こんなときだからこそフラットであれ
橋下氏“「ぼくのところには90万円くるんです。おかしいじゃないですか」と夫婦と子供7人の橋下家の状況も説明。”
勝手に全部自分のものだと考える父親がいるから世帯主への給付じゃなくて個人にしないとダメなんですよ、という完璧な見本になっている。世帯主給付をやめろ https://t.co/h4yLzbp0Lr
— 布マスク要らんLLAMA! (@bharibharibhari) April 26, 2020
今朝見かけたツイート。
ツイート内容は見てのとおりで、
橋下徹氏が世帯に給付される90万を自分が独占する旨を話しているとして、
それに対してのバッシングがされています。
このツイートだけ見れば「橋下の野郎、そんなこと言ってるのか!けしからん!」と思ってしまいそう。
実際、このツイートへのリプライを見ると大半が橋下氏をサイテーな人間だと罵倒しています。
頭おかしいだとか、消えてくれとか、すごい言われよう。。。
でもね、
橋下さんの発言の全容をちゃんと見てみましょ。
橋下氏「ぼくのところに90万円、おかしい」 10万円給付の新ルール提案
元大阪府知事の橋下徹氏(50)が26日、「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。新型コロナウイルス感染拡大を受けた国民への一律10万円給付について、改めて持論を語った。
番組では、最初にアルバイトや親の収入減少によって大学生の13人に1人が大学を辞めることを検討しているというデータを紹介。橋下氏は「日本の政治のだらしなさの象徴ですよ。こういうことを想像できなかったのかな」と指摘。「“国民が一致団結を”とか、“国民を分断するな”とか、こういうきれいごとのフレーズに日本の政治が腰砕けになった。その結果が、大学生が大学に通えなくなってくる。こういう事態を招いた」と政府を批判した。
国民への一律10万円給付について、もともとは生活に困窮している人への30万円給付が「要件があまりに複雑で。スピード感が欠けるということで、まず一律で全国民に申請書を配るということになった」と説明。生活困窮者への支援が目的だとし、「給料が減らない公務員。政治家、僕のように今日も仕事をしている人」は辞退すべきだと持論を展開した。橋本氏は妻と7人の子供がいることから、「僕のところには90万円くるんですよ。おかしいじゃないですか?」と疑問を投げかけ、地方議員を中心に10万円は受け取って地元で使うべきという意見が盛り上がっていることについては、「僕は90万円全部地元で使いますけど、こんなのおかしいですよ。こんなお金の使い方」と語った。
給付金を受け取って寄付やふるさと納税に回すこともできるという話には、国庫に戻すより自分たちで使い道を決めるという流れは国民が政府に対して不信感を抱いているからだと指摘。「余ったお金は生活に困った人に2度目3度目の給付をやるから、もし(給付申請を)控えられる人は控えてくださいねっていうことを政治がルール化するべき」とし、「個人の選択に委ねるっていうのは今のこの状況じゃ(普通では)ないですよ。メリハリがついていない。優先順位がついていないですよね」と持論を展開した。
引用元:Yahooニュース
ってなってまして。
はい、それではここで問題です。
この記事から読み取れるものとして、次の中から正しいものを1つ選びなさい。
1.橋下氏は家族全員のために支給された給付金を独り占めしようとしている悪い男だ。
2.橋下氏は収入が減っていない自分の家庭に対して90万も支給されることがおかしいと怒っている。
3.橋下氏は甘党だ。
4.橋下氏はメガネをかけているほうがイケメンだ。
・・どう考えてもさ、
正解は2でしょ?
橋下さんの発言は「自粛の影響を受けずにちゃんと仕事ができてちゃんと給料が出ている僕のところに90万も支給されるのは変だ」ってことが趣旨であって。
フツーに解釈すれば「僕のところ」ってのは「僕の懐」ではなく、「僕の家」であることは明らかでしょうよ。
その後の文章の「僕は90万円全部地元で使いますけど」って部分も、口語の場合「僕のところも」って言わずにこう略した言葉になっていることには何の違和感もない。
なんでこれが、家長がお金独占する話メインで取り上げられてバッシングの対象になっているのか謎過ぎる。
こんなの中学校国語レベルの読解力の話なんで、
フツーは大抵の人が正しく解釈できるはずなんです。
でも、なぜかみんな「1.橋下氏は家族全員のために支給された給付金を独り占めしようとしている悪い男だ。」を選んでしまう。
なぜか、このツイートが9000RTされ、1.6万のいいねをもらってしまう。
フツーの解釈をすればこうはならないはずなのに。
答えはカンタンで、物事をフラットに見ていないからです。
言い換えれば、偏見で見てるってこと。
例え話ですが、
誰にでも親切で、周りからの人望も厚く、ずっと仲良くしてくれているAさん。
この人があなたにプレゼントをしてくれたとします。
あなたは普通に嬉しい気持ちになるでしょう。
ですが逆に、
いつも自慢話が多く、気が利かない、はっきり言って気に入らないBさん。
この人があなたにプレゼントをしてくれたとします。
あなたはどういう気持ちになりますか?
たぶんBさんに対して
「何なの急に?気持ち悪い」
「こういうときだけ人に媚び売って」
みたいなネガティブな感想を持ってしまうんじゃないでしょうか。
「プレゼントをくれた」っていう事象はまったく変わらないにも関わらず、
完全に逆の印象を受けてしまうんですよね。
不思議な現象ですよねぇ。
先に持っていたAさんとBさんのそれぞれの印象に左右されて、
まったく同じ行動をとった二人に対して違う感想を持ってしまう。
これは先ほども言ったとおり、先入観に引っ張られて物事をフラットに見れていないから。
自分が嫌いな人に対して「この人は間違っている」と無意識に思いたくなっちゃってるんです。
自分の嫌いな人が「正しい」という状況が、ある意味ストレスなのかもしれません。
さっきの橋下さんの発言についても、同様ですね。
橋下さんは知事のときから歯に衣着せぬ物言いでスバズバ言うので、彼の事を嫌いな人がけっこう多いです。
さらに最近はコロナ不安やその対応のずさんさから、政治家関係者全体への不信感も募っています。
つまり多くの人にとって、橋下さんは先ほどの例の嫌われ者のBさんなんですよね。
だから、みんなの中で「自分が嫌いな人は間違っているのだ」というのが無意識下で働く。
「僕のところ」という言葉を、「僕の家庭」ではなく「僕の懐」と解釈して、彼を正しくない人に仕上げてしまうんです。
「無意識でって、そんなバカなこと自分はやってない!」って思うかもしれませんが、
試しに記事の中の「橋下氏」を、自分が世界で一番尊敬してやまない人の名前に置き換えてみてください。
一般的に誰も嫌ってなさそうな好感度が高い芸能人でもいいですね。
たとえば、所ジョージとか綾瀬はるかとか。
もし、綾瀬はるかが「私のところには90万円くるんですよ。おかしいじゃないですか?」って言ってたら、
あなたはそれに対して「こいつ家族の金を独り占めするクソ女だ!」って思います?
思わないでしょ?
まったく同じことを橋下氏が言ったらそう思う、綾瀬はるかだったらそう思わない。
それは間違いなくフラットに見れていない証拠です。
発言そのものではなく、発言者に対する印象だけで是非の判断をしちゃってます。
橋下氏のことを嫌いな人が多いのはわかるんですよ。
知ってのとおり、国民全員に好かれるような振る舞いをする人ではないし。
別に自分も橋下氏のことが好きかって聞かれたら、そうではないです。
でも、正しいこと言ってるか、間違ったこと言ってるかの判断は、まったく別の話。
どんなに素晴らしい偉人でも、どんなにクソッたれなカス野郎でも、
正しいこと言ってる日もあれば間違ってること言ってる日もあります。
100しゃべって、その100が毎回正しいなんて、そんな人間この世にいやしません。
行動の是非を決定づけるのは、人じゃなくてその内容です。
こんなご時世だからこそ、常にフラットに見ていきましょ。
いろんなジャンルの人がこのコロナ騒動の中で様々な意見を発信していて、あちこち情報が溢れ返っている世の中です。
発言者の好感度や、雰囲気、印象だってもちろんその内容の是非の判断材料のひとつではありますが、それを判断材料のメインとするのはやめときましょう。
それやるといろいろ間違った方向に入っちゃいますよ。
しかも自覚なしに。
最近SNSとか見てても、発言者や雰囲気なんかで情報の是非を見ちゃってる人がすげぇ多いなぁと感じて書いてみた次第でした。
みんながみんな雰囲気で動いて出来上がった世の中は、たぶんクソだと思うよ!
あしからず。
したらな!
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