ブログはオワコンと呼ばれ始めた
ネットで情報収集してると、昨年から「ブログはオワコン」って言葉を多く見かけるようになった。
11月ぐらいからこの言葉がすごい使われだして、もうSEOブログ界隈では2018年流行語大賞と言ってもいいんじゃないかってぐらいに見かけるようになっちゃった(笑)
オワコンとは
オワコンってのは「終わったコンテンツ」の略で、流行らないが終わってもう使われなくなってしまった状態のことね。
たとえば10年ぐらい前に流行ったミクシィとかね。
当時の流行と勢いはすごかったけど、いまではディープなこだわりを持つファン層ぐらいしか使ってない、いわゆるオワコン状態。
フェイスブックなんかも飽きられたり情報流出があったりで人離れが進んでいて、もうオワコン扱いされ始めている印象があるかもね(閲覧専門で使ってる人が多い感じなのでまだしばらくは大丈夫だとは思うけど)。
で、戻るけど、
「もうブログはオワコン」って話。
ことの発端はWebブロガー界の炎上貴公子イケダハヤト氏(通称イケハヤ)の発言。
イケダハヤト氏は明らかにブロガー界の先端を走っていた人間だったので、その本人の口から「もうブログはオワコン」という発言が飛び出したのは、業界にはかなり衝撃を与えた。
そりゃビックリするよねー。
トップブロガーが「もうブログはオワコン」って言うのは、例えるならYOSHIKIが「もうロックは終わった」って言ったり、明石家さんまが「もうお笑いは終わった」って言うみたいなもん。
その業界で飯食ってる、もしくはこれから食おうと考えてる人間にとってはインパクトがデカ過ぎる(笑)
でもなんでブログがオワコンなんだろう?
そもそも本当にオワコンなの?
ブログがオワコンと言われる理由
イケダハヤト氏の主張はこう。
- SEO依存のブログは厳しい。
- 検索結果からユーザーがブログに流れてくることは減る。
- 人は動画のような「情報量の多いコンテンツフォーマット」を好む。
- テキストを読む人は減っているし、今後も減っていく。
- ブログは閲覧までのパスが遠い。コンテンツはプラットフォーム上で消費されるようになる。
- 広告予算もブログ以外にシフトしていく。アフィリエイト予算を削って、動画広告に流れた広告主は実際いる。
ここで前置きだけど、イケダハヤト氏はあくまでいまはYouTubeがきてる、稼げるコンテンツとして比較したときにそろそろブログはキツいってことをメインの主張としていて。
ブログをディスりたい、ブロガーをディスりたいわけじゃないので、脊髄反射で「ブログがオワコン!?バカいうな!」と咬みつく意味もないし、その必要はないのかなーと。
もともと「ブログはオワコン」みたいな意見は以前から何度も何度も出てきてるしねー。
ツイッターが流行り始めたときなんかは特に言われてたかな。あとフェイスブックが流行ったときとか。
でもブログはいまでも消えずに根強く残っていて、無数の芸能人やブロガーがずっと情報発信ツールとして使っている。
当面オワコンにはならないでしょ、ブログ。
もちろん永遠には続かないだろうけどね。
新しいメディア、デバイス、プラットフォームがどんどん出てくる中でずっと存在し続けるってのはやっぱり難しいこと。
ワープロなんかも、三十年前に大手メーカー複数に「パソコンが出てきましたが、ワープロは生き残っていけるのか」的な質問をしたら、当時はどのメーカーも口を揃えて「ワープロは生き残る」と自信満々に回答したそうで。
わかんないもんだよねー。
じゃ、とりあえず「結局のところブログはいまどうなん?本当にオワコンまっしぐらなん?」って疑問もあるかと思うので、現時点でブログという媒体がおかれている状況と未来のビジョンを考えてみましょ。
イケダハヤト氏の意見を引き合いに出しながら、ひとつひとつ考察していきましょーか。
ブログという媒体がおかれている状況と未来のビジョン
1.SEO依存のブログは厳しいという点
まず大前提として、ブログの集客はそのほとんどが検索結果からの流入。
ブロガーとしてすでに有名になっているのであれば、ブロガー名やブログ名で指名検索してやってくるアクセスもあるけどね。基本的には「何かを知りたい人がそれを調べるために検索して該当記事にやってくる」というアクセスが大半を占めます。
ただし昨今のSEO争いは日に日に激化していて、利益率が高い検索ワード(保険、不動産、キャッシングなど)はすでに先駆者や企業に市場を独占されてレッドオーシャン。とくに狙った市場に大手企業が参入していた場合、現状ではそのドメインパワーの暴力に個人で勝つのはまず無理でしょう。
さらに生活の知恵やお得情報を発信するサイトもすでに多く氾濫していて、それらと争いながらアクセスを獲得するのは至難の業になっちゃってるのが現状。
副業に追い風がある中でアフィリエイトブロガーさん達がこぞって「ブログは儲かる!」なんて煽ってきたもんだから、いまじゃ検索結果に「○○な人のために△△できる10の方法」みたいな記事が多過ぎ(笑)
うん、たしかにコレは厳しいねぇー。
もうライバル多過ぎて、検索結果で上位狙うのはホントしんどい状況。
まぁ、個人的にはいまは供給過多な気もしてて。これから割に合わないとわかった企業や、現実を思い知った中小ブロガーは撤退していったりもするから、気休め程度には少しは競争もマシになっていくとは思うんだけども。
あと検索結果の向上を追求しているGoogleが、現状のドメインパワー万歳の状況や、Web上の情報をかき集めてまとめ直しただけの「△△できる10の方法」的な記事が上に来てしまう状況を放っておくとは思えず。
Googleを信じて、ちゃんとユーザーに沿った鮮度の良い情報を発信し続けていけばSEO面でも結果もついてくるんじゃないかと。そんな淡い期待を持ってみる(苦笑)
SEO依存のブログは厳しいという点。
これについては結論「たしかに厳しい。少なくとも甘くはない」で。
2.検索結果からユーザーがブログに流れてくることは減るという点
最近はGoogleがYouTubeに力を入れていて、検索結果にホームページやブログではなくYouTube動画が上位に表示されることも増えてきたね。
また、若い世代はWeb検索を使わずにツイッターやインスタで検索するなんてことも多い。
こういった変化によって検索結果からブログへ流れるユーザー数が減るんじゃないかということへの懸念。
個人的には、これについてはそんなにかなーと思ってる。
そこまで根こそぎブログから検索流入を奪っている印象はないっす。
もちろんWeb検索の結果画面に動画が混ざってくることで、検索結果の1ページ目争いは激化するのは間違いない。
だけど、何か調べものしているときに動画でそれを知ろうと思うことなんて稀じゃない?
テキストだと全体を流し見て必要情報だけをピックアップして取得できるけど、それに対して動画は何分何秒にどんな情報が含まれているか再生してみないとわからない。
もちろんHowTo系だったら動画のほうが視覚的にわかりやすくて優位な場合もあるけど、ほとんどの場合において時間に対しての情報量効率で明らかにテキストには及ばないでしょ。
さらに、当たり前だけど動画って音声が出る。
音声はもちろんメリットも多いけど(わかりやすかったり流し聞きができたり)、音を出せない環境で閲覧している人にとってはかなり大きなデメリット。
動画に字幕付ければいいじゃんって思うかもだけど、それだとテキスト読めばいいじゃんになっちゃうので本末転倒だしね(笑)
あとツイッターやインスタでの検索だけど、コレはたしかに便利。自分も活用してる。
でもWeb検索と比べて完全に使用用途が違うんだよねー。
ツイッターはあくまで遠くにいる誰かの率直な意見を知るのに向いていて、たとえば電車の遅延状況や、イベントの込み具合や評判を知りたいときにはかなり有効。
でもコンテンツそもそもコンテンツが短文なので、詳細情報はツイッターだけでは得られない。
インスタは人気のあるスポットやお店、アイテムを探すときなんかに向いてる。
ただしあくまで写真を軸にした検索なので、視覚以外の情報は薄い。
うん、根本的にどれも検索できる情報の向き不向きが違うモノ。
だからツイッター検索やインスタ検索のせいでWeb検索が廃れるなんてことはないかなーと。現時点でWeb検索でしか調べられないもののほうが圧倒的に多いわけだし。第一、万が一Web検索が廃れる可能性があったとして、天下のGoogle神がそんな状況で黙っているわけないでしょうよ(笑)
そもそも検索結果からのアクセスが厳しいってことなら、検索結果からのアクセスだけで勝負する前提をなくせばいいだけの話。
集客の窓口はYouTube、各種SNSからだっていい。ジャンルによってはポータルサイトだって活用できるはず。
アクセス増やすために動線増やすってのはいまさらの話だもんね。
(これはイケダハヤト氏も言ってます。)
検索結果からユーザーがブログに流れてくることは減るという点。
これについては結論「減ったとしてもそんな気にするレベルじゃない」ってことで。
3.人は動画のような「情報量の多いコンテンツフォーマット」を好む。
これはのっけから完全否定で良いかな。
テキストと動画でどっちが優れているかなんてケースバイケースであって、ジャンルと求められている情報次第でしょー!
たとえばサメについて調べたいとき、生態などの詳細情報を調べたいときには図鑑型のテキストのほうが圧倒的に便利だし、実際にどんな動きで大海を泳ぎエサを捕食するのか知りたいときは動画のほうが圧倒的に便利。
またこれは前述したけど、全体をさらって要点のみをつまむことができるのはテキストにしかない大きな強みだし、動画には音声が出せないシチュエーションに適さないという大きな弱みがある。
そもそも「動画のような情報量の多いコンテンツフォーマット」というけど、求められている情報が人によって全く変わってくる以上、どっちが多いとか少ないとかの話ではないよね。
人は動画のような「情報量の多いコンテンツフォーマット」を好むという点。
これについては結論「それはない。キッパリ。」ってことで。
4.テキストを読む人は減っているし、今後も減っていくという点
若い世代ほど動画を好む傾向があるのは間違いないね。動画コンテンツは間違いなく発展していくしシェアをどんどん拡げていくと思う。
でもそのせいでテキストが廃れることはないかなー。
映画やドラマやアニメがどんなに人気を集めようと、小説や漫画がなくならないのと同じ。たとえ同じ作品であってもアニメ化されたから漫画が読まれなくなるなんてことはないよね?
さっきの3と重複した内容になっちゃうけど、テキストと動画でどちらが優れているというのはないし、畑がまったく違う別物。必ずどちらにも一定の需要はあり続ける。
まぁー、長い目で見ていくと若い世代が増えていって、そのぶん動画が好まれやすい雰囲気にはなっていくと思うけどね。
でもあくまで長い目で見てって話だし、テキスト需要はある一定ラインより下がることは絶対にない。
そもそも、おっさん世代もおじいさん世代もまだまだ長生きするので、死滅するのは相当先と思う(笑)
テキストを読む人は減っているし、今後も減っていくという点。
これについては結論「そんな心配するほどのペースでは減っていかないと思う」ってことで。
5.ブログは閲覧までのパスが遠い。コンテンツはプラットフォーム上で消費されるようになる。
んん?
そんな遠いかい?
「検索する」→「検索結果が表示される」→「検索結果に出てきたブログへジャンプ」の3ステップしかないけど・・・・
これはYouTubeやTwitterでも同じ。
運良くタイムラインやおすすめ欄に目当ての情報が表示されていれば2ステップで済むけど、検索しなきゃいけないことがほとんどのはずで、その場合はやはり3ステップ。
これをパスの短さで上回れるのは、Googleのナレッジグラフぐらい。
「検索する」→「検索結果とともにナレッジグラフが表示される」
でこちらは2ステップ。
ただし要約された最小限の情報しかないので、そこの情報で満足して帰るユーザー数ってそんなにいないはず。
「コンテンツはプラットフォーム上で消費される」ってのはわかるけど、パスの遠さという点でブログが他メディアより劣ってい気はしないかなー。
ブログは閲覧までのパスが遠い。コンテンツはプラットフォーム上で消費されるようになる。
これについては結論「ブログもほかのメディアとパス変わらなくない?」ってことで。
6.広告予算もブログ以外にシフトしていく。アフィリエイト予算を削って、動画広告に流れた広告主は実際いる。
動画広告の予算が上がっていくっていうのは確かにそうだね。動画広告が普及して注目が集まってきているので当面は右上がりは間違いないでしょ。
ただし「アフィリエイト予算を削って、動画広告に流れた広告主は実際いる。」という部分は、あまり根拠にはならないかな。
「動画広告はCVRが悪いから出稿を止めた」という逆パターンの広告主を自分は知っているので。
これもジャンルによってケースバイケースだとは思う。
動画広告のほうが向いている広告ジャンルもあれば、その逆もまたしかり。
また動画広告から得られるアフィ報酬については今後の動向次第だね。まだしばらくは上がり続けるだろうけど、これから動画コンテンツへの参入者がアホみたいに増えて供給過多に近づいたときに、同じ報酬水準が保たれているかはちょっと懸念事項。
個人的には何年かすると通常のWebサイトに表示される広告と同じ水準に収束するんじゃないかなぁと思ってる。
広告予算もブログ以外にシフトしていく。アフィリエイト予算を削って、動画広告に流れた広告主は実際いる。
これについては結論「そのとおり!いまは上がってる!あとはそれがいつまで続くか見極め要りそう!」ってことで。
まとめ
うん、個人的には「ブログはオワコンと呼ばれるほどではないかな」という感想。
もちろん動画コンテンツの進化はめざましいし、そのほかにもどんどん新しいコンテンツは出てくるから、今以上にブログが盛り上がることは考えにくいし、シェアは徐々に小さくなっていくかもしれない。
でも、個人で発信できるテキスト媒体としては必ず需要はあるし、一定の水準の需要は必ずあり続けると思う。
もしブログがなくなるときは、情報発信の手段がテレパシーになったときぐらいかな(笑)
ただしイケダハヤト氏が言うように、YouTubeコンテンツにくらべてブログのマネタイズは難しくなりつつある傾向だと思うので、単純に「稼ぐための手段」として考えているならオワコン扱いしてもいいのかもね。
ブログを「稼ぐための手段」として見るつもりがなく、ただの情報発信ツールとして使う分には「ブログはオワコン」とかの話は現時点で全く気にしなくてOKかなー。
要はブログを何目的で作るか次第。
お金稼ぎ目的なら動画系へ、それ以外ならブログでどーぞー。
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