【日常】ウクライナへ「降伏した方がいい」なんて意見が、いかに的外れか

ウクライナへ「降伏した方がいい」なんて意見が、いかに的外れか

 

 

テレビのコメンテーターさんの中には、

「ウクライナは降伏したほうがいい」「強国相手に戦うのは愚かだ」

なんてこと言ってる人がいますが。

 

 

 

俺はこれ、すげぇ的外れだと思ってます。

 

 

 

ウクライナに今一番降伏してほしいのは、ウクライナ国民でもなく、アメリカでも欧州諸国でもなく。

降伏で一番得するのはロシアに他ならないでしょ。

 

 

ロシアは、いまめちゃくちゃウクライナに降伏してほしい。

っていうか早く降伏してくれないと、もう持たないやばい段階にきてる。

プーチン含めた軍上層部も相当焦っているはず。

 

 

早期に決着をつけるはずだった電撃作戦は失敗、ウクライナの徹底抗戦で思わぬ長期化となり。

ウクライナ側のこの士気だと、首都キエフを無理やり落とせたところでその後ゲリラ戦が続くのは間違いない。

5~6月ぐらいでロシア側の戦争資源も限界が来ると言われてる中、今のままではそれまでに完全制圧が間に合うとはとても思えない。

各国から経済制裁を受け、大手企業は撤退、ルーブルはただの紙切れに近くなり、デフォルトも視野に入ってきた。

 

 

 

上のように、ロシア国内からも異論が噴出している状態。

どんなに情報統制をしようが、このネット全盛時代ではやはり限界がある。

 

 

 

ウクライナ降伏という形で戦争を一刻も早く終えたいのは、間違いなくロシアなのよ。

この状況が長引けば長引くほどロシアはズタズタになる。

 

 

 

そんな状況で「ウクライナは早く降伏するべき」なんて意見は、的外れ以外の何物でもないでしょ。

 

 

 

 

 

こういった侵略戦争において、重要なのは成功体験を与えないこと。

 

 

 

「戦争を仕掛けたら得した!」「戦争を仕掛けたらメリットがあった!」という事例を作っちゃいけないのよ。

その成功体験は次の戦争の動機を生むし、新たに大きな不幸を生み出すことになる。

(人質取ったテロと同じ。一度でも要求を飲んで成功体験与えちゃうとその後何度でも続いちゃう)

 

 

ロシア以外にも中国、北朝鮮といった武力行使をちらつかせる国が多くあるけど、

そういった国々に戦争を思いとどまらせるのは残念ながら倫理観や優しさなんかじゃない。

思いとどまらせるのは「戦争を仕掛けたら大損をする」という損得勘定なのよ。

 

 

 

 

いまウクライナは自国の存亡を賭けて必死に抵抗している。

 

 

そりゃあ、いますぐ降伏すれば、そのおかげで助かる命もあるだろう。

戦いを続ける間に失われる命が多くあるわけで、それはとても悲しく許せないこと。

 

 

 

でも、いま降伏すれば、ウクライナにはロシアの傀儡国が作られ、ウクライナ人は居場所を失う。

その土地を取り戻すために話し合いなど通じるわけもなく、取り戻そうとすればロシアは「侵略だ」といって嬉々として武力を行使するだろう。

今ふんばる以外にウクライナが存続する可能性はない。

後から再建すればいい、なんてどんだけお花畑な思想なんだって話。

 

 

また今回の戦争による成功体験を得たロシアはもちろん、その様子を見ていた中国などの武力行為を辞さない姿勢の国々は、ますます武力ありきの外交と領土侵略を進めていくことになり、その影響は世界中に広がることになる。

ウクライナ降伏によって今日明日の不幸は多少減ったとしても、1年後、10年後、100年後にもっと膨大な不幸が生まれるのは間違いない。

 

 

ちなみにその未来の不幸を一番近い位置で味わう可能性が高いのは、日本ね。

 

ロシアとも中国とも領土問題を抱えていて、直接反撃できる核武装もない。

北朝鮮はこんなタイミングでアホみたいにミサイル実験を活発にやりだしてる。

今回のウクライナの件で「どこかを侵略してもアメリカや欧州がいきなり参戦してくることはない」という事実を知った彼らにとって、明らかに一番狙いやすい国だわな。

 

 

ウクライナ侵略が他人事じゃないってことはみんな言ってる。

でもその中で「ウクライナは降伏するべきだ」なんて言ってる人は、他人事じゃないことをただ理解してる「つもり」なんじゃないか。

理解してるつもりになってて、頭の深いところではやはりどこか他人事だから「降伏すべし」なんて発言が出てくるんだと思うわ。

 

ウクライナ侵略が他人事じゃないって思考でも正直ヌルい。

今回の件は、日本は当事者に限りなく近いと思うよ。

 

 

 

 

コロナのときからも散々思い知らされてきたけど、

日本人って「目の前の不幸を回避する」の意識が非常に高いんだと思う。

高過ぎるといっていいくらいに。

 

だから目の前の死者の数を減らすことだけに注力し、それによる未来への影響はまったく配慮しない。

未来の不幸のほうが圧倒的に大きいことを想像する力がないし、想像していても目の前のことを優先して先送りにするクセがある。

そして、どんどん日本は衰退し、どんどん侵略されやすい国になっていく。

あー、もうやだ。

 

 

 

お願いしますわ。

 

 

国を、命を、誇りをかけて戦っているウクライナに対して、

頼むから「降伏したほうがいい」なんて無礼な発言しないでくれ。

そんな無知を晒すような恥ずかしい発言しないでくれ。

 

 

 

歴史的な観点から「降伏すべき」というべきでないことを書いてる人もいらっしゃるのでこちらもどうぞ。

週刊誌寄稿の記事ですが、自分が読む限りは内容は真っ当です。

 

 

 

 

 

 

一刻も早くプーチンが侵略を断念することを祈って。

 

 

理想的な決着としては、ロシアの内側で軍部や民衆が反旗を翻してくれるのが一番なんだけども。

外国からの圧力じゃあ、やけになったプーチンが暴走して核に手を出す可能性もゼロじゃないので。

自国内にはさすがの狂人も撃てはしない。

(去年二・二六事件を題材にした舞台をやったけど、まさかこんなタイミングで思い返すことになるとは思わなかった)

 

ただ、いまロシア国内で声を上げることは、大きな危険が伴うことだし、大きな勇気が必要なこと。

こんな遠く離れた島国からがんばってくれとも言い辛いのだけれども。

 

どうか、がんばってくれないだろうか。

コメント




タイトルとURLをコピーしました