観ました、動画配信で。
緑慎一郎率いる演劇プロデュース『螺旋階段』の公演『カントリー・カントリー』
今回はライブ配信ではなくアーカイブ配信だったんだけど、
なかなか2時間腰を据えて観れる時間が捻出できず、配信開始から1週間以上経ってようやく視聴。
「動画配信だったらちょっと寝る時間削ればいつでも見れるだろー」なんてタカをくくっていたら、
普段の仕事に加えて、まゆげガールのホームページ制作の最終修正やら、
咳き込んで夜泣きボーイと化していた我が子の世話やらが立て込んでしまい、
ちょっとした時間の捻出すら困難に。
結局は配信終了前に駆け込み視聴って感じになっちゃった。
時間なんていつでも作れる、って思想はホント危険ですな。
今日できることは今日片づけるクセをつけとこーと思う、
毎年のことだけど。
ほい、この『カントリー・カントリー』。
以前共演した大島寛史、木村衣織、須藤晃も出ており、
身内目線も入りながらも楽しい作品でございました。
田舎にある飲食店内で繰り広げられるワンシチュエーションもので、
前半はシュールで笑える会話劇が中心。
後半はそれぞれの登場人物の隠し事などが徐々に発覚していくダーク展開って感じ。
「田舎には都会とは違う田舎のルールがある」
というキャッチのとおり、劇中では田舎コミュ二ティならではの独自の付き合い方や空気感が肝になっていた。
自分も福井県の田舎生まれで。
人口数千人で信号機が片手ぐらいしかないようなところに住んでいたので、
田舎を語る作品中のセリフには共感できる部分が多々あったなぁ。
なんだろうね、あの田舎特有のやつ。特に世間体に対しての姿勢は、いまでも何なんだろうなって思う。
「あそこの子はどこの学校に入った」
「あそこの子はどこに就職した」
「あそこの子は嫁をもらった」
そういう芸能ゴシップみたいな情報が町ぐるみでお互いに知られていて、
「あそこの子は受験に失敗した」
「あそこの子は就職に失敗した」
「あそこの子は離婚した」
といった負の情報もあっというまに知られてしまう。
なんていうか、常に縛られて監視されているみたいな感覚。
田舎に住んでいると「いま持っている評判を落とさないように生きる」ってのが結構比重の高いことなのかもしれない。
田舎には田舎の良いところがあるけど、そういった居心地を悪くする慣習は変わっていってほしいなぁ。
ちなみに今回の『カントリー・カントリー』の劇中でも過去の犯罪行為がひとつのキーなわけだけど、
実は亡きうちの祖父って、若い頃にちょっとやらかしたことがあったらしくて。
内容は具体的に知らないけど、どうやら勤務先で窃盗だか横領だかをやっちゃったとか。
それが表に発覚して以来、祖母は長い間その負い目に苦しんだみたい。
祖父が亡くなって数年後にちょっとした愚痴のような感じで祖母の口から聞かされた。
(いまさらそんな話を聞かされて孫の自分はどんな気持ちになればいいのだと困惑した記憶があるけど)
自分はその話はそのときが初耳だったし、近隣の人達から後ろ指刺された自覚もない。
でも、もしかしたらどこかの誰かには「盗みを働いた家の孫」みたいに見られていたのかもしれないね。
当事者なんてもう全員亡くなってるだろうから、いまさらの話ではあるけど。
そんなことを感じた2時間でございました。
公演動画配信は12月30日(水)24時までやってる模様。
ご興味あればぜひー。
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