【サメ】ラブカの生態

【サメ】ラブカの生態

ラブカ

画像引用元:Alien Sharks: The Frilled Shark

 

ラブカッ!!

 

 

はい、演劇人がなぜかサメの生態を語る、謎のシリーズ。

前回はサメ業界で知名度ナンバーワンのホホジロザメの紹介でしたが、今回は逆にマニアックな路線へ。

一般的なサメのイメージとはえらいかけ離れたビジュアルを持つ深海ザメでございます。

 

ラブカさんのご登場ー。

さぁ、今回もはりきってどうぞ!

 

 

 

1.ラブカとは

ラブカ(フリルドシャーク)

画像引用元:Alien Sharks: The Frilled Shark

 

ラブカは、カグラザメ目ラブカ科に属するサメです。 アフリカ近辺に住む種とそれ以外の種が確認されていて、現状で存在するラブカはこの2種とされています。

深海性のサメで個体数も非常に少ないために、いまだにその生態がはっきりと解明されていないラブカ。サメマニアにとっては、メガマウスザメ、ミツクリザメと並ぶ魅力的なサメです。

 

えらのまわりにフリルが付いているように見えることが特徴的なところから、英名ではfrilled Shark(フリルド・シャーク)と呼ばれています。

和名の「ラブカ」ってのはどういう由来なんでしょうね?「フカ=サメ」としても、「ラ」はいったい?

調べてみると体表が滑らかなことから羅紗の「ラ」を取っているという説もあるようですが、ラブカから羅紗って個人的にはあんまり連想できないような気がします。明らかにもっとピックアップできる個性的な特徴あるような気が(笑)

 

ラブカの生態

画像引用元:Frilled Shark – Animal of the Week

 

2.ラブカの身体的特徴

ラブカのサイズ感

画像引用元:Frilled Shark

 

まるでウミヘビやウツボのような細長い体は、全長1.2~2.0m程度。メスのほうがやや大きな個体に成長するようです。Web上でもいろんなところで大きさについて言及がされていますが、2mが最大ラインと判断してほぼ間違いなさそうです。いくら未知の深海といえど、規格外サイズの巨大ラブカってのは可能性が低そうです。

 

ラブカのビジュアル的な特徴

ラブカは他のサメに比べて非常に独特な見た目をしているので、識別に困ることはありません。

・黒褐色~茶褐色の細長い体
・やや丸く平たい東部
・青くくすんだビー玉のような大きな目
・長く伸びた1基の尾びれと背びれ
・ウナギのような丸い胸びれ
・6本のエラと、そこについたピンクのフリル上の膜のようなもの。
・フクロウナギのように大きく拡げることができる顎
・トゲがいくつも連なったような歯

見れば見るほど一般的なサメのイメージとはかけはなれていますね。このような特徴が3万5千年前に生きていたクラドセラケという古代ザメに似ているため、ラブカは姿をほとんど変えずに生き残ってきた「生きた化石」だと言われています。

 

ラブカのえら

サメのほとんどはえらの数は5本になりますが、原始的なサメや深海に住むサメには例外になる種が多く存在します。このラブカもその種のひとつで、えらえらの数は6本になります。そのうち1本はアゴの近くまで及んでいて襟のように広がることがわかっています。

またフリルのような薄い膜がくっついているため、えらがピンク色に見えて目を引きます。このフリルが何のためについているかはまだ確かな結論が出されていません。餌を狙うときに疑似餌として使うのか、天敵への威嚇に使うのか、交尾の際にビジュアル的なアピールに使うのか、可能性はいろいろありえますが、生物学者さん達の検証を待ちたいところです。

ラブカのエラ

画像引用元:Living fossil” frilled shark dies in captivity

 

ラブカの顎と歯

ラブカの歯

画像引用元:Alien Sharks: The Frilled Shark

 

ラブカは常時口を開けたまま泳いでいるようです。大きく裂けたその口はマリトッツオのクリーム抜きぐらいのレベルです(笑)

同じ深海生物であるフクロウナギがまるで顎が外れたかというぐらいに大きく口を開けて獲物を飲み込むのが有名ですが、ラブカも同様のことができて自分の体長の半分近い獲物を丸呑みにすることができるそうです。元々がモンスターチックなビジュアルなだけに、海中でそんな大口開けてる姿にいきなり遭遇したら泡吹きそうです(笑)

ラブカは歯の形状も非常に独特。まるで三又矛のような3本の突起が出た歯が、きれいな配列で並んでいます。この歯の形状は、イカなどの柔らかい生き物を捕らえる際に役立ちます。逆立った細かいトゲの羅列が相手の体に食い込んで簡単には外れなくなるためです。

 

ラブカの顎と歯

画像引用元:Frilled Shark – Animal of the Week

 

3.ラブカの生態

ラブカの生息域

まず生息域ですが、発見例が少ないわりには世界中のいろんな場所で広く発見されています。なので特定海域にしかいない希少種というわけではないようです。

普段は深度120~1000m程度の海洋資源が豊富なエリアに住んでいて、夜間の摂餌の際に表層近くの浅い海まで上がってくると考えられています。また理由はわかりませんが、日本近海に住むラブカは日常的に浅い深度(100~200m)を好むようです。そのため漁業網にかかることも多く、日本での発見例も多くなるのだとか。日本テレビの『鉄腕DASH』でも、番組内で城島リーダーが東京湾の深度500mのポイントでラブカの捕獲に成功しています。

 

ラブカの主食

ラブカ

画像引用元:Living fossil” frilled shark dies in captivity

 

主な主食はイカなどの頭足類で、胃袋の中からは未消化のイカの歯がよく見つかるそうです。ほかに硬骨魚や軟骨魚も食べることがわかっています。ラブカの顎はヘビのように大きく開くため、多少大きな獲物でも噛みちぎらずに飲み込んで食べてしまいます。体内から姿かたちがそのまま残った小型のサメが見つかった例も。

ただ、ラブカはゆっくりと緩慢に泳ぐ姿しか観察されていません。イカやサメのような高速で泳げる獲物をどうやって捕獲しているのかは謎です。瞬間的な遊泳速度が速いのか、もしくはラブカ独自の狩りの方法があるのか、詳しいところはまだわかっていません。

また、捕獲したラブカの胃袋を開けてもそのほとんどが空っぽなんだそうです。それだけ消化力が強いのだろうという推測もありますが、獲物を丸呑みする特性を考えると長時間残留物があってもいい気がします。高頻度で食事をしなくても生きていける体なのか、大きな口から未消化の不要物を吐き出したりするのか、解明が待たれるところです。

 

ラブカの天敵

逆に天敵となるのは大型のサメのようです。襲撃されているところが観察されたわけではありませんが、水揚げされるラブカの体やひれには、サメと思われる襲撃跡が残っていることが多くあります(交尾の際に咬み合って付いた傷の可能性も捨てきれませんが)。サメだけでなくダイオウイカのような大型のイカが相手でもおそらくラブカには勝ち目はなさそうですね。

 

ラブカの繁殖

ラブカは繁殖期は特に決まっていないと考えられています。発情期などはなく、繁殖できるときがあれば繁殖する。人間と一緒ですね(笑)

ラブカは立派な魚の仲間ですが、卵を外部に産みつけるようなことはしません。卵胎生であるラブカは体内で卵を孵化させて稚魚を産み、それが成熟してから体外に2~15尾ほど放出します。稚魚が体外に出てくるときにはなんとその大きさは60cm。ラブカの稚魚は1年で15cm程度しか成長しないデータがあるため、そこから考えると、なんと3~4年もの長い間子供は親の体内で過ごすことになります。なんと長い妊娠期間でしょうか。

 

東海大学海洋科学博物館で観察されたラブカの卵殻内胎仔
↑東海大学海洋科学博物館で観察されたラブカの卵殻内胎仔
画像引用元:「生きている化石」ラブカ 妊娠期間は3年半

 

4.国内のラブカの標本展示

ラブカは深海性のサメであるため、通常の水槽の中では飼育できません。そのため日本だけでなく世界を見渡しても生きているラブカを観察できる水族館は存在しません。(まれに捕獲されたラブカが一時的に展示されるときもあるが、数日で死んでしまう)

液浸による標本を展示している場所はいくつかあります。代表的なのは東海大学海洋科学博物館。ここでは30年ほど前から200体以上のラブカを研究しており、標本展示以外にも、ラブカに関する情報は日本国内でも随一だと言えます。

ラブカの標本
↑東海大学海洋科学博物館で展示されているラブカの標本と生態の解説図
画像引用元:東海大学海洋科学博物館

 

ほかには神奈川県の京急油壷マリンパークでもラブカの液漬標本が展示されていましたが、残念ながらこちらは施設自体がすでに閉館してしまいました。いまは観音崎自然博物館にその標本は譲渡され、そちらで展示が続けられているとのことです。

 

あと、神戸にある立須磨海浜水族園。ここでもラブカの液漬標本が展示されています。

 

ラブカ標本
↑神戸市立須磨海浜水族園3Fで展示されているラブカの標本
画像引用元:須磨海浜水族園

 

もし生きている姿を自分の目で見たい場合は、日頃からニュースをチェックして、ラブカの捕獲情報にアンテナを立てておく以外に方法はありません。もし生きたまま捕獲された場合は近隣の水族館に展示される可能性があります。しかし現状ではラブカを常時飼育する方法は確立されていませんので数日で死んでしまいます。そうなってしまう前に足を運ぶしかないでしょう。

 

5.国内のラブカに関するニュース

2017年4月 TV番組『ザ!鉄腕!DASH!!』でラブカ捕獲

TOKIOの城島茂さんと山口達也さん(現TOKIO脱退)が「ザ!鉄腕!DASH!!」の番組内にてラブカの捕獲に成功しました(捕獲した収録日は4月、番組放送日は5月14日)。東京湾の入り口にある東京海底谷の深さ500メートルあたりのポイントにて。幻と言われる未知の深海ザメをタレントが捕獲したということで大変話題になりました。捕獲されたラブカはしばらく水槽で観察されたあと、海に放たれました。

2019年3月 TV番組『鉄腕DASH』で再びラブカ捕獲

再びTOKIOの城島茂さんが「ザ!鉄腕!DASH!!」の番組内でラブカ捕獲に成功。捕獲ポイントは前回と同じく東京海底谷。同時にコツノキンセンモドキという希少な深海ガニも発見しており(しかも東京湾では初)、同行していた桝アナウンサーも大はしゃぎでした。

2020年 串本海中公園水族館で1日のみの生体展示

2020年1月16日に和歌山県熊野灘で捕獲されたラブカが 串本海中公園水族館に生体展示されましたが、残念ながら1日持たずに亡くなってしまいました。

生存中の写真をフラッシュありで撮影したことが死因ではないかと取材を行っていた朝日新聞に非難が集まりましたが、水族館側は数日中に死んでしまうことは覚悟していたので記録にしっかり残すことを優先しフラッシュ撮影を許可したと説明しています。

この水族館側の説明に対しても「すぐ死んでしまうと分かっていて展示したのか!」と声を荒げる人もいたそうですが、これに対しても水族館側は水揚げされた時点で本来の適正深度に戻すことは困難で研究の意義と人々に見てもらうことを優先した旨を回答しています。

個人的には水族館の判断で正しいと思います。仮に「死期を早めてしまうかもしれない展示」をNGだとすれば、そもそも全ての水族館や動物園の存在否定になっちゃいますしね。個体が亡くなってしまうことは悲しいですが、研究の糧として今後の生体保護や種の保存につなげていければと思います。

 

6.ラブカが登場する映画作品

えーと、私が知る限りではラブカが登場する映画はいまのところありません。世の中には数多のクソB級サメ映画が溢れていますが、ラブカ、もしくはラブカ由来のサメがモンスターになっている作品は聞いたことがありません。

ただし邦画『シン・ゴジラ』に出てくるゴジラの第二形態(通称蒲田くん)のデザインはラブカを参考にしているそうで。確かに顔つきからフリル的なヒレの形まで、どこをどう見てもラブカを意識しているであろうデザインがされていますね。

 

7.生きているラブカの映像

2013年捕獲されたばかりのラブカの映像:

 

2017年沼津港深海水族館で撮影されたラブカ:

 

ディスカバリーチャンネルより 深海を泳ぐラブカの映像:

 

8.ラブカまとめ

とりあえず自分が知っている知識と、Webなどで調べた情報を羅列しました。さすがにホホジロザメと比べるとそもそもの情報量が圧倒的に少なくてちょっとアレでしたが。

自分がいろんなところから仕入れた情報を自分の物差しで判断して書いてるので、ここに書いている内容が100%真実とは限りません(できるだけ信憑性が高い情報を選んでいるつもりではありますが)。そのあたりは温かい目でご容赦を。。。

 

さーて、次はどのサメいこうかな。

したらな!

ビバ☆ラブカ。

 


参考Web:
Wikipedia ラブカ
日本経済新聞:ラブカ深海生物「ラブカ」 生態解明に挑む
日経電子版:「生きている化石」ラブカ 妊娠期間は3年半
東海大学海洋科学博物館×アクアマリンふくしま ラブカ研究プロジェクト

参考書籍:
ほぼ命がけサメ図鑑
サメガイドブック
世界サメ図鑑

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