね、東京のマンションでも築年数がいってる物件には普通に出るし、何を隠そうウチのマンションの天井裏にも出たことがあります。
っていうか、今でもたまーにやってきて天井裏でカタコトと音を立てて走っております(苦笑)
毎回そのたびにうまく追い払ってはいますが。
まぁ、このクマネズミはなかなか厄介なヤツでして、ガチで困ってる人も多いはず。
ここではその生態を語りつつ、侵入されてしまったときの対策なんかと合わせて紹介していきたいと思いまーす。
宜しくドーゾ!
1.クマネズミとは?
画像引用元:YouTube クマネズミの行動調査 2
クマネズミは、日本の家屋内に入ってくるイエネズミ3種(ハツカネズミ・クマネズミ・ドブネズミ)の1種です。正式な分類ではネズミ目ネズミ科クマネズミ属に属するクマネズミという哺乳類の名前。
クマネズミの名前の由来は体色がクマに似ているというところから来ているそうですが・・・大体の野生生物ってこういう茶から黒系の体色じゃないかい?シカやタヌキだって同系色だと思うんですけども(笑)
2.ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの見分け方
まず一番分かりやすいのがハツカネズミで、他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長が5~10センチ程度)。成人男性であれば片手でも手で被せて隠せそうなサイズで、体全体のラインはハムスターのような丸みを感じさせます。よく動物園などで触ることができたりしますが、めっちゃ可愛いです(笑)
次にクマネズミとドブネズミですが、ドブネズミのほうがやや体格が大きく育ちます。ドブネズミの大型のものは小振りのネコぐらいのサイズ感になるので、夜のゴミ置き場から足元をザッと走り抜けていくドブネズミに遭遇すると普通にビビります(笑)
体長20センチぐらいだと小さなドブネズミなのか、それとも大きなクマネズミなのか判断が難しいですが、その場合はそれぞれの種の特徴的な部分を見ていくと見分けがつきます。
・クマネズミのほうが体のラインが細い
・クマネズミのほうが目が大きい
・クマネズミのほうが鼻先がやや尖っている
・クマネズミのほうが耳が大きく、耳たぶの形状がシンプル
・クマネズミのほうが体長に対して尻尾が長い
上記の特徴の差異の中でも特に見分けやすいポイントは耳ですね。ドブネズミの小さく複雑な形状の耳に比べて、クマネズミは耳が大きくシンプルな形状をしているので、区別がしやすいです。
また家屋に侵入されている場合は、都市部であれば床下や下水まわりに現れるのはドブネズミ、天井裏もしくは上層階に侵入されている場合はクマネズミと思ってOK。もし自然が多い立地だった場合はそれに加えてハツカネズミの可能性も考えましょう。
あと、糞が確認できるのであればそれで見分けることも可能。クマネズミの糞は他の2種に比べて細長い形状をしています。大きさは5~10ミリぐらいで色は暗い茶色~黒色。また移動しながら排便するのでいろんな場所に散らばっています。
3.クマネズミのビジュアル的な特徴
画像引用元:YouTube クマネズミ・・・ か (T_T)
クマネズミは、体長は12cm~22cm程度の大きさ。前述したとおりドブネズミよりは少しだけ小振りな体格をしています。顔のパーツで見ると鼻先はやや尖っており、耳が大きく、耳たぶは単純な構造、目はつぶらで大きいのが特徴。
体色は基本的には褐色から灰褐色、腹部は背中部分に比べて色が薄く、薄い黄色もしくは白色をしています。ただし天井裏や配管など汚れが多い場所で行動するため、いざ捕獲してみると毛並みは荒れて体毛も背中腹部問わずで真っ黒になっている個体が多い印象です。
またクマネズミは比較的尻尾が長いのも目立つ特徴のひとつです。体格と同じ、もしくはそれ以上に長い尻尾を持っていて、尻尾の根元は想像よりも太くてなかなか立派です。天井裏をクマネズミが走るとかなりうるさいのはこの大きな尻尾が起因かと思われます。
4.クマネズミの生息場所と、侵入するための能力
画像引用元:YouTube クマネズミの食事【加工無し】
クマネズミは乾燥していて、雨風がしのげるような密閉空間を好みます。つまり人間の家屋の天井裏はクマネズミにとっての理想空間。都心部の家で天井に侵入された、もしくは2階以上の上層階に現れた、ということであればそのネズミはほぼクマネズミであると考えて間違いありません。
彼らは肉球の表面が滑り止めのような形状をしており、とにかく登る能力に長けています。垂直の壁や配管などを登ることができ、電線のような細い足場を綱渡りで渡ることも難なくスイスイ。10階にあるベランダまでクマネズミが上がってきたなんて話もあります。
さらに垂直方向及び水平方向に1メートル程度飛べるほどの高い跳躍力を備えており、飲食店の調理場に現れたクマネズミが粘着シートの罠を避けるために棚から棚へジャンプしているような動画もあったりします。
また柔らかい壁材や木材ならば鋭い歯を持っているため、例え侵入口がなくとも自分の力でそれを作ることも可能。以前ウチの部屋に現れたクマネズミは、収納棚の中の固く分厚いベニヤ合板に穴を開けて入ってきました。穴の大きさは直径2センチ程度しかありませんでしたが、尻尾込みの体長15センチ程度の個体は難なくそれを潜り抜けられるようです。一般的な木造住宅の場合、侵入を完全に防ぐのは非常に困難と言えるでしょう。
近年では都心部に高層ビルが増えてきましたが、そんな高層ビルでさえクマネズミの侵入が問題になることもあります。どこかの小さな隙間から建物の壁の内側に入られると、内部の配管や電気系統ケーブルを通すための穴の隙間等を使ってクマネズミが建物全体を自由に動き回るようになってしまうケースもあるようです。
5.クマネズミの生活と繁殖
元来ネズミは昼行性の生き物だったらしいのですが、人間とのつながりが強いイエネズミ達は夜行性の生活スタイルをとっています。これは人間を相手にするには夜に行動したほうが都合が良いことを学習しての行動と思われます。
また日没後と夜明け前に活動的であるという情報をよく見かけますが、長らくクマネズミと攻防を続けてきた私の経験的には、22時を過ぎた深夜の時間帯のほうが活動的な印象です。ネズミの個体によるのかもしれませんが。
クマネズミの寿命は一般的には2~3年程度とされています。生まれてから3~4ヶ月ほどで性成熟し、年中繁殖行動は行いますが、特に春や秋などの過ごしやすい季節のほうが活発に繁殖を行うようです。
妊娠期間は3週間程度で、一度に5~10匹程度の子を生みます。ただし外気から遮断された温暖で過ごしやすい住処を見つけた場合、春秋などの季節を問わずで一年中繁殖活動を行う可能性も考えられます。
よく耳にする「ねずみ算で増えていく」という言葉はハツカネズミからきたものですが、仮にクマネズミがエサが豊富で敵もない絶対安全な場所で一年中繁殖を繰り返した場合、1匹の妊娠したクマネズミがたった1年で100匹超え、なんてことも有り得なくはない話です。恐ろしや。。。
6.クマネズミの食性
クマネズミは雑食性で何でも口にします。しかしドブネズミと違って、肉や魚のような動物性のたんぱく質はそれほど好きではないようです。人間が仕掛けたチーズやソーセージなどの加工品にはそこまで手を出してきません。「ネズミといえばチーズに決まってるだろ!」という固定観念はクマネズミには当てはまりません。
クマネズミはどちらかというと、米、芋、種、野菜、果物などの植物性の食物を好んで口にするようです。自分がねずみ駆除業者に聞いたところによると、トラップを仕掛ける際にはひまわりの種をごま油で揚げたものが食いつきが良いことが多いと言ってました。ちなみに我が家でキッチンの収納棚に入られたときは、じゃがいもが食い荒らされました(汗)
彼らは袋で密封された食品であってもそのパッケージを歯で破って中身を物色します。まったく匂いが漏れなそうな密封パッケージでさえも破ったりするので、もしかしたら長年の人間に近い暮らしで「こういう袋には食べ物入っているの知ってるチュー」という感じですでに知ってしまっているのかもしれません。
あ、よくネズミ対策で食品はプラスチック容器に保存しましょうなんて紹介してるサイトもありますが、クマネズミはそのプラスチックさえも破ることがあるのでご注意を。まったく本当に厄介な連中だこと(汗)
7.クマネズミの天敵
彼らの天敵はネコ、イタチ、ヘビ、大型の鳥類などです。そのため室内でネコやフェレットなど何かペットを飼っていれば、ネズミがその気配や臭いを感じて去っていく可能性は考えられます。
犬でも同じ効果が期待できるかもですが、マンション内で小型犬を飼ってる部屋でもネズミが現れたと報告があったので、確実に効果があるとは言えなそうですね。。。
8.人間に対してクマネズミがもたらす害
①衛生面の問題
野生のクマネズミは、言葉を選ばずに言ってしまえば非常に「不潔」な生き物です。ゴミ置き場、通風口、排気口、換気扇、配管、天井裏など、人間の目線で見てとても汚れた場所を好んで生活エリアとしています。
腐った食品を食べるときもあれば、ゴキブリを捕まえて食べていることもあります。餌に枯渇しているときは共食いすることも知られています。さらにクマネズミは走り回りながら排泄行動を行います。つまり衛生状態としては最悪と言えます。
そのネズミが天井裏を走り回ったり、食料棚で食べ物をかじっていたり、キッチンを走り回ったり、というのはお世辞にも良い状況とは言えません。シンプルに汚いだけでなく、健康を害するような病原菌に接触してしまうこともあります。サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、ネズミぐらいでと馬鹿にすることはできません。
②別の害虫の発生源となる
クマネズミはイエダニやノミに寄生されている個体が多く、室内にそういった衛生害虫が侵入する原因になります。さらにクマネズミに天井を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、ゴキブリなど別の害虫の繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。
さらにこれは体験談ですが、我が家はクマネズミが天井裏を走り回ってからしばらくしてニセセマルヒョウホンムシ、シバンムシ、アリガタサシバチが室内に出没するようになりました。おそらくクマネズミの死骸が天井のどこかに残って、そこからこれらの虫が涌いてしまったと考えられます。特にアリガタサシバチは刺されると激痛が走るため、割とマジでシャレになりませんでした。
何度か天井裏でマンション用のバルサンを炊くことで全滅させられましたが、天井裏で虫が涌いてしまうという状況は精神的にもちょっとキツイですよね。。。
③直接的な食害
ネズミに食べ物を食い荒らされれば、当然その食材はもう口にすることはできません。さらに同じ棚や食糧庫に保存してあった食べ物も密封が保たれていない限りは破棄を余儀なくされます。ネズミの侵入の度にこれをやっていたら経済的な打撃はかなりのものになります。
これが飲食店となればなおさら大きな問題で、突然の食材の大量廃棄はお店の運営上で命取りになりかねません。
④騒音の問題
クマネズミは天井裏に現れるケースがほとんどです。一般住宅において天井部分に使われる天板は軽量で薄い物がほとんどです。そのためクマネズミが天井裏を駆け抜ける音はなかなかに騒々しいです。前述したとおりクマネズミは尻尾がかなりたくましいので、深夜2時や3時にそれをバタバタさせながら走り回る音にはハッキリ言って殺意を感じます(苦笑)
⑤家財の損傷
クマネズミは成長とともに前歯がどんどん伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって己の歯を削っています。天井裏で柱や木材、壁材、配管などをかじって破損させてしまうこともしばしば。また食器棚や箪笥に穴を開けることもあります。
一番恐ろしいのが電気配線やガス菅をかじられてしまうこと。最悪なケースだと火事が引き起こされる可能性も考えられます。2017~2018の東京消防庁の管轄で20件ですから、正直侮れない数ですよね。
東京消防庁が発表したデータでは、2017年度および18年度の2年間で、ネズミが原因の火災が20件ほど発生したという。
9.クマネズミ対策
さて、クマネズミのことを調べてこのページにたどりついた人にとってはようやく本題となります。どうやったらクマネズミの侵入を阻止できるのか、すでに侵入されてしまった場合にどうやったら追い出すもしくは駆除できるのか、というお話。
人家に侵入する3種のイエネズミの中で、実はこのクマネズミが一番厄介だと言われています。天井裏という対策がしづらい空間に侵入すること、警戒心が強くてトラップや毒餌に引っかかりづらいこと、学習能力が高いこと、毒餌に対して耐性がつきやすいことが主な理由です。
①まだクマネズミに入られていない段階での予防策
まだクマネズミに侵入されていないならそれはそれで良い事なのですが、今後不安があるようであれば今のうちに自宅の外壁をチェックして、侵入口になりそうなヒビや隙間は塞いでしまいましょう。
床下へ通じる通気口も、もし檻の目が荒くてネズミが通れそうであれば目の粗いものに変えてもいいと思います。また換気扇も古い年代物は羽根ぐらいしか遮断物がなく、その場合はネズミが通り放題であることも多いです。
あとは食物の保管方法を見直してネズミに食物を探り当てられない状況を作りましょう。車庫や倉庫に農作物を露出させたまま放置したり、ペットフードを長時間放置したままにしたり、などはネズミを引き寄せる原因になります。
②家屋に何かの生き物の侵入があったなら
もしクマネズミを含む何かの生き物に侵入されてしまったなら。おそらく①天井裏から物音がする、②見慣れぬ糞がある、③食材が荒らされている、④異臭がする、といったケースでそれを知ることがほとんどでしょう。
もしクマネズミであれば①か③のケースが最も多いと思われますが、まずはそれが本当にクマネズミであるかどうかの判別をしましょう。
侵入が疑われる場所をチェックして糞を見てみるのが一番てっとり早いです。クマネズミはところかまわず糞をするので、通り道になっている場所には高確率で糞が落ちています。細長い5~10ミリの黒っぽい糞が落ちていればそれがクマネズミの糞です。
あとはラットサインと呼ばれるネズミが通ることによって付着する汚れも目印になります。基本的にクマネズミは壁沿いを走るので、それが繰り返されることによって体表についた汚れが壁や床に付着して黒い帯のようになります。ただし天井裏など暗くて元々汚れが多いエリアだとわかりづらいのが難。
ちなみにクマネズミ以外で天井裏に侵入するのはハクビシンやコウモリなどが考えられます。もしこれらだった場合は騒音や発見される糞の違いで十分に判別はできるかと思います。
③クマネズミの侵入経路を調べる
↑クマネズミが空けた我が家のシンク下の穴。。。
もし侵入者がクマネズミだと思われる場合、次は侵入経路を把握しておきたいところです。一軒家であれば外壁や屋根付近をチェックして、壁材の破損箇所などのクマネズミが侵入できそうな隙間を探し、もしそういった隙間があった場合は、クマネズミが屋内にいないタイミングでセメントや補修材で修復しましょう。
しかしマンションのような集合住宅であった場合、天井裏をのぞいても様々な配管が縦横無尽に入っており、建物自体が大きいこともあって外観から侵入箇所を探すは困難。そのため侵入口を特定するのは非常に難しいと言えます。マンションの管理会社に相談しても、大がかりな調査や補修工事については腰が重いことが多いです。
そもそもクマネズミは本当に侵入ルートの特定が難しい動物です。前述したとおり、彼らは垂直方向の壁や配管をすいすい登って、路上を歩く人間の目線からでは到底気付けないようなわずかな隙間を侵入経路にしている場合もあります。
ウチの部屋の天井裏にクマネズミが現れたときも天井裏の視認範囲に限界があり、侵入経路の特定は完全にお手上げでした。
④クマネズミを捕獲、もしくは追い出す方法
運良く侵入口を塞ぐことができた場合は幸運ですが、それが無理だった場合。クマネズミを捕獲(もしくは毒殺)するか、二度とやってこないように環境を悪くして追い出すか、になります。
手段1.捕獲用のトラップを設置する
トラップを使ってネズミを物理的に捕獲する手段です。市販のモノでもいろんなタイプのトラップが販売されていますが、主に①粘着シート型と、②閉じ込めるカゴ型のモノに分かれます。
粘着シート型
原理としてはゴキブリホイホイと同じで、トリモチのような強力な粘着シートによって、それを踏んだネズミを動けなくして捕獲します。小型のモノであれば100円均一にも売っています。
ネズミの通り道となっていると思われる場所、主に壁沿いに設置しましょう。ただし小さいものはネズミが暴れるとひっくり返ってしまい後の掃除が大変になるので、複数つなげるか何かで固定しておいたほうがいいかもしれません。
ただし個人的な感想ですが、クマネズミはすでに粘着シートがいったい何なのかをすでに理解してしまっているんじゃないかと思っています。クマネズミが粘着シートをしっかりと迂回して通って行ったり、ジャンプして飛び越えたりという動画があるので、よっぽど幼い個体以外には効果は薄いんじゃないでしょうか。。。
閉じ込めるカゴ型
カゴのような容器の中に餌を仕掛けて入ってきたネズミを捕獲するトラップです。自分はこれで3度クマネズミを捕獲したことがあるので、個人的には一番信用しているトラップです。
ただし、粘着シート型とカゴ型どちらにも言えることですが、クマネズミは自分の通り道に急にこういった異物が置かれると非常に強く警戒します。そのためトラップを置いて数日でかかるだろうなど甘い期待はしないほうがいいです。
一度設置したらこまめに位置を変えるようなことはせず、じっくり腰を据えて構えるようにしましょう。またできれば設置の際は手袋などするして人間の臭いがつかないようにしたほうがいいかもしれません。
↑過去に自分が捕獲したときのクマネズミ。カゴ型を設置してから2週間以上かかりました。
手段2.毒薬でクマネズミを殺す
まずネズミに対する薬剤ですが、市販のものでは「エンドックス」や「デスモア」が代表的です。昔はワルファリンという成分の毒薬がよく使われていたのですが、現代のクマネズミの大半はすでにワルファリンに耐性を持つスーパーラット化しています。エンドックスやデスモアはそういったスーパーラットにも効果が期待できます。
クマネズミに対して毒を使う場合は主に2つの方法があります。1つは餌に毒を仕込んで直接食事として接種させる方法。そしてもう1つは住処や通り道に薬剤を散布しすることでネズミの体表に付着させ、その後ネズミが毛繕いをすることで毒を口の中に少しずつ接種させていく方法です。
前者の毒餌はネズミが警戒して食べないケースが多いので、確実性が高いのは後者の薬剤を体表に付着させるほうです。ただし、少しずつ毒を接種する形になるので効果が出るまでにある程度日数が必要であること、毒を体表に付着したネズミが歩き回ることになるのでペットや小さな子供がいる住居では使いづらいことがデメリットです。
また毒を接種したネズミが天井裏で死んでその死体が残るんじゃないかという心配があるかと思いますが、毒を接種したネズミはその影響で視界が暗くなる&喉が乾くらしく、屋内で絶命することはほとんどないようです(絶対屋外に出ていくとは言い切れませんが)。
手段3.ネズミ用の忌避剤を使用する
侵入経路になっていると思われる場所に設置することで、ネズミがその場所を嫌がって寄り付きにくくなります。スプレータイプのものも市販されていて、どちらのタイプでも効果が期待できます。ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。
ちなみにネズミは正露丸の臭いが苦手という情報がWeb上にあって、自分も天井裏にいくらか撒いて試してみましたが、ネズミは数日で戻ってきた上に、人間のほうがその正露丸の臭いで気持ち悪くなるのでやらないほうが身の為です(苦笑)
手段4.ネズミが嫌がる電磁波や超音波によって撃退する
これは効果がテキメンのときもあれば、全く効かないということもあるようです。値段はかなり安価な物からあるので一度ダメ元で試してみるのも良いかもしれません。また無料のスマホアプリでもネズミが嫌がる超音波を発するというものがあったりします。
ただし、ずっと機械を起動し続けるとクマネズミはこれにも慣れてしまう場合があるようです。定期的にオン・オフを切り替えたり、別の音波装置とローテーションを組んだりするほうがより効果が得られる場合が多いようです。
ちなみに自分の場合はマンションの管理会社から市販5000円ぐらいの機器を貸していただきましたが、残念ながらまったく効果がありませんでした。それどころか自分が頭痛に悩まされるようになったので使うのを止めました。超音波、人間には効果テキメンだぜぇ。。。(汗)
手段5.室内でペットを飼う
そんな古典的な、と思うかもしれませんが、天敵の項目でも前述したとおり猫のようなペットを飼い始めてからネズミが現れなくなったという例は多くあるようです。
クマネズミは警戒心が強い生き物なので、哺乳類の鳴き声や臭い、その気配が常時する家はネズミにとって快適な住処とはいえません。ペットを飼える環境でなければいけないという制約こそありますが、クマネズミ対策としてはまぁまぁ信頼性のおける手段と言えるのではないでしょうか。
手段6.専門業者に依頼して駆除してもらう
トラップ、毒剤、忌避剤、音波装置を使って、それからある程度期間が経っても状況が改善されない場合は、正直自力での解決はもう難しいと言っていいかもしれません。そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼するのも手です。
それなりのまとまった費用がかかってしまいますが、どうしても自分の手に負えないときは仕方がありません。前述したとおりクマネズミを放置すると停電や火災の可能性も有り得るので、そういったリスクも加味して依頼を検討しましょう。
手段7.番外編:天井裏を走るネズミにストレスを与える
ちょっと番外編。これは「今まさに天井裏をクマネズミが走る音がして困ってる!」というアナタのための対策。手段1~6は事前準備がないとできませんからね。とりあえず今いるネズミをこの瞬間に追い出したいときのやり方です。
その方法はシンプルで、這っているヘビを演じるです。
・・・いや、ネタで言ってるんじゃないですよ(笑)
早い話が音によってネズミを追い払うってことなんですが、経験上では壁をドンと叩いたり、天井を棒でゴンゴンと下から突いたりしてみても、クマネズミは臆しないのか全然効果が見えませんでした。スマホでYouTubeからネコやライオンの威嚇の声を出してみたり、他にもいろいろ試したんですけどね。どれもイマイチで。
その中で最も効果的だったのは「ヘビが這う気配」だったんですよね。
本物のヘビのイメージを持って、指先を壁や天井を蛇行しながらゆっくりと這わせると、それを聞いたネズミは警戒して動きを止めて音を出さなくなります。無音になったらこちらも動きを止めて音を立てずにジッと待つ。耳をすまして待って、再度ちょっとでもネズミの音がしたらその方向へ追いかける動きでズリズリと近づいていく、の繰り返し。
コツとしては、ネズミに「この家にはヘビがいて自分を標的に追ってきている。何か音を立てると必ず近寄ってくる。」と思わせること。これによりネズミにうまくストレスを与えられているようで、ここ最近のネズミは毎回これを1分ほどやると天井裏からいなくなります。翌晩になると再度またネズミが来ますが、数日これを繰り返していたらそれ以後は現れなくなりました。
どんなネズミ対策にしても、一番重要なのは「こんな家は住処にしたくないチュー!」とネズミに思わせることなんじゃないかと思います(笑)
10.クマネズミはペットとして飼える?
ハツカネズミはペットショップで購入できますし、ドブネズミは人間の飼育環境に適応させたファンシーラットという種が存在します。しかしクマネズミに関してはどうにもペットとしての飼育は難しいようです。
臆病で警戒心が強いことから人間にはなかなか懐かず、身体能力の高さから一度ケージから逃げると捕獲困難。またところかまわず排泄をすること、さらにダニやノミ、病原体を持っていたりという衛生面の問題があります。
赤ん坊の状態から育てた場合はある程度状況は変わるかもしれませんが、どちらにしろ飼育を続けていくのは大変なことなので、生半可な覚悟でペットにしてみようなどとは考えないほうが良いかと思います。YouTubeにてStorm JPNさんという方が、長期にわたってクマネズミの飼育と繁殖を続けられています。参考にしたい方は動画を見てみるとよいでしょう。
11.クマネズミの動画
動画1.【検証】家やビルに住みつく厄介者!? クマネズミの身体能力と前歯の力が凄すぎた【どうぶつ奇想天外/WAKUWAKU】
動画2.2020 04 01 マウストラップ rat trap
動画3.キッチンに現れたネズミが粘着トラップに掛かる決定的瞬間(田代カメラ)
動画4.【クマネズミの大運動会】 なかなか見ることはない映像
動画5.ネズミをハンマーで殴る新型トラップ A24 Rat & Mouse Trap User Submitted Videos | Rat & Mouse Trap In Action | Goodnature A24
12.クマネズミまとめ
以上、クマネズミの生態と、その対策まとめでございました。
クマネズミに苦しんでいる方にとって少しでも参考になれば幸いです。
また、害獣という部分に目を潰れるならクマネズミはめちゃめちゃ可愛い生き物であったりもします。
家に侵入してくるクマネズミは嫌いになっても、クマネズミ全体のことは嫌いにならないでください!(既視感あるセリフ)
あ、サメの生態の解説の時も毎回書いてますが、私自身の判断でWebやいろんな書籍から信頼に値すると思える情報をチョイスして書いております。もしかしたら後々に誤情報と発覚するような内容も含まれているかもしれませんが、どうか温かい目でご容赦くださいません(たぶんそれほど見当違いにズレた情報はないとは思うんだけど、いちおう)。
ビバ☆クマネズミ。
参考Web:
・Wikipedia クマネズミ
・アース製薬 ネズミを知る
・日本防疫 クマネズミの駆除方法と効果的な対策
・侵入生物データベース クマネズミ
・ねずみ110番 クマネズミの生態と対策を図解!難しい自力駆除をカンタンにする3つの戦略
・ミツモア 警戒心が強いクマネズミを確実に駆除する!有効な対策や予防法・習性を徹底解説!
・レスキューラボ クマネズミの駆除方法マニュアル~誰でもできる簡単な対策~
・大阪市住吉区役所 ねずみ対策について
・東京都荒川区役所 ネズミの上手な退治法
・株式会社末吉商店 クマネズミの特徴と対策
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