サマー・シャーク・アタック
目につくサメ映画をとことんむさぼっていこうのシリーズ!
今回はサマー・シャーク・アタックだよ!
最近になってAmazonプライムにて配信されておりました。
作品解説には2021年って書いてあるけど、実際には2016年に放送されたアメリカのテレビ映画なんだそうで。
そんなマニアックな作品をチョイスしてくれるAmazonプライムに感謝ですな。
(もっと名作をチョイスしろよ!って声のほうが明らかに多数派だろうけど)
はい、いつもどおりあらすじから。
以後ネタバレしまくりなのでそのつもりでよろしく!
画像引用:Ozark Sharks 2016 Official Trailer
舞台はアメリカミズーリ州のオザーク。
広大な自然とそこに広がる湖にはレジャー客が多く訪れていた。
モリー一家も同様に湖のほとりのコテージにキャンプ目的で訪れる。
モリーの恋人カーティスも突如の来訪。
しかし、湖には淡水でも活動できるオオメジロザメが出没していて人々を襲っていた。
しかもその数は6匹。
湖の中に入っていた祖母が犠牲になってしまう。
パニックになったモリーだったが、事態を知らない両親たちがボートで湖へ出てしまったことに気付く。
道中で出会ったキャンプ場の経営者ジョーンズは実は武器マニアだった。
モリー達はジョーンズと協力し、両親探しとサメ退治に乗り出す。
って感じのお話。
ちなみに原題は『Ozark Sharks』。
オザークが舞台だからオザークシャークってのもさすがに安直ではありますが。
かといって邦題のようなサマー感もないんですよね。
映画冒頭から映し出される木々は葉が落ちているものが多く、なんか空もどんよりしてる。
これホントに夏に撮影したのかな?
まぁ、内容としては。
サメ映画にアタリはほとんどない、クソ映画ばっかり的なことはすでに常識(?)だし。
数多のサメ映画の中で一般人が観るに耐える作品など、片手ぐらいしかないのも確か。
ぶっちゃけ、この『サマー・シャーク・アタック』もダメ映画の類に入ってしまいます。
それでもあえて言っておきたい。
サメ映画としては合格であると。
世の中には自分を含めB級サメ映画を好んで観るいかんともしがたい人が一定数いるのですが、
なんていうかね、本作はそういう人たちのツボをちゃんと抑えてるんですよね。
「そうそう、B級サメ映画はこんなじゃなきゃね!」っていうのを、心地よく提示してくれている感じ。
なかなか好感の持てるサメ映画です。
なんかねー、ノリがトレマーズに似てるのよ。
キャンプ場の経営者ジョーンズの武器コレクションはバートを彷彿させるし、
そもそもお父さん演じてる人、ちょっとバートに似てるし(笑)
たぶん監督はトレマーズ観てるし、トレマーズ好きなんだと思う。
ジョーンズは『ゴースト・シャーク』で保安官やってた人だね。
本作ではクレイジーな武器マニアを生き生きと楽しそうに演じてらっしゃる。
また、ジョーンズが「北へ向かうぞ!」と意気込んでいる最中にガブリいかれるのは『ディープ・ブルー』のサミュエル・ジャクソンのシーンのパクリオマージュと思われる。
知ってるとニヤリとしちゃうよね。
で、もう一人魅力的なのはカーティス。
こやつはモリーの初めての彼氏であり、兄ハリソンの親友でもあります。
家族旅行水入らずの避暑地にノンアポで現れるような軽ノリのあんちゃん。
サメ映画を見慣れた人であれば、誰もが「あ、こいつ一番先に死ぬわ」と思うような存在です。
そんな死臭がプンプン漂うカーティスくん。
ジョーンズというベストパートナーを見つけてからは、劇中になくてはならない存在に昇格。
武器を欲しがるカーティスに「ダメだ」を繰り返すジョーンズとのやりとりは微笑ましくもあります。
完全に存在感はモリーやハリソンを喰っていました。
そのあまりの存在感の大きさに、彼から漂っていた死臭が薄れ始めていたそのとき。
サメを入れた粉砕機から飛んできた歯がカーティスにたまたま刺さるという突然の悲劇!
無数の歯がまるで手裏剣のように胸に刺さったカーティスは、
「陸の上なのにまさか攻撃されるとはな・・・」
という名言を残して息絶えます。
自分は思わず「カァーティィィィィーーース!」と心の中で叫んでしまいました(半笑いで)。
彼の存在に惚れ込んでいた視聴者はみんなここで叫ぶと思う。
(たぶんニコ動だったら彼の名を叫ぶ弾幕が発生しているw)
↑関係ないけどモブ子役の熱演には頭が下がります
魅力的なキャストだったジョーンズとカーティスの両方が退場してしまってからは、
正直言ってやや盛り下がる感はありますが。
最後はジョーンズが残してくれた「取り込んだものを発射するよ!あ、取り込むモノはなんでもOKー!」という謎のドラえもん22世紀チート武器を使用。
花火会場に用意されていたありったけの花火をパクって詰め込み、サメの口の中に打ち込みます。
これで大空に打ち上がってしまうサメの質量はいったいどうなってんだって感じですが、ツッコむだけ野暮。
サメは大爆発。
ベジータ的に言えば、きたねぇ花火だぜって感じで決着です。
降り注ぐ血の雨を前にショーシャンクの空にみたいなポーズを取るヒロイン。
いったいどういう感情なのだろうか。。。
エンディングになかなか猟奇的な画を持ってきますね(笑)
あ、本作で登場するサメはオオメジロザメです。
以前にも何度か書いてるとおり淡水域にも侵入できるサメなのですが、
「このオオメジロザメを使えば海で撮影しなくて済むじゃん」と気付いた世の監督達は率先して彼らを起用するようになったようです。
本作もテレビ映画で予算はかなり少ないはずなので、そういう経緯で登板となったのでしょう。
登場するサメはどれも大型の個体。
最初におばあちゃんを頭からパックリやったサメもかなり大きいのですが、
そのおばあちゃんの足元みると水面はすねの位置で、どうみてもこのサイズのサメが侵入できる水位ではありません。
おばあちゃん、めっちゃひざ下長いのかな(笑)
また本作のサメはガンガンジャンプして人を襲いますが、
オオメジロザメが実際に空中に飛び出るぐらいにジャンプするという話は聞いたことがありません。
ラストシーンなんてイルカの曲芸ばりの高さまで飛んでますが、さすがにフィクションですね。
っていうか、こんな浅い場所じゃイルカだって飛べんわい。
ほい、『サマー・シャーク・アタック』。
いい感じにおバカで楽しいB級サメ映画でございました。
先にも書いたけど『トレマーズ』とかのノリが好きな人なら問題なくエンジョイできるんじゃないかと。
B級サメ映画初心者に向けた入門編としても、ライトなテイストがいい感じ。
まだしばらくはAmazonプライムに入ってると思うので、
ご興味あればぜひーっ。
サマー・シャーク・アタック
2016年アメリカテレビ映画
上映時間 88分
監督: ミスティー・タリー
キャスト: アリソン・アシュリー・アーム、デイヴ・デイヴィス、アシュトン・リー、トーマス・フランシス・マーフィー、ローラ・カユーテ
コメント