【サメ】ホホジロザメの生態

【サメ】ホホジロザメの生態

グレートホワイトシャーク

 

ホホジロザメッ!!

 

 

根っからサメ好きな私でして。

普段からサメ情報には飛びついていろいろ調べたりしてるんですが、せっかくなんでそういういろんなサメの生態や情報をここでもちょろちょろと書いていこうかなと。

まぁ、あくまで自分用の備忘録的な目的がメインだけどね。

 

情報全ての真偽の確認は難しいですが、様々な情報から総合的に見て信頼できるかなと感じたものをまとめておりますので、自分と同様にサメ好きであれば楽しめるんじゃないかと思います。

よしなに!

 

 

ってわけで、まずは第一回。

サメの王者といっても過言ではない、サメ・オブ・サメ。

ホホジロザメからいってみましょー!

 

 


目次

1.ホホジロザメとは

ホホジロザメは、ネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属に分類されるサメの1種です。正式名称は「ホホジロザメ」なのですが、一般的には「ホオジロザメ」の発音で呼ばれることが多い印象です。「ホオ」の表記で書かれている文章もいっぱい見かけますし。どうでもいいけど、「ホホ」のほうが何となく優しい印象を受けるのは自分だけでしょうか。

英名ではGreat White Shark(グレート・ホワイト・シャーク)。Great Whiteと短く呼ばれたり、White Pointerなんて呼ばれることもあるそうで。映画『JAWS』のモデルにもなった、たぶんサメの中では世界的にも一番有名な種です。

日本版Wikipediaに「白い死神とも呼ばれる」なんて記載がありますが、自分はそんなガンダム見たジオン兵みたいな呼び方してる人に出会ったことはありません(笑)

 

ホホジロザメ

 

2.ホホジロザメの生息域

ホホジロザメの生息海域は主に亜熱帯~亜寒帯の海。ただし熱帯地域で目撃された例も数件あったりするので、基本的には極端に寒い海でなければホホジロザメはどこにでも現れる可能性があると言えそうです。日本近海、オーストラリア南側、南アフリカ、アメリカ東側、南アメリカなどの沿岸地域が比較的ホホジロザメが多く目撃されています。そのため長らく沿岸の浅い海で活動するサメだと考えられていましたが、近年では埋め込んだチップにて外洋を回遊することも確認されています。

普段は水深10メートル程度の浅い位置で活動していることが多いようですが、場合によってはかなり深い場所まで潜ることも知られており、水深1000メートルを超えるような地点まで潜っていることも。

 

3.ホホジロザメの身体的特徴

ホホジロザメの身体的特徴

ホホジロザメのサイズ感

ホホジロザメの体長は成体で4~6メートル、体重600-2000kg程度で、メスのほうがやや大きな個体に育ちます。これはサメの中ではジンベエザメ、ウバザメに次ぐ大型種で、これにオニイトマキエイ(マンタ)を加えれば、ホホジロザメは魚類の中で4番目に大きな魚ということになりますね。

最大の大きさについては「もっと大きなヤツがいたぞ!」「11メートルはあったぞ!」みたいな話は腐るほどあるのですが、これは話に尾ヒレがついていたり、海上からの目測でしかなかったりで、研究者の間ではどれも信頼性に欠ける情報であると結論が出ています。

巨大なホホジロザメとしてニュースになった「ディープ・ブルー」でも6メートル級、グアダルーペで一番大きな個体とされる「ビッグママ」でも5.5メートル級ということを考えると、世界のどこかに未発見の大きな個体がいたとしても現実的に7メートル程度が限度なのではないでしょうか。「人類がまだ見ぬ巨大ザメ」ってのはロマンがありますが、やはり現実的には可能性低そうです。

ホホジロザメのビジュアル面での特徴

ホホジロザメの身体的な特徴としては以下のとおり。

・体の色が背中が黒、腹が白で、その境目がはっきりしている
・尖った鼻先、ずんぐりした流線紡錘型
・通常で白目部分が確認できない真っ黒な眼
・上下の長さが等しい三日月型の尾ビレ
・正三角形の歯
・胸ビレの裏側先端に黒い模様がある

これらの特徴のおかげで、ほかのサメとは非常に簡単に区別がつきます。シルエットは比較的ネズミザメと似ていますが、ネズミザメは大きくても2メートル程度とサイズ感が明らかに違うのでそこで区別は可能。あと海上から泳ぐ背ビレと背中だけを見た場合はウバザメと勘違いしやすいみたいですね。そのため巨大なホホジロザメの目撃情報の一部は、ウバザメとの勘違いという説も有力視されています。

体色が白と黒の2色なのは、上から見た時と下から見上げたときにそれぞれ保護色になること、さらに横から見たときにサメのシルエットに見えづらくするのではないかという説があります。

ホホジロザメの歯と顎(あご)

ホホジロザメの歯

映画『JAWS』は直訳すると「顎(あご)」なわけで、それぐらいにホホジロザメの大きな特徴のひとつといえます。人間は下顎しか動きませんが、ホホジロザメは上顎と下顎の両方を動かすことができます。そのため何かに咬みつくときには歯茎が剥き出しになって、まるで顎ごと歯が飛び出たみたいなビジュアルに見えるわけです。

歯は正三角形に近く、ノコギリのような細かなギザギザがついているため獲物の肉を食いちぎるのに適しています。ホホジロザメが獲物に咬みついたあとに頭を左右に振るため、このギザギザが肉を大きく切り裂くことに役立っています。またホホジロザメは大型の獲物を噛んで傷つけたあとには少し距離をおいて出血多量で弱らせる戦術をとることが知られていますが、裂傷を鋭くして出血量を高めるための歯としても非常に機能的だと言えますね。

歯列は見た目は1列ですが、奥の方にも別の歯列が備わっていて合計3列の歯列があります。これはほかのサメにもある特徴ですが、歯が損傷したり抜け落ちたりするとその歯列をまるごと破棄し、新しい歯列を前に押し出す生え変わりが確認されています。

数キロ先の血液1滴を感知するというのは都市伝説

サメが血液に敏感というのはデマ

昔からサメは「血液に敏感で外洋にいても数キロ先の1滴の血液を感知してやってくる」なんて話がありましたが。結論からいうと、これはデマで、ただの都市伝説でしかありません。まぁ、よく考えればたった1滴の血液が外洋で拡散してその成分が数キロ先にまで届くって、物理的におかしい話なんですが(笑)

検証ではおおよそプール1杯ぶんの水量に血液を1滴垂らして、それにギリギリ反応できるぐらいの感度だそうです。しかもこれは一般的な魚類も同程度の感知力らしく、サメだけが特別血の匂いに敏感というわけではないみたいですね。ちなみに別の実験では、血液よりも魚の体液によく反応したという結果が得られたこともありました。後述しますが、傷つけた獲物を携帯したままのスピアフィッシングがいかに危険かはこれが理由になりそうです。

 

微弱電流を感知するロレンチーニ器官

サメの鼻先にはロレンチーニ器官という、生物の微弱な電気を探知する器官が備わっています。シュモクザメが地中に隠れるエイを探し当てるのもこの能力のおかげ。ホホジロザメにもこの探知機能が備わっていて、遠距離では嗅覚を頼りに獲物に接近し、近距離ではこのロレンチーニ器官によって生物が生み出す微弱な電位差を頼りに獲物を狙う可能性が示唆されています。

ただし、このロレンチーニ器官は敏感すぎるのか、直接手でここを触られるとサメは自分を制御できなくなっておとなしくなってしまいます。ホホジロザメやイタチザメのような危険なサメを相手に一緒にダイビングするような動画がいくつかありますが、どれもこれによってうまくサメをいなしながら危険を回避しています。あんなに体が大きなホホジロザメがまるで猫のようにじゃれる姿は驚き。

ホオジロザメを素手でてなづける

高速で泳ぐための奇網という仕組み

魚類の多くは変温動物であり自分で体温の調整ができませんが、ホホジロザメやマグロといった高速遊泳を得意とする一部の魚類の中には体内で大きな熱を生み出す機能を備えているものがいます。これは奇網という仕組みで、逆方向に流れる静脈と動脈が網のようになって近接することで血管壁を通した熱交換を円滑にし、運動のためのエネルギーを生み出しています。

実際この奇網を備えている魚はそうでない魚に比べて1.6倍泳ぐ速度が早かったというデータもあり、魚類にとっては進化系のパッシブスキルといってもいいかもしれません。また体温調整機能があったほうが様々な環境に対応できて行動範囲が広がるのではないかという説もありますが、こちらは残念ながら確かなエビデンスはないようです。

ホホジロザメは重金属汚染に強い

海洋での食物連鎖において頂点に近づけば近づくほど、どうしても生物濃縮と呼ばれる体内への重金属の蓄積が発生します。実際ホホジロザメの体内からは水銀、鉛、ヒ素などが多く検出されます。しかしホホジロザメはそういった毒物に反応して白血球が異常値にいくような傾向が見つからず、毒物に対する免疫機能が非常に高いのではないかという推測がされています。

ワニの血液から強力な抗生物質が検出された例もありますし、もしかしたら水中の大型肉食生物には頂点に立つためにそういった免疫機能の進化があったのかもしれませんね。今後研究が進めば、ホホジロザメが何かの治療薬や予防薬の開発に寄与することもありえるかも。




4.ホホジロザメの習性と行動

ホホジロザメの生活は未だにわからない部分が多い

ホホジロザメの生態

ホホジロザメは以前は沿岸部に縄張りを持っていてそれほど回遊性はないと思われていました。ですが発信器をつけたチップの埋め込みでその行動を追ってみると、カリフォルニアからハワイ間を往復していたり、南アフリカからオーストラリアまでを往復していたりと、長期間をかけての外遊行動の例が多く確認されています。

またホホジロザメは昼行性とされていますが、オーストラリア南部での観測では夜間にアシカへの攻撃行動が観測されていることもあり、夜ならば活動していないとは断言できなそうです。また、データが少ないですが、夜間のほうが海の表層近くにいる時間が長かったという検証結果もあったりします。

これは個人的な推測ですが、ホホジロザメはほかの魚類よりも知能が高いため、それぞれの個体がそれぞれの地域に適した独自の生活スタイルを持っているんじゃないかと思っています。個体で行動するものもいれば、ある程度の群れになっているものもいたり、主食として狙っている獲物も海洋哺乳類だったり、マグロやイカがメインだったり。ホホジロザメがどのように生活しているのか未だにいまいち絞れていないのは、この個体それぞれの多様性のせいのような気がしています。

ホホジロザメの食性

ホホジロザメは体が小さいうちは自分に見合ったサイズの魚類、エイなどを食べています。昼夜の潜水位置からイカの行動習性と一致している部分もあり、イカも積極的に食べているのではないかという話も。わざわざ餌が少ない深海にホホジロザメが潜る理由が探られていますが、説得力のある理由のひとつが「イカ狙い」なんだそうで。たしかに説としては有力な感じがします。

ある程度成長した後は、オットセイ、アザラシ、イルカなどの海獣類やウミガメや海鳥などを狙うようになります。クジラの死肉に群がる様子もよく撮影されることが。基本的に骨ばった硬骨魚よりも脂肪の多い丸々した獲物がお好みのようですね。

ホホジロザメのジャンプ行動

エアジョーズ

サメ好きであれば、どこかで「エアジョーズ」という呼び方を耳にしたことがあるかもしれません。ホホジロザメの行動の特徴として、海面上へのジャンプがあります。

空中に完全に自分の体を出しきるようなジャンプをするサメは、ほかにはアオザメとニタリとハナザメぐらいでしょうか。ただし、ホホジロザメのジャンプはこれらの種のようなブリーチング行為ではありません。ホホジロザメは海面近くを泳ぐアシカに対して海底から忍び寄り、そこから急浮上による突進をかけます。アザラシに真下から勢いよく喰らいついくことで、そのままの勢いで海上にまで飛び出してくるわけです。

これはアシカが生息する地域でアシカ狩りに最適化された個体だけが行う習性だと思いますが、日本近海で泳ぐホホジロザメが万が一こんなジャンプを目の前で見せてきたら100%チビりますね(汗)

 


↑ホホジロザメのジャンプ動画

ホホジロザメは海面から顔を出す魚

シャチやイルカが水族館のショーで海面から顔を出している姿になじみがあると思いますが、このスパイホッピングという行動はホホジロザメやイタチザメなど一部のサメにも見られるものです。岩場にいつアザラシやアシカを偵察する目的と考えられており、人間の船が近づいたときにもその動きを見せた例がいくつもあります。

ホホジロザメは知能が高いがゆえに興味心も強いのではないかとされており、そういった興味心から海面上を積極的に観察したいのかもしれません。また、科学者の間では地上からの匂いを感知するのを目的に顔を出しているのではないかという話もあったりします。

スパイホッピング

 

5.ホホジロザメの繁殖

ホホジロザメは生殖行為が可能になるまでが非常に遅いことがわかっています。大人として成熟するまでにオスは4年、メスは7年なんて話が。ただし海外版Wikipediaだと、生殖行為が可能になるまで20~30年かかるのではないかという話も。厳しい自然界の中でさすがに可能になるまでそんなにかかってたら、あっさり絶滅しちゃうような気も。。。実際のところどうなんでしょうね。

サメは漢字で「鮫」と書くとおり、魚類の中でも数少ない交尾が可能な生き物です。ホホジロザメのオスにはしっかりとした生殖器が2本も。どうして2本あるのかは結論が出ていませんが、緊急時の予備だとか、ヒレが退化した名残だとかいろんな説があるようです。

 

ホホジロザメは単体で行動している個体が多く、そもそもの個体数が少ないことから、一体いつ異性と出会って恋に落ちているのかが長らく疑問になっていました。ですが、昨今の観察によって、ホホジロザメが時期によって特定の場所に集まることが最近分かってきました。メキシコとハワイの間にある深海がそのひとつで「ホホジロザメ・カフェ」と名付けられています。

以前はこの場所は「海の砂漠」と呼ばれ海洋資源に乏しいと見られていましたが、調査の結果、非常にサメにとって餌が豊富な楽園であり、まさにサメ達にとってはカフェ的な存在であることがわかっています。こういった場所以外にサメ同士が出会う機会が限られるため、やはり交尾行動場所として一役買っているのではないかという説が有力。

 

ほかのサメにも言えますが、やはりホホジロザメの交尾は激しいようで(笑)メスを巡って複数のオスが激しくバトルをしたり、交尾をするときにもお互いの体を咬んで支えたり。長く生きるホホジロザメの体表に傷が多い原因のひとつになっているんじゃないかと。

まだ確かな情報はありませんが、受精した精子をメスは1年以上の長期に渡って体内で保存できるのではないかと言われています。個体数が少なくなかなか交尾の機会が恵まれない生き物が、厳しい自然を生き抜くために持った能力なのでしょう。

 

子供は雌の子宮の中で孵化して生まれ、膣内ミルクや未授精卵を接種して育ちます。生まれた瞬間から兄弟たちを食べて成長するのは人間的な感覚だと「ううっ」って感じですが、生きるための効率としては必要でない未受精卵を食事にするというのは効率的であるといえるかもしれません。

この「卵食性」と呼ばれる方法で成長した子供ザメの体長は1メートル以上となって母親の体内から出てきます。どれぐらいの期間を母親の体内で過ごすのかは未だにわかっていませんが、他のサメの生態と比較すればその期間が非常に長いのは間違いがなく、おそらく1年はかかるであろうと推測されています。

 

6.ホホジロザメの天敵

天敵は、シャチや自分より大きなサメです(自然界に限らないならば人間も含まれますが)。イルカがホホジロザメのお腹に突撃してそれを仕留めたなんて話も耳にしたことはありますが、それがホントだったとしても極めて稀な例だと思います。

ちなみによくホホジロザメとシャチでどちらが強いかという議論になりますが、比べるにはちょっと体格差がありすぎです。最大10メートル、体重6トンまで大きくなるシャチと比較されたらサメはちょっと可哀想。ホホジロザメは「海中の頂点」ではなく、あくまで「魚類の頂点」であると言えるでしょう。

ちなみにシャチは自分の幼子の安全を守るために、サメを駆除する目的で殺すのではないかと考えられています。サメを殺しても栄養のある肝臓部分しか食べなかったりと、食事目的という動機は薄そうです。サメのほうもシャチの存在を恐れているらしく、シャチと遭遇したエリアには近づかなくなるなんて話も。

ホホジロザメの天敵シャチ




7.ホホジロザメと人間の関連性

ホホジロザメは人食いザメなのか?

映画「JAWS」以来すっかり人間にとって悪者扱いになってしまったホホジロザメ。映画による恐怖イメージの誇張は不幸な出来事ではありましたが、実際人間にとって危険な生き物であることには間違いありません。

毎年世界中で、サーフィン中、遊泳中、潜水中などにホホジロザメによる事故が発生しています。サーフボードが海中から見ると海獣類にそっくりで、それを間違えて襲ってしまうなんて話は有名ですよね(近年検証されて襲撃理由として成立すると結論づけられました)。

ホホジロザメは積極的に人間を捕食しようとしてくるわけではありませんが、アシカなどの別の獲物と誤認してしまったり、海中でサメの興味の対象になってしまうと、サメはそれを咬むことによって確認しようとしてきます。その確認のための一咬みが人間にとっては十分に致命傷になり得てしまうわけです。

 

ただし、ホホジロザメが海獣類との誤認で咬んだ、興味心で咬んだ、というのはあくまで「おそらくそういった理由での事故が多いのであろう」という推測に過ぎません。2022年2月16日にシドニーで起きたホホジロザメによる殺傷事故では、執拗な攻撃により男性が命を落としており、「ホホジロザメの人間への攻撃は意図的ではない」という意見を真っ向から否定する内容となっています。サメ個体の性格や、そのときの空腹具合や興奮状態によって、危険度には大きな差が出てくるのではないでしょうか。

 

日本でもホホジロザメによる死亡例が数件あります。襲撃されたときにはっきり「ホホジロザメの仕業である」とわかるケースが少ないため、その正確な数字は出しづらいですが、可能性が高い事件は2件あります。

ひとつは1992年愛媛県松山沖でのタイラギ漁の最中にヘルメットダイバーの男性が襲われた件。もうひとつは1995年愛知県伊良湖沖でミル貝漁をしていた男性が襲われた件。被害者は前者は行方不明、後者は胴体部分を咬みつかれて即死だったらしいです。それぞれ歯形や目撃されたサメの特徴から、推測でホホジロザメであると判断されています。

 

ホホジロザメに襲われる危険を避けるには、まず何より遭遇する可能性を下げる努力が大前提です。そのうえでサメが近寄ってくる条件を作らないことです。サメは生物の体液に関しての嗅覚が非常に鋭いので、スピアフィッシングなどで突いて捕獲した魚をぶら下げたまま遊泳を続けるのは最も危険です。また血液への嗅覚が異常に鋭いわけではないと前述してますが、血液の感知能力があることは事実なので、流血中や生理中の場合も気を付けるに越したことはなさそうです。

また、サメが人間を襲うことに積極的でない前提で考えるのであれば、誤って咬まれてしまう確率を下げる努力はしたほうがいいかもしれません。サメから誤認される確率が増える薄暗い時間帯や、視覚と嗅覚両方を妨げるような水質が濁った海では泳がないとか、コントラストの強いウェットスーツ(サーフボード)を着用するとか(サメは色の判別はできないものの明暗判別はできるとされる)、そういった手段は危険性を下げるために有効でないかと考えられています。

 

ただし、ホホジロザメによる事故は決して世間のイメージほど多くはありません。年間にサメ全般による事故(軽く咬まれた程度も含む)は世界で50件前後。世界中で年間にどれだけの海水浴客がいるのかを考えればいかに少ない件数かがわかると思います。海においては落雷事故のほうがよっぽど人の命を奪っていますし(サメ事故の5倍以上)、人を襲った記録の件数は、トラ・ワニ・ハチの足元にも及びません。さらに言うなれば交通死亡事故なんてそれこそ世界中で毎分毎秒発生しています。必要以上にホホジロザメに「人食い」の悪役イメージを持つのは良くありません。

 

どちらかと言えばサメを殺してきたのは人間であること

ホホジロザメが人間を襲ってその命を奪ったケースはもちろんありますが、人間はその数千、数万倍どころではないサメの命を奪っています。映画『JAWS』以来、悪のシンボルとなってしまったホホジロザメは無駄な正義感による乱獲に遭い、ハンターの勲章のように狙われ、多くの命を奪われてしまいました。

いまではホホジロザメは各地で保護対象となっていますが、フカヒレやスクワレン目的での密漁だったり、後進国の漁師が網に誤ってかかった個体を何食わぬ顔で処分したり、いまだにその命は奪われ続けています。サメは人間が地上で反映する前から海中で歴史を重ねてきた、いわば地球というマンションの先住者です。その存在は尊重していきたいものですね。

 

ホホジロザメ

 

8.ホホジロザメは水族館展示が難しい

2022年現在、水族館で人間の手によって飼育されているホホジロザメはいません。回遊性が強いこと、大型であること、ほかの魚との同居が難しいことが理由で飼育が難しいようです。2008年にアメリカのモントレー水族館が198日間の飼育をしたのが最長記録。この個体はほかの魚への積極的な捕食行動が飼育のネックとなり、海に帰されたそうです。

他、日本国内では2002年に島根県立しまね海洋館アクアスで4日間だけの展示がされたことがあります。また最近2016年1月に沖縄の美ら海水族館にて3.5メートルのオスの個体の飼育が試みられましたが、残念ながら4日間でサメは死亡してしまいました。世界各国で保護種指定されているだけに、「死亡させてしまうことをわかっていて飼育するのはどうか」との批判も多くありましたが、「飼育にチャレンジする姿勢を評価すべき」という擁護の声も上がっています。

 

 

9.日本国内のホホジロザメのニュース

日本国内で発生したホホジロザメに関するニュースを紹介しておきます。報道に上がらないだけで水面下で片付けられている事件ももしかしたらほかにあるかもしれません。

①1992年3月 愛媛県松山沖 死亡事故
1992年3月8日16時頃に愛媛県堀江港から2.5km離れた沖で、タイラギ貝を採っていた40代男性が行方不明になりました。彼は水深20mぐらいの位置でヘルメットダイバーとして漁をしていましたが、突然、船上にいる船員に対して「至急引き上げてくれ」という緊急連絡を入れました。船員がロープを引いて船上に戻したときには手遅れで、すでに彼の姿はなく、そこにあったのはズタズタになった潜水服の一部だけでした。

数日前から大型のサメの目撃情報があったこと、残されていた歯の形状、現場の状況から推測してホホジロザメによる襲撃事故と断定されました。サメ襲撃による死亡事故が海上保安庁で認定されたのはこれが日本国内で初めてのことです。

現場ではタイラギの貝ガラの処理を行っており、その匂いがサメを引き寄せたのではないか、もしくは船と潜水服を結ぶ通信用ケーブルの微弱電流に引かれてやってきたのではないかなど、サメに襲われてしまった要因にはこれらのような仮説が挙げられています。

タイラギ漁
↑タイラギ漁のヘルメットダイバー(画像引用元:岡山県ホームページ

 

②1996年4月 愛知県伊良湖沖 死亡事故
1995年4月9日午前10時頃、に海岸からわずか100m余りの地点で行われていたミル貝漁。ウエットスーツ+ボンベの装備で潜水夫をしていた40代の男性がホホジロザメに襲われました。急いで仲間が引き上げようとしましたが、体長6mのサメが男性の右肩から腹部にかけて噛み付いており、そのまま右腕を咬みちぎられて男性は出血多量で即死しました。

 

③1999年7月 山口県光市室積海岸 捕獲
山口県光市の室積海岸にて1999年7月9日に体長5.3メートルの大型のホホジロザメが目撃されました。光漁業協同組合の雄志が格闘して無事に捕獲、幸い被害者は出ていません。この事件は全国ニュースにもなっていて、筆者も港の中を泳ぐホホジロザメの映像を観ましたが、一緒に映っている子供と比べるととんでもない大きさでした。

捕獲されたホホジロザメは解体され、顎骨が標本として全国いろんな場所で展示されました。その顎骨サイズは高さ80cm、幅70cmというから驚き。大人でも丸呑みにされてしまいそうな驚愕のサイズです。

 

 

④2005年10月 神奈川県川崎市 千鳥運河 死体漂流
2005年10月26日に神奈川県川崎市の千鳥運河にホホジロザメの死体が流れつきました。体長4.8m、胴回り2.0m、体重1,100kgで、オスのホホジロザメとしては世界最大クラスの大きさです。この死体は剥製化されて、現在川崎市東扇島の川崎マリエンに展示されています。

 




10.ホホジロザメと戯れる

ホホジロザメを至近距離で楽しむケージダイビングツアー

世界ではホホジロザメの姿を間近に楽しめるケージダイビングツアーというのが開催されています。ケージの中に入って海の中に沈み、餌でおびき寄せたホホジロザメの姿を生で楽しもうというもの。有名な開催地では南アフリカのケープタウン、オーストラリア南部、メキシコのグアダルーペがあります。

5メートルクラスのホホジロザメを出会えることもあるというので、自分も一度は行ってみたいなと思っていたのですが、ケージの中にサメが飛び込んできてしまう事故映像もたくさん観てるし、ケージダイビングの事故を描いた『海底47m』という映画を観てしまい勇気がスコンと無くなりました(笑)

 

メキシコのグアダルーペ島付近で撮影されたホホジロザメの動画

 

ホホジロザメと泳ぐ女性ダイバー、オーシャン・ラムジー

 

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世界にはものすごい女性がいます。彼女の名はオーシャン・ラムジー。モデルでありながら海洋生物学者でもある彼女は、様々な海で、様々なサメ達と一緒に生身でダイビングを行っています。その中にはホホジロザメやイタチザメ、オオメジロザメといった危険な種も。

彼女がInstagramにアップする写真はどれも衝撃的で、かつとても優雅で美しいものばかりです。サメがただの危険で狂暴な悪者でないことは彼女の活動が証明しています。サメ好きであるなら、ぜひフォローしてみてください。

Instagram @oceanramsey

 

11.ホホジロザメは美味しいの?

日本ではホホジロザメは水産資源としての価値はつけられておらず、ホホジロザメを対象とした漁は行われておりません。まれに沿岸漁業の定置網などに混入してしまった場合も放流されることがほとんど。世界的に見ても保護指定している国が多いため、そもそも一般人がその新鮮な肉を手に入れるチャンスはほぼ皆無といってもいいかもしれません。

しかし、ごくごく稀に水揚げされるケースもあるようで。2011年には岩手県宮古市にて640kgのホホジロザメが水揚げされ、蒲鉾の材料としてたったの1万円で業者に購入されたとのことです。

最近では2021年にどこかの漁港で水揚げされたらしく、その頭部近辺の肉やエラ部分を調理して食べてみた方がブログで記事にされています。記事を書かれた方の主観にはなりますが、生食はとても美味しいといえるものではなかったようで(苦笑)シャチがホホジロザメを襲っても肝臓しか食べないってのは、やはり肉に旨味がないということなんでしょうかね?

→ヌローライフ「”ジョーズ”ことホホジロザメを食べてみた」

 

12.ホホジロザメが主役の映画

なんといってもホホジロザメの名を一気に世の中に知らしめた『JAWS』は外せませんね。もう30年近く前の映画になるので観たことがない若い人も多いかと思いますが、ホント面白いのでぜひ。当時大ヒットしたのが納得の良作です。ちなみに2以降は別に観なくてもいいです(笑)


あと、ホホジロザメが主役の映画で面白いのは、先ほど挙げた『海底47m』と『ロストバケーション』ぐらいかな。次点ゆるく楽しめるモンスターホラーとして『パニックマーケット』。それ以外の「〇〇ジョーズ」みたいな二番煎じのB級映画は基本地雷ですので、そういう映画が好きな方以外は手を出さないほうが無難。サメが二つの頭になったり、地上歩いたり、台風に乗ったり、幽霊になったり、サイボーグになったり、もうサメ映画業界はやりたい放題です(遠い目)

 

13.すぐ見れるホホジロザメ動画

【伝説の怪物】ホホジロザメを至近距離で撮影せよ!『凶暴な危険生物』が見せた意外な素顔とは?【どうぶつ奇想天外/WAKUWAKU】

 

ホホジロザメの死角 | ナショナルジオグラフィックス(日本語)

 

もしAmazonプライム入ってるならこちらも無料で見れるのでどうぞ。

→Amazonプライム『シャーク 海洋の覇者(2015年)』

 

14.ホホジロザメまとめ

いや、まとめと書いてみたものの何をまとめるんだと(笑)

とりあえずざーっと自分が持ってるホホジロザメの知識を殴り書きしてみました。細かく書いてくとホントにキリがないので、だいぶざっくり大雑把な内容になりましたが、少しでもホホジロザメの理解が進めば何よりです。

一番最初に書いたとおり、自分がいろんなところから仕入れた情報を自分の物差しで判断して書いてるので、ここに書いている内容が100%真実とは限りません(できるだけ信憑性が高い情報を選んでいるつもりではありますが)。そのあたりは温かい目でご容赦を。。。

また情報が追加されたり、新しい事実が判明したりしたら書き足していこうかな。

 

したらな!

ビバ☆ホホジロザメ。

 


参考Web:
Wikipedia ホホジロザメ(日本語版)
Wikipedia Great white shark(英語版)
Cable News Network「ホホジロザメが人間を噛む理由判明か」
平成 26 年度国際漁業資源の現況 ホホジロザメ
平成 29 年度国際漁業資源の現況 ホホジロザメ
国立極地研究所「ホホジロザメは待ち伏せ型のハンター」
一般財団法人美ら島財団「ホホジロザメの不思議な繁殖方法に関する論文が掲載されました」
時事.com「ホホジロザメの生態に迫る 海のハンター展より」
INTO THE BLUE「ホホジロザメに付いた無数の傷の原因は?」
Newsweek「巨大なホホジロザメが一匹残らず逃げる相手は」
DIVENAVI.COM「ホホジロザメを間近で見るダイブツアー登場!グアダルーペ9日間の旅」
J-STAGE「愛媛県松山市沖のホホジロザメによる死亡事故, および日本におけるサメ被害」
ヌローライフ「”ジョーズ”ことホホジロザメを食べてみた」

参考書籍:
ほぼ命がけサメ図鑑
サメガイドブック
世界サメ図鑑

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