シャーク・アタック!!
懲りずにサメ映画をむさぼっていくシリーズ!
いつかはこのブログでサメ映画データベースみたいなの作れたらいいなぁと目論見、
今日も淡々とサメ映画を観てレビューしていきます。
はい、今回は『シャーク・アタック!!』だよ!
この『シャーク・アタック!!』は、2012年にアメリカで製作された映画です。
英題は『SUPER SHARK』で、直訳すると「超鮫」。
とりあえず何かを超えたサメであることはすごく伝わってきます(笑)
劇中でもヒロインが「SUPER SHARK!」という呼称で呼んでいますし、
メインテーマでも「SUPER SHARK!SUPER SHARK!」という歌詞を連呼しています。
もう邦題も「スーパー・シャーク」にしとけば良かったと思うんですが。
そのへんは何か大人の事情があるんでしょうか。
ちなみに肝心のクオリティはと言いますと、
こないだ観たフランケンジョーズもなかなかやべえ奴でしたが、
本作もそれに負けないレベルでやべえ奴でございます。
初めて観たときにはめちゃめちゃ腹抱えて笑ったなぁ。
本作はサメ映画フリークにとっては外せない逸品といってもいいでしょう。
さぁ、ネタバレありであらすじいってみよう!
洋上にある石油採掘施設。
しかし謎の事故が発生してその施設は完全に崩壊してしまう。
事故による海洋汚染がないか調査のためにやってきたヒロイン。
採掘会社には、岩盤採掘のために岩を風化させる薬品を大量に使用していた事実があった。
最初は薬品の使いすぎによる岩盤崩壊が事故の原因だと推測したが、
事故当事者からサメの存在を聞き、さらに自分の目で巨大ザメの姿を見たヒロインは、
岩盤の下に眠っていた巨大な古代ザメが事故原因であると結論づける。
そのころすでに付近の海では古代ザメによる殺戮が始まっていた。
人間はもちろん、潜水艦までもがその餌食に。
事態を知って出動した軍とヒロインたちは協力してサメを迎え撃つ。
第一ラウンドでは、ライフルが全く効かない固い外皮と戦闘機を叩き落すジャンプ力の前に苦渋を飲まされる。
第二ラウンドでは、秘密兵器・四足歩行戦車「ウォーキング・タンク」を投入するが、やっぱりサメの前にあっさり撃沈。
ヒロインはサメに洞窟内に追い詰められて絶体絶命のピンチとなるが、
うまく爆弾つきのラジオをサメに食わせてサメをドカーン!、
ヒロインは無事に生還してハッピーエンド。
おしまい
えーとね、鑑賞後の感想。
ハメを外せばいいってもんじゃない(´・ω・`)
映画『ジョーズ』のヒット以来、さまざまなサメ映画が作られましたが、
基本的にはどの作品もサメの体裁をちゃんと守っていたんですよね。
水の中から迫ってきて水中に引きずり込む、みたいな。
しかし本作のサメはそういう基本ルール無視。
潜水艦は撃沈はまだしもね、採掘施設のクレーンに咬みついて水中に引きずり込んだり
音速で飛ぶ戦闘機をパックリやったり、
だいぶ表現の自由を履き違えた姿を見せてくれます。
特に無茶苦茶なのは陸上での戦闘能力ですね。
こやつ、陸に普通に上がってきて平然と人間たちを襲っております。
胸ビレを前足がわりにムツゴロウやハタハタのように移動するのですが、
このサメ、なんと胴体を全く地面につけることなくヒレだけで自重を支えているという。
しかもその体勢からマリオばりのハイスピード連続ジャンプ。
物理法則を超越した神の領域の身体能力です。
あ、ちなみにサメの種類は、ヒロインが仮説として「岩盤の下に仮死状態で眠っていたものが採掘事業によって目覚めてしまったメガロドンに近い仲間」と唱えています。
未知の古代ザメの設定だから何でもアリでも許されると思ってんな(笑)
またサメの体長は15メートル以上と語られていますが、シーンによってかなり大きさが違って見えます。
石油採掘施設や潜水艦を襲っているときは15メートルどころではないです。
逆にヒロインを襲っているときは10メートルにも見えないときも。
サイズ合わせぐらいしっかりしろよー ( ο´Д `ο)=з
ちなみにそんなサメと戦う人間達もなかなかぶっ飛んでいます。
化物ザメと戦うために軍隊が出動するのですが、悲しいかな、現場に駆り出された陸戦歩兵はたったの3人。
フットサルもできない人数でいったい何と戦おうというのでしょうか。
与えられたライフルと火炎放射器でサメに必死で立ち向かうのですが、
バトルシーンにも関わらず緊迫感よりも哀れみの悲壮感のほうが前に出ます (´;ω;`)
オー人事!オー人事!早くこんなブラックな仕事から転職するんだ!
もちろんあっさりと歩兵隊は壊滅してしまうのですが、軍隊も流石にこのままやられっぱなしではいられません。
陸軍の秘密兵器である四足歩行戦車「ウォーキング・タンク」の登場です。
アフガンで使うために開発されたというその最新型戦車は、
なんと足が4本付いていて、まるでゾウのように歩くことができます。
ハイテクだ!すげぇ!
・・・で、歩くメリットは?(´・ω・`)
戦車が四足歩行をする意味はいったい何なのか。
グラグラ歩くから照準が安定しなくて、まったくサメに砲撃が命中しないし(汗)
サメの素早い動きに圧倒されまくっています。
1人乗りなのも意味わかりませんしね。
普通こういうのって砲撃手と操縦手って別の人間がやるものなんじゃあ?
そんなこんなで砲撃を一撃も当てることができずにすぐにピンチになります。
アホ上官は「目を狙え!」って叫んでいますが、
ボディにすら当てれてないのにそんな無茶な注文があるか(怒)
結局このウォーキング・タンク、砲撃は一発も当てられず。
唯一サメに当てることができたのは蹴りって。
もう戦車としての存在意義はいずこ。
ストーリー面においても、これが愉快にひどい(笑)
序盤からライフセイバー3人組が出てくるんですが、
これが男1人を女2人が争う甘酸っぱい恋の三角関係。
女の子は彼の気を引くために水着ミスコンに出場を決めたりと、思春期の健気な心情が描写されます。
ああ、
「どちらかの女の子はサメの犠牲になってしまうのかなぁ」
「残された男女二人が怒りに震え、サメに立ち向かうことになるのかなぁ」
そういう展開を想像するじゃないですか?
甘いです。
3人まとめて喰われます。
序盤からラブストーリーを展開する3人組が、まさかの全員モブ役。
ここまでの30分のメロドラマは何だったのか。
いったい何のために出てきたのこの人たち!?
この映画86分しかないんだぜ。
クレイジーーー!!
あと演出がひたすらショボいですね。
CGで描かれたサメは大味すぎてリアリティのかけらもないマスコットみたいですし、
殺戮シーンも咬みつくような描写は一切なく、通り過ぎるように丸呑みするだけ。
モンスターの恐ろしさみたいなものは全く伝わってきません。
まぁ、CGが発達していなかった時代の映画だから仕方がえ、これ2012年の映画なの!?
ほかにも、
サメ騒動で封鎖していたはずの海岸にグライダーが飛んでいたり、
身内の不審死を追及するヒロインがあっさり賄賂で折れたり、
サメを爆発させて返り血まみれになったヒロインに何故かワカメが絡まっていたり、
いろんな意味でハイカラな演出がいっぱいありました。
酒とか飲みながらみんなでワイワイやるには最適なサメ映画ですね。
作品のノリはいいですし、アホさ加減にツッコミながら観ることができます。
『シャーク・アタック!!』は、いろんな意味でスルー出来ないサメ映画。
ご興味あればぜひぜひどーぞ―。
シャーク・アタック!!
2012年 アメリカ製作
監督: フレッド・オーレン・レイ
キャスト: ジョン・シュナイダー、サラ・リビング、ティム・アベル、ジェリー・ラシー、テッド・モンテ、ほか
登場するサメ: 深海で岩盤の下に眠っていた古代ザメ(メガロドン?)
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