【日常】志村けんさんの訃報とコロナウイルス

志村けんさんの訃報とコロナウイルス

志村けん

 

今朝のニュースで志村けんさんの訃報が流れました。

 

 

子どものころから志村けんのだいじょうぶだぁは毎週見てたし、

主演を務められていた「志村魂」って舞台も観に行ったことがあった。

たしか銀河劇場だったかな?

もう何年も前だけど。

 

志村けんさんは、面白いとか、上手いとか、まぁそれは当たり前なんだけど。

とにかく客席との対話能力がとんでもないなぁというのが一番の印象。

あんなに観客のそのときの感情を理解して、瞬時に最適解を出せる人はそうそういないんじゃないかな。

センスと知識と経験のすべてが備わっていないとあのレベルのクオリティには到達しない。

勉強になりました、ありがとうございました。

 

ご本人はまだまだやりたいこと沢山あっただろうなぁ。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

さて、この訃報。

やっぱりとんでもなく衝撃的なニュースでした。

 

 

今朝の時点で新型コロナウイルスで亡くなった人の数は52人。

国民の中でこの52人と面識がある人なんて全体の割合からみると極少だったわけで。

ニュースで「コロナウイルスやばい!」って報道がどれだけされても、

大抵の人がどこか遠いところで起きている出来事感を持っていたんじゃないでしょうか。

 

 

それが志村さんの死で、一気に身近なことに感じられるようになった。

だって誰もが知っている志村けんだもの。

「どこかで誰かが50人亡くなりました」よりも「志村けんが亡くなりました」のほうがインパクトがでかくなってしまう。
(口先では命は平等って誰もが言うけど、実際は残念ながらこうなっちゃう)

 

 

 

この今回の訃報は、間違いなく「自粛」の追い風になります。

 

 

自粛要請ガン無視で遊んでる大学生たちが笑顔で街頭インタビューに応えてたりしてたけど、

今までああいう楽観的な思考だった人たちにとっても、

「あの志村けんが亡くなった」という事実には自粛への意識を改めざるを得なかったはず。

 

また、70歳を超えるご老人方にとっては「次は自分の番でもおかしくない」と身震いするニュースになったでしょう。

自分の息子や孫にはもちろん軽率な行動を控えるように促すでしょうし、

人によっては目に留まる非自粛者の全てに負の感情を持つようになるかもしれません。

 

これによって日本国内全体の自粛ムードはさらに高まるし、

自粛して当たり前だ、いま自粛しないのはどうかしてる、って価値観のほうが強くなっていきます。

 

 

 

 

そりゃあ感染拡大は確かに減速するだろうし、結果的に死者数も抑えられるだろうけども。

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

同時に経済はこれまで以上に死ぬんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

自分は3月6日にこんな記事書いてますけど、→新型コロナウイルス、目を開けて、正しく恐れよう

あれから1か月近くたった現在でも考え方は変わっていません。

いまでも自分の考え方は「正しく恐れましょうよ」です。

 

 

志村けんさんはYahooニュースの訃報では「持病なし」なんて書かれてますが、

年齢はもう70歳、元々ヘビースモーカーで4年前には肺炎で入院しています。

さらに1月に胃のポリープ除去手術をしたばかり。

 

加えて夜通し酒飲んで遊ぶことも日常茶飯事の生活だったそうです。

しかも最近はコロナ不況に苦しむ飲食店を気遣って率先して夜の街に通うようにしていたなんて話も。

 

 

これらの情報をふまえると、

志村さんは感染したときに重症化してしまうリスク要素を多く抱えていたといえます。

持病で体調に不安がある高齢者という層を中心に死亡者が出ていた新型コロナウイルスですが、

志村さんもその層のど真ん中に入っていました。

 

「志村けんまでも死んだ!コロナはやっぱり恐ろしいんだ!ウワー!」と騒いでしまいそうですが、

冷静な見方をすれば、新型コロナウイルスで亡くなった高齢者の数が52人から53人になっただけ、なんです。

(だけ、って言い方が不快に感じるかもしれませんが他に言い回しがないのでご容赦ください)

 

 

 

ちょっと想像してみてください。

 

一晩寝て起きて、昨日までは52人だった致死者の数が53人になっていたと聞いて、

あなたは「コロナやばい!」と大騒ぎしますか?

おそらく誰も騒がないと思います。

致死者が52人が53人になったところで、感染拡大への危機意識をガラッと変える人は誰もいないでしょう。

 

 

今回の訃報は、たまたま53人目がどこかの知らないAさんではなかった。

悲しくも志村けん本人だったということ。

 

 

これから各メディアが大騒ぎして再度コロナウイルスの恐怖を捲し立てるかと思います。

志村さんを偉大な功績者として持ち上げ、周囲で涙する方々のインタビューを取り上げ、

コロナウイルスの残忍さと恐ろしさを連日流し続けるでしょう。

これにより「コロナは恐怖だ!」「コロナは絶対にかかってはいけない!」というイメージがどんどん加速します。

 

 

志村さんが亡くなったことはたいへん痛ましいことだし、悲しいことです。

 

でも、志村さんが命を落としたことでコロナウイルスに新たな脅威が現れたわけではありません。

あくまで、高齢かつ体調に不安がある致死率が高い層の中で1名死亡者が出た、というのが正しい認識。

新型コロナウイルスは恐ろしい。

でも、従来通りの正しい恐れ方をするべきです。

 

 

 

あのシルク・ド・ソレイユの破産申請も噂される中、すでに各地で倒産と廃業が相次いでいます。

インバウンド業界では次々と従業員の解雇が進み、新卒は内定取り消し、バイトでさえ募集は激減という状態。

たった2ヶ月程度でこの有様ですから、終息タイミングが見えなくなったいま、この数はもっともっと増えるでしょう。

 

「命が一番大事だ」「命あってのものだ」ってのはよく聞きますが、

仕事できる道がなくなりゃ先の希望はなくなるし、先の希望がなくなれば人は簡単に死にます。

(前も書いたけど、バブル崩壊翌年からしばらくの間は自殺者1万人ぐらい増えてる)

 

個人的には現時点の予測で、コロナ感染による病死者数の見込より、

自殺者の増加数見込のほうが圧倒的に多いんじゃないかって思ってます。

萎縮し過ぎた結果のほうが犠牲者多かったら本末転倒です。

 

志村けんというリスク高の高齢者が新たに1人亡くなったってことで、新たに過剰な恐れ方を始めるべきではありません。

亡くなった方がどれだけ偉大で素晴らしい方であろうと、1は1でしかないんです。

 

あくまで現時点の情報をしっかりと見て、

感染による直接被害と、経済萎縮による間接被害、

それぞれを足したものが最小限になる道はどれかっていうのを見ていくべきなんじゃないでしょーか。

 

 

 

 

ここまで読んでくれた人には、

「志村けんの命を軽く見やがって!」なんて怒られてしまいそうですが。

実際、そう思われそうなこと書いてますし。

 

 

怒られそうなことはわざわざブログで書かなきゃいいんですけどね、

そんなんで炎上しても何の得もないし。

 

 

 

 

でもね、

 

 

志村さんが、コロナウイルスで致命的な打撃を受けた夜の飲食街に進んで足を運んで散財していたって話を聞きまして。

1月にポリープ除去したばかりの身体で、です。

本人は、己の身体的なリスクが高いことなんて重々承知だったんじゃないでしょうか。

それでも、馴染みのお店を巡回して散財をした。

 

 

誰よりも優しく、

誰よりも馴染みのお店のことを気遣っていて、

誰よりも今回のコロナウイルスによる自粛の辛さを憂いていたんだな、って。

 

 

亡くなった志村さんはいま天国で何を望むだろう?

 

 

少なくとも、自分の死でコロナの恐怖が煽られることではないんじゃないかな。

自分の死で飲食店が生きていけない環境が加速することではないんじゃないかな。

 

 

 

あと間違いなく、一部の人が勝手に言ってる「みんなにコロナウイルスの危険性を教えてくれた」って賞賛でもない。

 

 

 

ふざけんのも大概にしろバカヤロウ。

 

「自粛してね。あ、自己判断だから補償なんてしないよ」なんて卑怯なやり方してなきゃ、

店側は素直に休業できるし、志村さんだって出歩かなくて済んだんだよ。

死ななくて済んだんだよ。

 

 

 

 

 

そう思って書いてみた駄文でした。

あしからず。

 

 

志村けんさん、心よりご冥福をお祈りいたします。

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