遊星からの物体X
育児で外出しづらい人の強い味方、Netflix。
今回は「遊星からの物体X」を観たよ!
原題は「The Thing」。
意味は直訳すると「それ」なわけですが、まさにこの作品は「それ」にふさわしいです。
めっちゃいいタイトルセンスだなぁと思う。
「遊星からの物体X」は、1982年に制作された有名なアメリカのホラー映画。
ホラー映画では金字塔と呼ばれるくらいの名作でございます。
自分は小学生とか中学生とか、それぐらいのときに一度観たけどいろいろ衝撃的だった記憶が。
残念ながらストーリーはほとんど覚えてなかったので、久しぶりに観直してみることにしました。
さぁ、あらすじ!
完全にネタバレで!
舞台は1982年の南極。
広がる雪原の中で、ノルウェー人の男がヘリコプターで1匹の犬を追っていた。
男は上空からライフルで犬を狙い続けるが、なかなか仕留められない。
逃げ続けた犬はアメリカの観測基地にたどりつく。
ノルウェー人の男は隊員に何かを訴えるが言葉が通じない。
しかも執拗に犬を攻撃するノルウェー人の流れ弾は一人の隊員の足を打ち抜いてしまう。
それでも攻撃を止めない男を危険だと判断した隊員たちは、ついにはノルウェー人の男を射殺。
犬は基地の中で保護することに。
ノルウェーの観測基地で何があったのかを知るために、主人公マクレディはヘリを飛ばす。
そこで見つけたのは、顔が2つある奇妙な生命体の焼死体、壁に刺さった血が付いたオノ、自殺した隊員の亡骸、中から何かが抜け出たと思われる大きな氷の塊だった。
マクレディたちは基地の記録映像と、生命体の焼死体を基地に持ち帰る。
その晩、保護された犬はほかの犬とともに犬舎に入れられる。
しかしその犬は化け物で、ほかの犬を取り込みながらその姿を変態させていった。
異変に気付いた隊員たちは火炎放射器を使って化け物を焼き殺す。
ノルウェー基地に残されていた記録映像により推測されたのは、10万年前に南極に墜落したUFOから出てきたエイリアンが氷漬けになり、それをノルウェー観測基地の隊員が掘り起こしたところ蘇生して襲ってきたのだろうということ。
そしてそのエイリアンは細胞単位で生きていて、ほかの生き物を体内に取り込み、その複製を作ってなりすますということだった。
ノルウェー基地から持ち帰った生命体は実はまだ生きていた。
この生命体は隊員の一人を取り込んで複製を作ろうとするが、マクレディたちはこれを発見し何とか焼き殺すことに成功する。
しかし犬のエイリアンがかなりの長時間のあいだ基地の中を自由に歩き回っていたことから、隊員の誰かがすでにエイリアンと化しているという疑惑が出てしまう。
お互いを信じられなくなってしまう隊員たち。
生物学者であるブレアはエイリアンをこの基地から外界に出してしまうと世界はあっというまに滅びてしまう事実を知り、感情的に暴走して基地の無線や移動手段をすべて破壊してしまう。
隊員たちはとりあえずブレアを拘束して離れに隔離するが、お互いの疑心暗鬼は止まらず。
マクレディの服が脱ぎ捨てられていたりと、マクレディはエイリアンの仕掛けた罠により一番怪しい人物に仕立てられてしまいピンチ。
そんな中でマクレディはなんとか銃を持って優位に立ち、エイリアンは細胞単位で生きていることから「血液に炎を当てれば生存本能で何か反応をみせるはず。隊員それぞれの血液でそれを試してみる」という識別方法を全員に試していくことにする。
このテストによってエイリアンをあぶり出して殺すことに成功するが、抵抗したエイリアンによって多くの隊員が命を落としてしまう。
その後、隔離していたブレアのところに向かうが、なんとブレアはすでにエイリアンに寄生されており、地下にヘリコプターの部品を使ってUFOを作り上げようとしていた。
UFOを破壊する隊員たちだったが、今度はブレアは発電設備を破壊して、越冬して人間が春にやってくるのを待つ選択肢を取る。
自分たちが生き残る道は絶たれてしまったマクレディたちだったが、エイリアンの越冬だけは阻止しなければいけない。
マクレディたちは施設を爆破してエイリアンの息の根を止めることに成功する。
それから少しの時間をおいて、最後まで生存したマクレディとチャイルズが再会。
相手は人間のなのか、エイリアンなのか。
凍えゆくだけの最期の時の中で、彼らにとってそれはもうどうでもよいことであった。
おわり
ズシーン。。。
いやあ、重い (´Д`lll)
なんて重い結末。。。
中盤で誰がエイリアンなのか判断がつかない状況下で出てくる人間の黒い部分をガツンとみせて、
最期の最期まで彼らは疑心暗鬼のままで話は終わってしまうという。
バッドエンドなのかどうかもわからないっていう不確定さが、確定バッドエンドであることよりもまた違った重さをかもし出していますな。
とにかくホラー映画としては名作に間違いないですね。
デジタルリマスター版とはいえ、40年近く前に作られたとは思えないぐらいに特殊効果などの映像のクオリティが高く、最近の作品と比べても遜色がないです。
もっとがんばれよ、最近のCGバリバリのホラー映画たちよ(笑)
展開もものすごいしっかりしてる。
南極の観測基地という身動きがとれない極限環境の中で、冒頭にやってくるのは「なぜか執拗に犬を追いかけるノルウェー人」という違和感です。
そこからは「何かが起きているのだけど、その正体がわからない」という時間が続き、情報が少しずつ揃っていって全貌が明らかになったときには最悪の状況であるという戦慄。
観ているこちら側にも劇中の登場人物たちとともに絶望感を感じさせる展開は、かなりヒリヒリしていて秀逸ですな。
クリーチャーも相当ビジュアルえぐいしねー。
「寄生獣」の作者も影響受けてるんだろうなぁと思わせる、顔がパックリ割れて人間を捕食するシーンは、そこまでの焦らしの描写が完璧なだけにウヒョッってなる。
頭部だけが分離してクモみたいになって逃げていくところとかもやばいし、その体表にふれただけで皮膚から同化してしまうところもやばい。
映画として唯一の難としては、登場人物が男性ばかりで数も多め、さらに暗いシーンが多いので人物の識別が難しいところかな。
意識して序盤から登場人物の顔と名前を一致させていかないと、せっかくの疑心暗鬼のサスペンス部分が楽しみづらくなっちゃいます。
ちなみに「遊星からの物体X」は、シリーズとして前日譚となる「遊星からの物体X ファーストコンタクト」っていうのも2011年に制作されています。
ホラー映画女優として有名なメアリー・エリザベス・ウィンステッドが主人公。
こちらはノルウェー観測基地でいったい何があったのかを描いた作品になっています。
すでに自分は観ていますが、こちらも名作でした。
後日また感想書いていきまーす。
遊星からの物体X
1982年アメリカ制作
監督: ジョン・カーペンター
脚本: ビル・ランカスター
原作: ジョン・W・キャンベル『影が行く』
製作: デイヴィッド・フォスター
製作総指揮 ウィルバー・スターク
キャスト: カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー、ドナルド・モファット、キース・デイヴィッド
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