惑星ピスタチオ『破壊ランナー』がYouTubeで無料公開中
自分と同世代、もしくはその前の世代にとってはレジェンドと言ってもいい作品。
惑星ピスタチオ『破壊ランナー』の公演動画が先日から無料公開となりました。
しかもアーカイブだから当面は期間を気にすることなくいつでも視聴可能です。
いやはや、ありがたいことです。
2700年の未来の世界、音速を超える速度でレースを行う超人たちの世界。
そんな中で光速という未知の領域を夢見る豹二郎ダイアモンド。
こんなハチャメチャな世界をたった9人の役者が、人間から機械から細胞まであらゆるものを己の肉体だけで表現するパワーマイムを駆使して念じる衝撃作品です。
アーカイブとはいえいつ配信なくなるかわかんないので、まだ体験したことない方はぜひどうぞ。
惑星ピスタチオが解散したのは2000年3月。
自分は愛媛大学の演劇部の1年生だったときだけど、そのときは演劇に熱心に取り組んでおらず、解散のニュースどころか劇団の存在さえも知らなかった。
存在を知ったのは、同回生からロウソクの火を眼力で消す俳優がいるらしいという何ともふざけた情報から。
ロウソクの火を眼力で消すといういろんな意味でブッ飛んでいる俳優。
それがまさに惑星ピスタチオの座長であった腹筋善之介氏のことだったり(笑)
大学4年生のときにキャラメルボックスの菅野良一さんの計らいで、
なんとピスタチオ主要劇団員の1人であった遠坂百合子さんと共演する機会をいただけた。
演目はキャラメルボックスの「ブラック・フラッグ・ブルース」。
レイとアリツネという悪役コンビで遠坂さんと組ませてもらえたのはすごい幸運で。
遠坂さんは美人で気さくで凛とした雰囲気も兼ね備えた方で、本番中は貴重で楽しい時間だったなぁ。
それから上京して数年後ー。
諸々事情あってすっかり芝居から離れてしまってた自分だけど、ラゾーナ川崎プラザソルで腹筋善之介主催のワークショップがあるとのことで、これは参加しない理由がないと思って突撃。
そこでの出会いをきっかけに役者復帰し、さらにその後のワークショップ公演で『夜間学校クラブ略してヤガク!』にて腹筋さんの演出を受ける&腹筋さんと共演することに。
それ以降は何度か客演としてIQ5000に呼んでいただいたりして、現在の自分にいたるって感じかな。
こうやって振り返ると、自分の人生のターニングポイントに存在していた人なんだなぁといまさらながらしみじみ思う(笑)
そんな腹筋さんももう55歳。
自分はもう40歳。
『破壊ランナー』の中で叫びながら汗だくで走り回っている腹筋さんは30歳。
映像の中の若かりし頃の腹筋さんを自分の年齢が追い越して、さらにその年齢差がどんどん開いていく感覚は不思議だね。
いまは腹筋さんは東京大阪を行き来しつつ、新しい演劇の形やキッズ向けプログラミング学習にも取り組んでいる。
遠坂さんは大阪で自分の演劇ユニットを持ちつつ、ジュニアミュージカルの作演出をしたりしてる。
西田シャトナーさんも書いているけど、
まだまだみんなレースの途中であり、走り続けているんだなぁと思った。
あ、西田シャトナーさんも今回の動画配信のことでブログ記事をいくつか書かれてます。
『破壊ランナー』は2017年にも若いキャストで再演しているけど、ブログを読む限りだと、やはり当時の惑星ピスタチオ時代の破壊ランナーへは特別な感情があるんだろうなぁってのがひしひし感じられる。
以下、西田シャトナーさんのブログ記事
また、2つめの記事「パワーマイムとカメラワーク演出を作るまで。」には腹筋さん自身がコメントつけてます。
腹筋善之介 October 17, 2020 18:39
沢山の手法、沢山のアイデアは、シャトナーが考え編み出したものが殆どです。
他では出来ない圧倒的な演出を考えるあのときのシャトナー集中力と、腹から笑いながら創る現場の熱。
パワー押しな腹筋、技巧的で細やかなセンスな大和、女性的な視線で厳しく優しく率いるミラノ、芸術的センスを………それぞれみんなの得意分野を、特異分野を受け止める劇団でした。本気の稽古場。終わったら、即帰って寝たいと思う現場。頭も身体も疲れ果てて、飲みに行けない現場。私達の青春です。
今は、破壊ランナーをせめて一回だけでも公演をうてるための体力と精神力だけは持ち続ける努力をしている毎日。
昔の公演をこうやって観ることができるようにしてくれてありがとうございます。
…私は恥ずかしすぎてちょっと観れないですけど
いつでも豹二郎ダイヤモンドに戻る準備はできてるようで。
期待して待ってていいですか?(笑)
ねぇ、腹筋さん。
俺もちゃんと走り続けよーっと。
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