中山ヤスカ30th企画公演『三十路のいっぽめ』
中山ヤスカ30th企画公演『三十路のいっぽめ』。
リモートでアーカイブ配信期限ギリギリに滑り込みで観ました。
こんな期限間際に観るつもりではなかったんだけど、なかなか落ち着いて2時間取れるタイミングがなく(汗)
まぁ、忙しいのは望むところなんだけどさ。
あー!1日80時間ぐらいほしい!(いつも同じこと言ってる)
ほい、『三十路のいっぽめ』。
これまで何回か共演している中山ヤスカの企画公演。
自身の30歳の誕生日を記念した1日限りの公演で、
20分4本立てのオムニバスにも拘わらず、マチソワで演目が全て違うという(汗)
アグレッシブっぷり半端ねぇ!
自分は夜の回を鑑賞。
演目は
『イントロダクション』
『人魚嬢』
『胡蝶之夢』
『三十路のいっぽめ』
の計4本。
1本目の『イントロダクション』は盟友・緑慎一郎作品。
デスメタルゴシックバンドの路線を走るアイドルと、マネージャーが本番直前の楽屋で繰り広げるお話。
過去に劇王にも出したことがある作品で、そちらは俺も稽古場に見学に行ったこともあったりして。
佐藤みつよは前作も今作もアイドル役で同じだけど、
今回中山が演じていたマネージャー役は、以前は長身大柄の強面男優が演じていたということもあって、中山とは全く正反対のキャラクター。
演じ手が変わると作品のテイストもガラっと変わるのはホント演劇の面白いところだなぁと再確認。
大島寛史演じるトラウマ幻の親父も、以前演じていた緑慎一郎とは違った路線で良いキモチワルサが出てた(笑)
2本目は『人魚嬢』。
中山演じる若い内気な青年が自殺を考えた日にデリヘル嬢を呼び、その温もりに恋をしてしまう話。
デリヘル嬢役は男性が演じていたので、実際の性と逆転させての演技になる。
男性が風俗嬢を演じるとどうしてもニューハーフ系のキャラクターに見えてしまいがちって先入観があったんだけど、そこには驚くほど艶やかさとエロスがあった。
これ、青年役とデリヘル嬢役の演じ手が
・男×女
・女×男(本作はこれ)
・男×男
・女×女
ってなるだけで、全然変わってくるよね。
それぞれ違った成立の仕方をしそうで面白そう。
3本目は『胡蝶之夢』。
凄腕の人形師の元に、亡くなった自分の娘の遺体を使って人形を作ってほしいという依頼が来る。
自身が完成させた人形に愛情を持ってしまった人形師は、依頼主を殺してしまえばそれが自分だけの物になると考え・・・、的な話。
藤丸さんの作品はasif時代に2本観てるけど、彼得意の心をえぐるダークテイストな作品。
自分の娘の遺体で人形を作る依頼主もその時点で狂気だし、
その依頼を引き受け、人形を女性として愛し、それを自分の物にしてしまおうと考える人形師も狂気。
中山は人形役(つまり遺体役)だったけど、己の誕生日に何て役をやるんだ(苦笑)
4本目は公演名を冠したメイン作品ともいえる『三十路のいっぽめ』。
Twitterで女性陣が集団で花嫁姿で笑っている劇中写真を見かけて、一番気になっていた作品で。
30歳の5人の花嫁が「何か」のスタートラインに立たされて「何か」のレースを疾走する話。
脚本や演出手法にちょっとIQ5000と通じるものがあって親近感あった。
同じ30歳の花嫁といっても、みんな歩んできた人生も違うし、恋愛観も、結婚観も違う。
これから始まる結婚生活への期待の大きささえも同じではない。
結婚に限らず、人生のいろんなターニングポイントに立っている人を応援するような、そんな内容だった。
途中、どこまで役と演者本人の人生をリンクさせているのか判断に迷って。
中山ヤスカが役通りに本当に妊娠してて、本当に役者辞めるんじゃなかろうか、
カーテンコールで「大事なお知らせがあります!」みたいなのが始まらないか、ちょっとドキドキしたわ(笑)
そんなことはなかったので安心した(安心で合ってるか?)
3年前から企画していたという今回の公演、
本当におつかれさまでした。
四十路でもやる的なことを言っていたので、10年後も楽しみに待つことにしよう(笑)
できれば配信じゃなくて生で劇場で観たいね。
あ、本作は配信アーカイブはすでに終了してるけど、どうやらDVD化を検討していて後々一般販売でも買えるそうな。
まだちょっと先にはなるだろうけど、彼女の誕生日、盛大に祝ってあげてくださいな。
面白い作品達だったよ!
したらな!
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