先日、日本総研からこんなレポートが出てきました。
いまの新型コロナウイルスへの向き合い方をかなり詳細に書いてくれています。
「新型コロナ対策はデータに基づく総合判断を ~わが国の公表死亡率が大幅に低下する可能性~」
ぜひご自身の目で内容を読んで理解してもらいたいところですが、
時間のない方もいると思うので、要点だけわかりやすい言葉に言い換えて抜粋しますと、
新型コロナウイルスの実態はまだ完全につかめてないけど、発症してなくて検査もされてない隠れ感染者って日本中にものすごい数いるよね?なのに、死んだ人の数がこの程度ってことは、新型コロナウイルスって実はめちゃめちゃ致死率低いじゃん!
いまの日本の緊急事態宣言での活動制限は「感染力が低くて致死率は高いウイルス」に対して効果的なやり方。でも新型コロナウイルスが「感染力が高くて致死率は低いウイルス」なら、適切なやり方とは言えない。いまの「とにかく自粛!」ってやり方は変えていったほうがいいんじゃない?
2月からの緊急事態宣言による活動制限で、事業者も一般家庭も相当に苦しめられている。(新型コロナウイルスが感染力が高くて致死率は低いウイルスである可能性が高いのに)苦しいのをガマンしてくれというなら、ガマンしなきゃいけないその根拠をしっかりデータで出してくれ。
日本で隠れ感染者がどれぐらいいるのかちゃんと調査して、正しい感染率と致死率を出すべき。コロナ危険だ危険だって雰囲気的なやつで煽ってないで、病気としてのリスクと経済崩壊によるリスクをちゃんと両方見て、国は正しい対策してくれ。
って感じです。
自分もブログで前々から「コロナウイルス正しく恐れよう」と言ってましたが、
まさに、このレポートはそれそのままだと思います。
致死率100%の未知のウイルスなら、それにふさわしい対策が必要。
致死率10%の未知のウイルスなら、それにふさわしい対策が必要。
致死率1%の未知のウイルスなら、それにふさわしい対策が必要。
でも新型コロナウイルスが現れてからこの数か月、ウイルスについていろんなデータが集まってきました。
もちろんまだそのすべてが解明されたわけではありませんが、
とりあえず新型コロナウイルスってやつは現時点で「致死率は0.1%を遥かに下回ると予想される、ある程度感染力の強さや感染経路がわかってきた未知のウイルス」なんですよね。
じゃあさ、それにふさわしい対策をしていきましょうよ、と。
いい塩梅のね。
ほら、そこの毎日テレビで今日の感染者や致死者の数の増減だけ見て、
先月と比べて上がったわ、下がったわ、なんて一喜一憂してる奥様方!
その一喜一憂、もう無意味です。
仮に今日が感染者が100人増えた日だったとしても、先月や先々月の感染者が100人増えた日とは全く別物。
状況がまったく違っていて、感染者や致死者の数は大した指標になりません。
いまわかってることを、ちゃんと理解して総合して考えていきましょ。
未知だった新型コロナウイルスは、先月、先々月、先々々月に比べれば、ちっとも未知でなくなってきてるので。
まずウイルスの特徴はこんな感じ。
・10歳以下で重症者や致死者はゼロに近いレベルで少ない。
・ただし高齢者、とくに持病持ちの人にとっては重症化リスクが高い。
・感染しても発症しない人が大半で、無自覚感染者も多い。
・感染経路は飛沫感染や接触感染の可能性が濃厚。
・感染したらインフルエンザと同じように隔離が必要。
・アジア人のほうが重症化しにくい傾向あり。
・女性のほうが重症化しにくい傾向あり。
・非喫煙者のほうが重症化しにくい傾向あり。
それに対する日本の感染状況や医療的な対応はこんな感じ。
・日本は他国にくらべて早期に流行したにも関わらず、致死者数は500人程度とかなり低く抑えられている。手洗い文化、土足でない文化、遺伝子的優位など、要因はまだ推測段階。
・全国的に致死者数や実行再生産数は低くなってきており収束傾向にある。
・検査数が少ないため隠れ感染者は相当な数が見込まれる。
サンプルが少ないが、データでは4月中旬時点で国民の数%はすでに感染してることが読み取れる。・ワクチンや治療薬はまだ。アビガンみたいに効果があるかもしれない治療薬がいくつか試されている
・医療従事者はまだフル回転状態で心身共に疲弊が激しいらしい。
・病床数は十分に余裕があるとは言えないが、危険水域というラインではないらしい。
で、経済的な問題と懸念はこんな感じ。
・ほとんどの業種の事業者が強制的と言える自粛を強いられて大打撃を受けている。とくにインバウンド系が全滅で、海外客は当分回復の見通しなし。
・コロナ助成金は決して十分でなく、事業者として存命の足しになるかどうかは厳しいレベル。
・コロナ倒産の報告は現時点で120件以上。廃業は街の様子を見るだけでもその数倍~数十倍はあると思われる。
・いま経営を再開すると、世間にはバッシングを浴びせる同調圧力がある。
・イベントや飲食系の従事者は完全失業状態で収入ゼロの人も多数。
・すでに生活に行き詰まっている者も多い。自殺者あり、犯罪に走って逮捕された者あり。自殺者、犯罪に走る者はこれからどんどん増えていく可能性高し。
これらはあくまで5月8日時点でのアレなので、状況はこれからまだまだ変わっていくと思いますが。
世の中の流れが「経済も殺してはいけない」になりつつありますし、
これから自粛緩和や国民の気の緩みで感染者や致死者数のぶり返しはたぶんくるでしょう。
それでも騒動は収束に向かうだろうってのが自然な見方と言えるでしょうね。
これはド素人のワタシの勝手な個人的予測に過ぎませんが、冒頭のレポート内のこの記述。
神戸市立医療センター中央市民病院が4月上旬に患者 1,000 人を対象に行った抗体検査では、 2.7%で抗体を検出したという 。抗体があるということは、新型コロナに感染して免疫を獲得したことを意味する。(中略)東京都の久住英二医師が4月下旬に希望者 200人を対象に行った抗体検査では、一般市民の 4.8%、 医療従事者の 9.1%に抗体が検出された(全体では 5.9%)。(中略)慶応大学病院が4月中旬に患者 67 人を対象に行った抗体検査でも、6%に陽性反応が確認された。
これはいま感染しているかを調べるPCR検査ではなく、すでに感染したことがあるかを調べる抗体検査の結果。
サンプル数が少ない&完全無作為抽出でないこともあって鵜呑みにはできませんが、もしこの数字どおりであれば、4月中旬時点において5%前後の人が知らず知らずのうちに一度感染してるってことになります。
5%って、日本全国であれば約600万人ですよ。
4月中旬時点でこれなので、5月も中旬にさしかかった今日ではどうでしょうね?
600万人どころでないとんでもない数の人が、すでにどこかで感染して、さらに知らずのうちに抗体持ちになっていることになります。
サンプルデータが少なく、あまりにも大雑把な算数なのでアレですが、とりあえずはどっかのおっさんが言ってた日本死者42万人とかいうアホみたいな提唱どおりにならないのは確実でしょうね。
専門家を名乗る人間でもおかしな判断がある、でもその誤りを見抜けるかどうかは多角的に情報収集しているかどうか。
そのいい例だと思いますわコレ。
感染は拡大させちゃいけない。
でも、敵を正しく知って、正しい恐れ方を。
状況は常に変わっていて常に最善の生き方も変わっています。
どれが今日の最善なのか、アンテナ張って判断できるようにしましょーねー。
したらな!
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