【サメ】アオザメの生態

【サメ】アオザメの生態

アオザメ

 

サメ好き演劇人が解説するサメの生態シリーズ!

グルメ記事と同じくサメ記事もそこそこアクセス増えてきたので、需要はあるんだろうきっと!

男の子の9割8分はサメが好きという自分の妄想を信じて突き進んでいきます。

 

 

はい、今回はアオザメだよ!

 

 

一般的な知名度はあんまりないアオザメだけど、

サメの中では最速で泳ぐサメってことでサメフリークの間では人気が高いと思われる。

真っ黒で大きな瞳と尖った細長い歯もビジュアル的にカッコいいしね。

俺も好きだ!付き合ってくれ!(←暑さにやられている)

 

 

はい、そんなアオザメさん。

いったいどんなサメなのか、その生態をみてみるぜよ!

 

 

 

1.アオザメとは

アオザメ

画像引用:YouTube「Up Close With a Grander Mako Shark | Shark Week」

 

アオザメは、ネズミザメ目ネズミザメ科に属するサメです。和名は体表の背中部分が鮮やかな青色であることからこのように名付けられました。

英名はShortfin mako shark(ショートフィン・マコ・シャーク)。マコっていうのはマオリ語で「サメ」とか「サメの歯」的な意味だそうで。それだと意味的に「サメシャーク」的な感じになっちゃう気がするんですが(笑)いいんかなそれで。

同属にバケアオザメ「Longfin mako shark」という種がいますがこちらは知名度は低く、日本近海にはほとんどいません。海外でも「Mako shark」と呼んでアオザメのことを指すことが多いみたいです。うーん、バケアオザメ可哀そう(汗)

 

2.アオザメの身体的特徴

アオザメのサイズ感

アオザメはおおよそ体長2~4メートル程度で、平均の大きさは3.2メートルとされています。ホホジロザメやイタチザメと同様メスのほうが大きく成長することがわかっており、大きいモノでは2013年に捕獲されたカリフォルニアのメスの個体が4.45メートルを記録しています。

また1950年代にトルコで捕獲された個体は6メートルクラスとされていますが、残されていた写真から算出した推定値でしかなく、その信憑性は微妙なところであるといえそうです。

マコシャーク

画像引用:YouTube「Diving with Mako Sharks | Shark Week」

 

アオザメのビジュアル的な特徴

アオザメはホホジロザメと同じく大型ネズミザメ系統のサメですが、アオザメは他と比べて細めの流線型でスタイリッシュな体型をしています。鼻先も細く尖っており、歯も上下ともに細いという、何かといろんな部分が細いサメ(笑)

尾ビレは上下の長さがほぼ等しい三日月型をしています。瞳は真っ黒で白目部分はほとんど確認できません。このあたりは同じネズミザメやホホジロザメと共通している部分ですね。

似ているのはバケアオザメとヨシキリザメあたりですが、バケアオザメは胸ビレが大きくて丸い形をしていて、ヨシキリザメは胸ビレがもっと露骨に長くて猫のような目をしているので、シルエットを見るだけでも区別は簡単です。

体表は背中側は鮮やかなメタリックブルーで、腹側は真っ白。これは上から見ると海中の青に紛れ、逆に下から見上げると太陽光がまぶしい水面に紛れることができるという、上下両面からの保護色を実現しています。これをカウンターシューティングといいます。

アオザメの生態

画像引用:YouTube「MAKO SHARK – King of the Pelagic Realm 4K」

 

アオザメの歯や顎

アオザメの大きな特徴は細く尖った歯。歯は後ろ側に向くように反った形状をしており、これはメインの獲物であるイカや青魚などの俊敏な生き物を狙うときに、一度咬んだら歯が食い込んで逃さないようにするために進化したと考えられます。

歯列は何重にもなっており、個人的には咬まれたら痛そうなサメナンバーワン(笑)アオザメはカジキやイルカなども狙うことから考えると、咬んだ獲物を逃がさない以外に肉を咬みちぎる能力も高そうです。咬む力の測定実験では一番強いもので3000ポンド(約1360kg)を記録したそうで、海のハンターとしての実力の高さがうかがえます。

アオザメの歯

画像引用:YouTube「Up Close With a Grander Mako Shark | Shark Week」

 

アオザメの奇網

魚類はそのほとんどが変温動物で外部の温度の影響を受けてその体温を変化させますが、アオザメはホホジロザメやマグロと同様に奇網という仕組みを持っていて、これにより自分の体温を水温より高くすることができます。これによって瞬発的な運動性を生み出し、獲物を素早い動きで捉えることができます。

そのためアオザメの瞬間速度はサメの中でも最速の部類(ヨシキリザメのほうが速いという意見もあります)。ただし最高速度については推定値はかなりまちまち。35km/hと控えめな意見もあれば、中には96km/hというとんでもない速度を語る意見もあります。

余談ではありますが、現状で言われている魚の最高速度ってやつはかなり信憑性が疑われています。例えばバショウカジキは100km/hの速さで獲物を追いかけると言われていましたが、GPSをつけた観察の中では最高で8km/hでしか泳いでいなかったりなんてことがありました。なので、アオザメが魚類の中で早く泳げる力を持っていることは間違いないですが、あまり過剰な数字は眉唾で捉えていたほうがいいかもしれません。

また奇網による高い運動能力もあってか、アオザメは空中へのジャンプ行動が出来ます。これはアオザメの体が完全に海面より上に飛び出るほどの大ジャンプで、まれに人間の船の上に乗り上げてしまう事故が発生することも。

このジャンプはブリーチングと呼ばれ、ほかにはニタリやハナザメなんかも同様の行動をとることができます。ブリーチング自体の理由ははっきりしておらず、興奮からくる行動なのか、寄生虫を落とす為なのか、いまの時点では確かなことは何もわかっていません。

アオザメのジャンプ

画像引用:YouTube「flying mako shark jumping out of the water」

 

アオザメのロレンチーニ器官

肉食のサメと言えばロレンチーニ器官ですが、いろんな資料を読み漁ってもアオザメのロレンチーニ器官についてはほとんど記載がありません。海外で行われた実験では、アオザメは狩りの際に電気信号に反応する素振りを見せなかったそうです。アオザメは障害物や遮蔽物が少ない外洋で獲物を下がることが多いため、おそらく近距離でしか活用できない微弱電流よりも、大きな目と優れた嗅覚で遠くから獲物を確認して接近することに特化していったのかもしれませんね。

 

3.アオザメの生態

アオザメの生息域

アオザメは温帯や熱帯などの16~20度ぐらいの水温を好みます。沿岸に来ることもまれにありますが基本的には外洋性。そのため通常は漁以外で人と接する機会はほぼありません。逆に言えばそのせいで生態はまだはっきりとわかっていない部分が多いサメでもあります。

深いところでは500メートルを超える深度でも観測されていて、獲物を追って浅いところと深いところを垂直方向に移動することもあるようです。また横方向には月間数千キロを回遊することも知られていて、獲物を追ったり、交尾相手を探したりで、遊牧的な移動が多いと考えられています。

アオザメ

画像引用:YouTube「Mako Shark near Korcula Croatia」

 

アオザメの主食

主食はニシン、サバ、カツオ、マグロなどの青魚が大半。大西洋北西部での調査ではアオザメの胃袋の残留物の80%以上がブルーフィッシュだったそうで、一般的なアオザメもおそらく大半が青魚系を主に食していると考えられるでしょう。ほかにはイカ類、メカジキ、イルカ、小型のクジラ、まれにウミガメや海鳥も口にすることがある模様。

アオザメの狩りの方法は、獲物の下から忍び寄り、下からの急突進で敵の下腹部から尻尾の部分を狙って機動力を奪う手法を取ります。闇雲に追いまわしてエネルギーを消費するよりも、一撃必殺の奇襲で決着をつけにいく賢い方法と言えるでしょう。

またアオザメは運動能力が発達しているぶん代謝が激しく、1日で体重3%ぶんのカロリーを消費するそうです。それを補うだけの量を食べる必要があるので、アオザメは他のサメと比べてかなりの大食漢と言ってもいいかもしれません。

アオザメの主食

画像引用:YouTube「The incredibly fast Shortfin Mako Shark!」

 

アオザメの天敵

アオザメはその体の大きさもあって食物連鎖の上位にいる種なので天敵はほとんどいません。若い小さな個体であればシャチやホホジロザメに狙われるケースがあようですが、ある程度成熟すれば機動力も攻撃力も高いアオザメをわざわざ狙う生き物も少ないでしょう。

あと全ての野生生物に言えることかもしれませんが、一番の天敵はやはり人間です。国によっては規制はあるものの、いまだフカヒレ目的の過剰な水揚げや、スポーツフィッシングのトロフィー扱いで犠牲になることもあります。

イタチザメの天敵

 

アオザメの繁殖行動

アオザメは単体で活動するため、交尾相手は世界の海を回遊する中で見つけることになります。アオザメの交尾はほとんど観察されたことがなくわからないことが多いですが、夏から秋の季節にかけて行われ、交尾はオスがメスの体を噛んで固定しながら行われると推測されています。あの歯列で咬まれると考えるとメスも命がけですね。。。

アオザメは胎盤なしの卵胎生。メスの体内で稚魚が孵化し、自分自身の卵黄から栄養を吸収したり、未受精卵や未発達の卵を食べて成長します。そして1年半程度の期間を経て60~70cm程度の幼魚が、4~25匹程度で体外に放出されます。母ザメはそれからまた1年半ほど休んでから再度繁殖行動が可能になるので、生殖周期はおおよそ3年ぐらいですね。

 

4.人間にとってのアオザメの危険性

非常に大型の肉食のサメであるアオザメですが、基本的には外洋性のサメなので人に対しての事故はまず起こりません。人が外洋のど真ん中で遊泳すること自体が普通はありませんので。しかし、遭難事故などで万が一海中で遭遇してしまった場合は、やはり危険が伴うと考えられます。餌が少ない外洋でパシャパシャと水の振動を起こす生命体は間違いなくアオザメにとっては興味の対象になってしまうでしょう。

実際にあったのは船が難破して外洋で海に放り出されたケース。第二次世界大戦中の巡洋艦インディアナポリスの沈没の際には救助を待つ5日間のあいだに多くの人がサメの犠牲になりました(一時はメディアによってサメによる大量殺戮が起きた的な情報が多く流されましたが、後の検証では体力の低下での溺死が多かったとされています)。襲撃したサメの種はヨゴレ、ホホジロザメ、イタチザメ、ヨシキリザメとともにアオザメも可能性として挙げられています。。

あとは前述していますが、ブリーチングしたアオザメが船の甲板に乗り上げてしまうケース。過去に和歌山県では遊漁船に3メートルを超えるアオザメが乗り上げ、イカ釣りをしていた中年男性がサメの尾ビレにより胸部を骨折する事故がありました。サメはイカを追いかけた勢いでそのままジャンプしてして船に乗り上げてしまったと考えられます。海面からアオザメが頭から飛び出してくるシーンを想像するととんでもなく恐ろしいですね。

 

 

5.アオザメの保護

アオザメは水産資源として各国で水揚げされ、国によってはスポーツフィッシングなど娯楽の対象として消費されていました。しかし2000年頃から個体数の減少を危惧したIUCNやWCPFCの働きかけにより漁獲ルールなどが整備され、過度な漁獲が行われないようになっています。

日本だと宮城県気仙沼死がサメの漁獲量1位で、アオザメもそのうちの数%を占めています。サメを漁獲すること自体への風当たりが強まっていることもあって、地元の業者ではサメを無駄なく1匹丸ごと活用するような取り組みが行われています。

しかしそういったルールの影響が及ばない東南アジアなどでは、変わらずフィンニングや常識の量を超えた乱獲が横行している可能性が高く、アオザメの個体数維持についてはまだ気が緩められない状況と言えるでしょう。

 

 

6.アオザメが見られる水族館

アオザメに限らずですが、外洋性のサメは飼育が非常に難しく、長期の飼育に成功している水族館はありません。サメの中でも積極的に泳ぐ性質を持つアオザメですが、水槽のガラスを認識することができず衝突を繰り返してしまうのが大きな理由となっているようです。そのため数日で亡くなってしまうことが多く、世界的に探してもアオザメを常設展示している水族館は存在しないでしょう。

直近では葛西臨海水族園や八景島シーパラダイスで飼育展示が試みられましたが、どちらも残念ながら2日以内に展示を終了しています。もしかしたらホホジロザメや深海ザメ以上に飼育難易度の高いサメと言えるかもしれません。どうしてもアオザメを水族館で見たい場合は、ニュースやSNSを日々チェックして、展示した情報を見つけたらダッシュで駆け付けるぐらいしか方法はないかと思います。

 

 

7.アオザメが出てくるサメ映画

サメが人を襲うB級パニックホラー映画においては、ほとんどホホジロザメかメガロドンが主役ですが、映画『ディープ・ブルー』では遺伝子操作された巨大アオザメが主役。ただし外見だけ見るとどうみてもホホジロザメと混同していると思われる部分が多く、アオザメを正しく描いた映画とはとても言い難いかも(苦笑)エンタメ的には面白くて名作だとは思うんですけどね。誰にでもオススメできるサメ映画です。

 

8.アオザメの動画

The Fastest Shark in the Ocean | Shark Week: Top 10 Sharkdown:

The Mother of All Makos! | Dawn of the Monster Mako | discovery+:

Mako shark attacking a PelagicView dredge:

 

9.アオザメまとめ

以上、アオザメの生態でございましたー。

 

Webや書籍の中で、自分から見て信頼できるかなぁと思える情報でまとめてます。もしかしたら誤情報も混ざっているかもしれないけど概ね大丈夫、なはず。

まぁ、こんなサメなんだなと参考程度にしといてくださいまし。

 

 

さぁ、次はどのサメにしますかねぇ。

したらな!

 


参考Web:
Wikipedia アオザメ
Wikipedia(英語版) Shortfin mako shark
Animal Diversity web 『Isurus oxyrinchus Mackerel porbeagle』
FLORIDA MUSEUM『Isurus oxyrinchus Mackerel porbeagle』
Shark World『Mako Shark』

参考書籍:
ほぼ命がけサメ図鑑
サメガイドブック
世界サメ図鑑

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