chatGPTで世の中の革新をまじまじと感じた
去年の年末にリリースされて界隈では何かと話題になっていた『chatGPT』。
何がどこまでできるもんなのか興味があったので、ちょっと触ってみた。
『chatGPT』、早い話がsiriやアレクサ、Google音声ガイド(愛称ないんだねコレ)に似たようなAIチャットボット。
何か質問をしたときに、AIがそれを解析して人間のように回答してくれるってやつね。
『chatGPT』はまぁ、それの超絶進化版と考えてくれればOK。
たとえば、何かシンプルに質問してみる。
「演劇とは何ですか」というこちらからの問いに対して、
「演劇とは、舞台上で演じられる演劇作品のことです。演劇は、脚本に基づいて、俳優たちが役柄を演じ、観客に対して演じることによって成り立っています。演劇は長い歴史を持ち、様々な文化によって創られてきました。」という回答。
演劇とは何か、定義的な部分からしっかりと説明をしてくれています。
これぐらいのレべルであれば、いままでのチャットボットAIでもやってれた感があるけどね。
でもね、chatGPTの凄さの神髄はここから。
chatGPTの凄さ、それは提案やアイデア出しをしてくれるところなのです。
「演技が上手くなる方法を教えてください」という問いに対して、
「演技を上手くするためには、様々な方法があります。以下に、一般的に有効な方法をいくつか紹介します。
1. 脚本を読み込む: 脚本を読み込むことで、役柄の感情や思考を理解し、それを自分自身に落とし込むことができます。
2. 演技の練習: 演技の練習を重ねることで、自分自身を演じる能力を高めることができます。
3. 感情の表現: 感情を正確に表現することが重要です。感情を理解し、自分自身に落とし込むことで、信ぴょう性のある演技をすることができます。
4. 身体表現: 身体表現も重要です。身体を使って、役柄の感情や思考を表現することができます。
5. 演劇のクラスやワークショップに参加: 演劇のクラスやワークショップに参加することで、専門家から指導を受けることができ、演技を磨くことができます。
演技能力は、継続的な練習と試行錯誤を経て上達することができます。自分自身を挑戦し続けることが大切です。」
という回答。
回答自体は当たり前すぎる内容で「そんなことはもう分かってるよ!」みたいな感はあるけど、それは逆に言えば、ちゃんとした一般的な回答になってるってことだよね。
コンピューターってひと昔前までは数学みたいな0か1が決まっていることにしか回答できない印象があったけど、こういう国語的な、答えが複数あるであろう問いかけにもしっかりと的を射た回答を返してくれる。
これってすごい進化だよねぇ。
さらにchatGPTは、前後を踏まえた会話的な質問にもちゃんと答えてくれる。
「さっきの質問の1の項目について、もっと詳しく教えてください」と入れると、
回答は、
「1. 脚本を読み込む: 脚本を読み込むことは、演劇において重要なステップの1つです。脚本を読むことで、役柄の感情や思考を理解することができます。また、役柄の物語や関係性も理解することができます。
脚本を読む時には、自分自身が役柄になったらどう感じるか、どのような行動をするかを想像しながら読むことが有効です。また、役柄のセリフを口に出して読むことで、役柄の言葉を自分自身に落とし込むこともできます。
脚本を読み終えた後には、自分自身が役柄になったらどう感じるか、どのような行動をするかを書き出し、役柄についての深い理解を深めることができます。
脚本を読み込むことで、役柄の感情や思考を理解し、それを自分自身に落とし込むことができるため、信頼性のある演技をすることができるようになります。」
と、ちゃんと会話の流れを汲んだ答えを返してくれます。
質問とそれに対する回答をドンドン掘り下げることも可能なワケですね。
これは今までのチャットボットやGoogle検索では実現できていなかったこと。
半永久的に会話のようにやりとりできちゃいますな。
ちなみにこんな質問にもしっかりと回答していくれる。
なんか選出された5人の知名度依存が高くてややミーハーな気もするけど(笑)
でも理由もちゃんと添えてくれるのは嬉しい。
あと全ての演劇人の永遠の命題ともいえる質問をしてみた。
「学んで経験積んで情報収集すれば、いずれ食えるようになる」的な、なんか実現性も具体性もない答えが返ってきたけども。
みんなそれやってきて喰えてないんだってば(苦笑)
こういう質問は、もしかしたら来年や再来年などに同じ質問をしたときにはクラファンやプロセスエコノミーなんて単語が入ってくるようになるのかもね。
そのときの世界に合った価値観と手法でアイデアを提出してくれるはず。
chatGPTは演劇でも活用できるのか?
chatGPTみたいな革新的な技術が出てきたときに、演劇人としてやっぱり考えておきたいのは「chatGPTは演劇でも活用できるのか?」という部分。
もちろん伝統的な文化として守りたい一線はある一方で、他のいろんなビジネスでいろんな技術革新が起きているのに演劇だけそういうのを取り入れないってのは、それって間違いだと思うんだよね。
こういったAIを使ってきっと演劇でも何か面白いことができるはず。
なんだろう、何ができるかな・・・
うーん、
それもAIに聞いてみよう(笑)
まずは前提として、近年の技術で演劇に活かせる新しい試みのアイデアを聞いてみたところ、
1.VR/AR技術を使った演劇。 VR/AR技術を使って、観客が臨場感あふれる体験をすることができます。
2.インタラクティブな演劇。 観客が自分自身を主人公に見立て、物語を体験することができる演劇。
3.ライブストリーミング。 インターネットを使って、遠隔地からも演劇を観ることができます。
4.オンデマンド演劇。 オンデマンド配信を使って、演劇をいつでも観ることができます。
といった回答が返ってきた。
2の対話型の演劇や、3の配信、4のアーカイブ化といった手法はすでに認知されていて、いろんなところで実際にやってるね。
1は一発イベント的で開催することは可能かもだけど、日常化するにはメタバースとかが今の10倍ぐらいは一般的に浸透化しないと無理かも。
じゃあ、この質問をAIやchatGPTで何かできないかというものに変えてみる。
1.台詞やシナリオの自動生成。 AIを使って、台詞やシナリオを自動生成することで、演劇のクリエイティブな部分をサポートすることができます。
2.キャラクターの人工知能。 AIを使って、キャラクターに人工知能を持たせ、自然な会話や行動をすることができます。
3.演劇中にAIによるリアクション。 演劇中にAIを使って、観客のリアクションを検知し、それに合わせて演劇を変化させることができます。
4.マルチメディアを使った演劇。 AIを使って、映像や音楽などのマルチメディアを使って、より臨場感あふれる演劇を表現することができます。
うーん、なるほど。
1のように、AIを台本のアイデア出しに使うのが一番ベターな活用方法だね。
2と3は、AIをキャストにしちゃう手法と、AIに物語を展開を決める舵取り役を委ねる手法で、これはやり方次第だけどインプロとかと相性が良さそうな感じ。
4はちょっとアイデアが漠然としてるかなぁ。
1のシナリオ自動生成はいますぐ実践できそうなので、とりあえず試してみる。
ある程度のお題とジャンルを指定してみよう。
「生卵」と「賢いけどドジな猿」でコメディって条件入れてみようかな。
おさるのジョージみたいな愉快なエピソードの話が出てくるかも・・・
なんか地球の命運を賭けた壮大なSFが出てきた(´・ω・`)
想像とだいぶ違ったけど、これはこれで斬新。
だって世界に唯一の生卵が研究所で踊ってるとか、それがお猿とともに宇宙船で旅立つとか、そういう発想ある?
俺は1年間脚本練り続けてもその発想にはたどり着かない自信がある(笑)
この”Eggcellent Adventure”が良作かどうかその是非はおいておいて、とりあえずアイデア出しとしてはめちゃくちゃ活用できるよね。
質問して30秒あればこういった回答が返ってくるので、たぶん1時間ぐらいいろんなワードを使って質問しまくれば、何かしら名作になりえるあらすじやプロットが手に入る可能性はあるんではなかろうか。
ネタに枯渇してる脚本家にとってはかなりのお助けアイテムになりそう。
ちなみにこのchatGPT、いまある無料版では短い文章しか出力できないけど、一部で月額42ドルで解放されてる有料版だとどうやら長文で出力も可能の模様。
数十ページに至る脚本そのものを、あっという間に出力できる未来はそう遠くないかもねー。
なんかいろいろと面白いことが始まりそうなAI時代の到来。
もちろん、AIではないナマの人間が作ってナンボのものは世の中にはたくさんあって、演劇もそういった要素の割合が非常に高いジャンルだと思う。
でも、これは機械に委ねていいじゃん的な部分も間違いなく多くあるはず。
ただでさえ新しい技術や考え方が入って来づらい演劇界だけに、こういった新しい技術には敏感であってほしいし、自分も敏感でいたいなぁと思う。
したらな!
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